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はねお
ふりがな文庫
“
跳起
(
はねお
)” の例文
新太郎ちやんは、
跳起
(
はねお
)
きると枠のあとを追つかけた。枠の方が十倍も速かつたが、新太郎ちやんは、
何処
(
どこ
)
までも追つていつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
小使
(
こづかひ
)
のニキタは
相
(
あひ
)
も
變
(
かは
)
らず、
雜具
(
がらくた
)
の
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
に
轉
(
ころが
)
つてゐたのであるが、
院長
(
ゐんちやう
)
の
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
たのに
吃驚
(
びつくり
)
して
跳起
(
はねお
)
きた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
蹴られて金眸
岸破
(
がば
)
と
跳起
(
はねお
)
き、一声
嘷
(
ほ
)
えて立上らんとするを、起しもあへず鷲郎が、
襟頭
(
えりがみ
)
咬
(
く
)
はへて引据ゆれば。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
一瞬時なりともこの苦悩この煩悶を
解脱
(
のが
)
れようと
力
(
つと
)
め、
良
(
やや
)
暫
(
しば
)
らくの間というものは身動もせず
息気
(
いき
)
をも吐かず死人の如くに成っていたが、
倏忽
(
たちまち
)
勃然
(
むっく
)
と
跳起
(
はねお
)
きて
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
其の
中
(
うち
)
にお瀧が中央に居るから、
若
(
も
)
し
情実
(
わけ
)
が有ればソレ夜中に向うの床の中へ這入るとか、男の方からお瀧の方へ足でも
突込
(
つッこ
)
めば、貴方が
跳起
(
はねお
)
きて
両人
(
ふたり
)
をおさえ付け
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
こう云って、己は椅子から
跳
(
は
)
ね起きて、
怒鳴
(
どな
)
ってやろうかとさえ思った。跳ね起きようとすれば、いつでも
跳起
(
はねお
)
きられる、怒鳴ろうとすればいつでも怒鳴り得ると思った。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
二人の神経が段々
尖
(
とが
)
って来た。そしてお島に泣いて突かかられると、鶴さんはいきなり
跳起
(
はねお
)
きて、家では滅多にあけたことのない折鞄をかかえて、外へ飛出してしまった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
恐ろしさとに
堪
(
た
)
えかねて、
跳起
(
はねお
)
きようとしたが、
躯
(
からだ
)
一躰
(
いったい
)
が
嘛痺
(
しび
)
れたようになって、起きる力も出ない、
丁度
(
ちょうど
)
十五分ばかりの
間
(
あいだ
)
というものは、この苦しい
切無
(
せつな
)
い
思
(
おもい
)
をつづけて
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
『
島
(
しま
)
がツ。』と
私
(
わたくし
)
も
蹴鞠
(
けまり
)
のやうに
跳起
(
はねお
)
きて
見
(
み
)
ると、
此時
(
このとき
)
天
(
てん
)
全
(
まつた
)
く
明
(
あ
)
けて、
朝霧
(
あさぎり
)
霽
(
は
)
れたる
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
、
吾
(
わ
)
が
端艇
(
たんてい
)
を
去
(
さ
)
る
事
(
こと
)
三海里
(
さんかいり
)
ばかりの、
南方
(
なんぽう
)
に
當
(
あた
)
つて、
椰子
(
やし
)
、
橄欖
(
かんらん
)
の
葉
(
は
)
は
青〻
(
あほ/\
)
と
茂
(
しげ
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼はそこまで考えると、いきなりベッドから
跳起
(
はねお
)
きた。彼はずっと前から、原稿料で生活をして
行
(
ゆ
)
きたいと考えていたが、投稿するなら、まず幸福日報社が好かろうと
規
(
き
)
めていた。
幸福な家庭
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
お栄が眼を覚まして
跳起
(
はねお
)
きて見ると、姉は床の上に
突伏
(
つツぷ
)
して、
身体
(
からだ
)
を震はせて居た。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
綾子は茫然瞳を据えて、石に化せるもの数分時、
俄然
(
がぜん
)
跳起
(
はねお
)
きて、「ああ、
懊悩
(
うるさ
)
い。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜
(
よ
)
が更けて、本尊様が寝言でも仰有らうといふ頃、独照はがばと
跳起
(
はねお
)
きた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
小使
(
こづかい
)
のニキタは
相
(
あい
)
も
変
(
かわ
)
らず、
雑具
(
がらくた
)
の
塚
(
つか
)
の
上
(
うえ
)
に
転
(
ころが
)
っていたのであるが、
院長
(
いんちょう
)
の
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
たのに
吃驚
(
びっくり
)
して
跳起
(
はねお
)
きた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
惣「そりゃア誠に困ったものだ、
誰
(
たれ
)
か看病人が無ければならん、成程
己
(
おれ
)
も時に行って見ると、ひょいと
跳起
(
はねお
)
きるが、あれでは
却
(
かえ
)
ってぶり返すといかんから看病人に姉でも呼ぼうか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
むっくと三吉は
跳起
(
はねお
)
きた。表の戸を開けて、受取って見ると、病院から打って
寄
(
よこ
)
したもので、「ミヤクハゲシ、スグコイ」とある。お延を起す為に、三吉は姪の寝ている方へ行った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
疫病神どもこれを聞くより、そら
遁
(
に
)
げろと、
跳起
(
はねお
)
きて、棺は棄置き、雲を霞。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜も
更
(
ふ
)
けた頃、むつくと寝床から
跳起
(
はねお
)
きて、一旦細くした
洋燈
(
ランプ
)
を復た明くしながら、蓮太郎に宛てた手紙を書いて見た。今はこの病気見舞すら人目を
憚
(
はゞか
)
つて
認
(
したゝ
)
める程に用心したのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
五六名どやどやと
入来
(
いりきた
)
りて、正体もなき謙三郎をお通の手より奪い取りて、有無を謂わせず
引立
(
ひった
)
つるに、
啊呀
(
あなや
)
とばかり
跳起
(
はねお
)
きたるまま、茫然として立ちたるお通の、歯をくいしばり、瞳を据えて
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
むッくりと
跳起
(
はねお
)
きて首輪の音をさして座敷からつッと出た。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
跳
常用漢字
中学
部首:⾜
13画
起
常用漢字
小3
部首:⾛
10画
“跳”で始まる語句
跳
跳梁
跳上
跳躍
跳返
跳出
跳梁跋扈
跳付
跳足
跳込