“諫言:かんげん” の例文
“諫言:かんげん”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治21
野村胡堂4
国枝史郎4
中里介山4
三遊亭円朝3
“諫言:かんげん”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 倫理学・道徳 > 人生訓・教訓12.5%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸6.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
賢と不才とを識別し得ないほど愚かではないのだが、結局は苦い諫言かんげんよりも甘い諂諛てんゆよろこばされてしまう。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
こういう諸将の論や諫言かんげんの出る軍議の席では、信長も、お市の方のことなどを、恋々れんれんと口には出せなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「われらが主君成瀬隼人正、西丸様お企てを一大事と観じ、再三ご諫言かんげん申し上げたれど聞かれず、やむを得ず拙者に旨を含め……」
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
信盛、夕菴せきあん、光秀の三人は、同時にまた両手をついて、あたかも諫言かんげんとりでのように主君の前をうごかなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが頭のいい元就は、弘中三河守の諫言かんげんを封じる為に、座頭を使って、陶に一服盛ってあるのだから叶わない。
厳島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「さようなご深慮ともわきまえず、さかしらだって諫言かんげんつかまつり今さら恥ずかしく存じまする」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
等の項目にわたって諫言かんげんしたので、曹操も思い直して出動を見あわせ、しばらくはなお、内政文治にもっぱら意をそそぐこととした。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四十年ただ亡くなった姉の真心こめた不断の諫言かんげんと最後にきた老齢によって晩年多少の反省と自制を見せるようになったに過ぎない。
結婚 (新字新仮名) / 中勘助(著)
呉の良臣、伍子胥ごししょ諫言かんげんも耳に入れず、荒婬こういんと、連日の宴舞に、国政もみだれ果てた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、それにせよ、谷忠兵衛の諫言かんげんは、元親にとって、慮外りょがいなる暴言としか、聞えなかった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他人の諫言かんげん忠告をいつでもれる心の態度を有する者は真の大人たいじん、君子、英傑である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「かまわん! 御立腹をおそれて諫言かんげんはできぬ、御当家のために、わしはあえて非礼をするのだ、殿様がまた、病床にすまでやッつけてやる」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雪斎はもう諫言かんげんしなかった。その代りに、評議のたびに、大事に大事を取るべく主張した。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足利将軍義政の時代に諫言かんげんたてまつって領地を失った熊谷某は近江の熊谷である。
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かくて信玄以来の智勇の武将等の諫言かんげんも、ついに用いられず、勝頼の自負と、跡部等の不明は、戦略を誤り、兵数兵器の相違の上に、更に戦略を誤ったのである。
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
情理整然とした諫言かんげんに、流石さすがの家光も後悔したけれども及ばなかった。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「なにを止める。もっと前へすすめ。なにか、信長に諫言かんげんでもこころみたいか」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
程普も、それ以上、諫言かんげんのことばもなく、自らまたすすんで軍備を督励した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
袁紹えんしょうの臣沮授そじゅは、主君袁紹に諫言かんげんして、かえって彼の怒りをかい、軍の監獄に投じられていたが、その夜、獄中に独坐して星を見ているうちに、
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜお止めしなかったか。死をしてまでも、なぜ諫言かんげんしなかったか。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うかうか諫言かんげんなど為ようものなら、反対にとっちめられて了うだろう。
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
雪斎の諫言かんげんは、雪斎の老衰のせいであるとわらって取りあわない。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殿「成程左様じゃ、至極左様じゃ、正道せいどう潔白な事じゃ、これ權六、以来予に悪いことが有ったら其の方諫言かんげんを致せ、是が君臣の道じゃ、宜しい、許すから居てくれ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
