表紙へうし)” の例文
同僚どうれう小形こがた黄色きいろ表紙へうし宗助そうすけまへして、こんなめうほんだとこたへた。宗助そうすけかさねてんなこといてあるかとたづねた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
地獄ぢごく夜叉やしゃ肉體からだには何者なにものませうとや? あんな内容なかみにあのやうな表紙へうしけたほんがあらうか? あんな華麗りっぱ宮殿きゅうでん虚僞うそ譎詐いつはりすまはうとは!
うとつたものはなかつたらう、うへ、ぞつこんおもひこがれる御新造ごしんぞのおきみやさしい風情ふぜいのあるのをうかゞつて、居𢌞ゐまはりの夜店よみせなどで、表紙へうしやぶれた御存ごぞんじのうたほんあさつて
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なに度胸どきよう半紙はんし四五まい二つをりにして、すみつぎうすふみらぬかまぎらはし、わざぢて表紙へうしにもき、此趣向このしゆかううまくゆけかしとくるをちけるが、ひとしらぬこそ是非ぜひなけれ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宜道ぎだうふところくろ表紙へうしほんれてゐた。宗助そうすけ無論むろんぶらであつた。提唱ていしやうふのが、學校がくかうでいふ講義かうぎ意味いみであることさへ、此所こゝはじめてつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うへ、ぞつこんおもひこがれる御新姐ごしんぞくみが、やさしい風流ふうりうのあるのをうかゞつて、居𢌞ゐまはりの夜店よみせ表紙へうしやぶれた御存ごぞんじのうたほんあさつてて、なんとなくひとせるやうにひねくつてたのであつた。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
るとかれひだりしきりにまきへながら、みぎくろ表紙へうしほんつて、よう合間々々あひま/\それんでゐる樣子やうすであつた。宗助そうすけ宜道ぎだう書物しよもつたづねた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
参謀本部さんぼうほんぶ編纂へんさん地図ちづまた繰開くりひらいてるでもなからう、とおもつたけれども、あまりのみちぢやから、さはるさへあつくるしい、たび法衣ころもそでをかゝげて、表紙へうしけた折本をりほんになつてるのを引張ひつぱした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
懷中ふところから半分はんぶんばかり紺土佐こんどさ表紙へうし薄汚うすよごれたのをしてせる。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
懷中ふところから半分はんぶんばかり紺土佐こんどさ表紙へうし薄汚うすよごれたのをしてせる。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)