兵馬はその時分に、能登守のために諫言かんげんをしようかとも思いました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
例のうるさい男が来てしきりとわしに思い直せと諫言かんげんして止まない。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そっと、ささやいて道庵を引留めましたけれど——およそ道庵の気性を知っている限りの人においては、左様な諫言かんげんを耳に入れる人だか、入れない人だかは、先刻御承知のはず。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
とくに正成ほどな者を、なぜか義貞も、今日まで、自軍の片腕にとは求めて来ず、またそち自身がさきに申した諫言かんげんに照らしてみても、両者の同陣は、いかがあろうと、公卿みな
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでにその半兵衛重治は、一度主君をこの城から追うほどな手酷てきびしい諫言かんげん……ではなく実行をもって、龍興をらしめている。そして龍興を迎えて、城を返すと共に、
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも彼にとっては苦手の伯母御の意見といい、それにさからってはよくないという十太夫の諫言かんげんもあるので、播磨も渋々納得して、申訳ばかりに二人の女子を置くことになった。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこで時宗は、あっさり言ってのけた。いや諫言かんげんを奉った。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——と。秀吉は、もうぬッくとしとねから起ち上がっている。そして真言僧の切なる諫言かんげんが耳にはいったのか聞き流していたのか、突然、満座の者の憂いを吹きとばして哄笑した。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はわざと、こよいのような主従の袂別をして去ったのだ。大望の前途は、容易でない。それを励まそうための、むち諫言かんげんを、あんな態度でして去ったものにちがいあるまい……。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「一年のとき、重盛しげもり諫言かんげんを読んだね」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「もう遅い。光春、諫言かんげんなればめにいたせ」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
以前、赤島家の書生であった警察署長の津留木万吾つるきまんごは忠義立てに哲也を捕まえて手強く諫言かんげんすると「音絵を貰ってくれぬから自暴糞やけくそになったんだ」という返事であった。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
マッシャが僕に諫言かんげんをしたというようなわけで。
第一武芸には、上には上があるものだから、そう物好きをやるべきものではない——という米友の諫言かんげんは正当にして穏健なるものだが、そうかといって思い止まるには、道庵に自信があり過ぎる。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
たまたま家族の者に諫言かんげんでも加えるには、かつ夏目漱石なつめそうせき氏の評された、氏の漫画の特色とする「苦々しくない皮肉」のあじわいをっておもむろに迫ります。
信長が天成の大器であることも、その長所をもよく知っている中務の諫言かんげんだけに、信長はそれを読んでゆくうちに、涙より先に、びしびしと、鞭打むちうたれるような、真実の痛さを胸にうけた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、みかどへ直々に、諫言かんげんしたものである。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝助の諫言かんげんは、もっともなことだった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、伝令をとめて、曹操に諫言かんげんした。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで老人の危険を忌む思慮も加わってであろうが、氏郷をやかたに入れまいらせてから、ひそか諫言かんげんたてまつって、今此の寒天に此処より遥に北の奥なるあたりに発向したまうとも
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
梶川与之助は、またも返答に窮するの立場に輪をかけられたようなもので、面はかがやき、口はわななくけれども、いずれへ何と挨拶し、いずれへ何と諫言かんげんしていいか、その言葉のいとぐちを見出し難い。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それもこれもみんなお殿様の乱行らんぎょうのおかげでございます。毎日毎夜のご酒宴騒ぎ。のみならず時にはお太刀を抜かれ、諫言かんげんがましい事などを云うお気に入らぬご家来を片端から、お手討ちに遊ばす恐ろしさ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その曲者も召捕らぬうちに、上様には再度雑司ヶ谷の御鷹野を仰せ出された。御老中は申すに及ばず、おそばの衆からもいろいろ諫言かんげんを申上げたが、上様日頃の御気象で、一旦仰せ出された上は金輪際変替えは遊ばされぬ。
山「諫言かんげんか」
碑文を書くことは出来なかったので、いい加減なことを書いておいたが、我国の動物虐待防止会式の諫言かんげん、例えば「坂を登る時には支頭韁はづなをゆるめよ」とか「馬に水を飲ませよ」とかいうような文句が刻んであるのである。
その曲者も召捕らぬうちに、上樣には再度雜司ヶ谷の御鷹野を仰せ出された。御老中は申すに及ばず、お側の衆からもいろ/\諫言かんげんを申上げたが、上樣日頃の御氣性で、一旦仰せ出された上は金輪際こんりんざい變替は遊ばされぬ。
数えればりはない。左馬介、この光秀の思い立ちは、あらゆるものを超えている。何事も万々承知だ。しかもなお光秀は決して思いもうとはせぬ。堪忍に堪忍をかさね、考えに考えぬいたあげくである。よせ。むだな諫言かんげんはよせ。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「吉住樣からは、土佐守樣へは諫言かんげんは申上げ憎い。が、奧方の思召しを無にして、土佐守樣がいやしい女を召出されるのを、其儘にもならず、柴田樣とお二人が、お菊を橋渡しまでなすつた形なので、ことごとく閉口されたことでせう」
そうして残った白い処へ諫言かんげんの文だの、苦心談だのを書いて献上しておいて、自分はあとで自殺でもすれば、気の弱い文化天子のきもたまをデングリ返らせる効果は十分、十二分であったろうものを、そうしないで、なおも飽く事を知らずに
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「吉住様からは、土佐守へは諫言かんげんは申上げにくい。が、奥方の思召しを無にして、土佐守様がいやしい女を召出されるのを、そのままにもならず、柴田様とお二人が、お菊を見出し橋渡しまでなすった形なので、ことごとく閉口されたことでしょう」
はい、申すも面目ございませんが、元は岩瀬と申し、少々はお高も戴きました者でございますが、金森様の事に付いてお屋敷は不首尾となり、殿様へ種々しゅ/″\御意見を申し上げ、諫言かんげんとかをいたしたので重役の憎みを受け、御暇おいとまになりましたが
少々御主人様の事に就きまして親共が諫言かんげんを申した事がございます、其の諫言が却って害に相成りまして不興を受けておいとまになりましたが、父は物堅い気性故、仮令たといしゅうでも家来でもお家の為を思う者を用いなければ止むを得んから主家しゅかを出る
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
時の危局を未然に察し、事にあたってうろたえなきよう、日ごろにおいて、主君に忠言を呈し、誤りあれば、面を冒しても諫言かんげんをすすめ参らすは、臣の勤めであり、わけて家老の職分と存ずる。何らやましき心はない。また陰謀をたくらむならば、かかる席で公言はいたさん。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「帯刀。そちは若い者に尻をつかれて参ったの。近頃、上方に威を張る者にたいして、家康が安閑と坐視しているかの如き態にあきたらぬ若者輩わかものばらにケシかけられ、ひとつ、家康の前へ出て、諫言かんげんを試みよと、そそのかされて来たのであろう。……どうじゃ」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「正直に申しあげますると、殿様のお顔は痘瘡はうさうあとが見苦しく目立つていらつしやる上にお眼の内が鋭いので、御機嫌の悪い時は二目と拝まれないやうに存じまする。で、真実ほんとう諫言かんげんをお好みになりまするなら、何よりも先きにお顔をにこやかに遊ばされますやうに……」
「誤解という、いわれなき魔、形なき魔のするわざです。左兵衛さひょうえかみさま。およばぬながらも、この正成がおもてをおかして、そのことにつき、宮へはご諫言かんげんをこころみまする。依って、あなたさまも直々じきじき、宮のおん許へ伏して、あらぬ御嫌疑をお解きなさるべきではありませぬか」
シナ太古の聖人が世をおさむる時代には朝廷ちょうてい諫鼓かんこという太鼓のような物をそなえおいて、誰人たれびとにても当局に忠告せんとする者はこれを打つと、役人が出て諫言かんげんを聴いたと伝えるが、今日は諫鼓かんこのかわりに新聞があるけれども、耳を傾ける度量は昔にくらべてどうであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「悪いというのは、何よりも、この際、無謀な兵をあげてしまうことだ。やってしまってはおしまいだ。幕府に気味悪がられる程度はいいが、げんを放っては万事休す。——で、わしは徳島城へやってきた、何でもかでも、阿波守様に、その無謀を思い止まらせんためじゃ。命がけで諫言かんげんする! な、次郎、わかったであろう」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何、このわし諫言かんげんする! それでは、何か、殿へだけでは、諫言足らぬと云うのじゃな。殿へも諫言! 父へも諫言! いやはや諫言の鉢合わせじゃ! その方がそのように好くからには、諫言というその代物しろもの、うまい味のものででもあると見える……がしかしどのようなご馳走ちそうでも、満腹以上に詰め込まれてはせっかくの味も消えてしまう。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それはそうでもあろう、貴殿の諫言かんげんに従って思いとどまるのが道理かも知れないが、今はもう退引のっぴきのならぬ事態になっている。というのは、我等上杉景勝の家老直江山城守と堅く申し合わせ、当春より直江が主人景勝をすすめて旗を揚げさせ、そこで、家康父子をはじめ徳川一味の諸軍がみな景勝退治とあって会津発向のように仕組んで置いた仕事が、予定通り今日の段取りとなって現われたものである。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)