舞臺ぶたい)” の例文
新字:舞台
にしろよわつたらしい。……舞臺ぶたい歸途かへりとして、いま隧道トンネルすのは、芝居しばゐ奈落ならくくゞるやうなものだ、いや、眞個まつたく奈落ならくだつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此地震史上このぢしんしじよう大事件だいじけん舞臺ぶたい未開みかい土地とちであるだけに、記事きじ確信かくしんくわけにもかないが
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
わが國にもつたはつてたび/\舞臺ぶたいで演じられ、すこし大げさにいふと、世界ぢうの劇場げきぢやうの樣子が、この芝居一つのおかげできふにかはつたといはれるくらゐでしたし、作者のメーテルリンク氏は
……狂言きやうげんはまだないが、古寺ふるでら廣室ひろまあめ孤屋ひとつやきりのたそがれを舞臺ぶたいにして、ずらりとなりならんだら、ならんだだけで、おもしろからう。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ついてまがると、眞晝間まつぴるままくおとした、舞臺ぶたい横手よこてのやうな、ずらりとみせつきのながい、ひろ平屋ひらやが、名代なだい團子屋だんごやたゞ御酒肴おんさけさかなとも油障子あぶらしやうじしるしてある。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところへ……せりあがつておいでなすつた先生せんせいは、舞臺ぶたいにしてもせたかつた。すつきりをとこぶりのいゝところへ、よそゆきから歸宅きたくのまゝの、りうとしたつけである。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とき袖崎そでさきつゞいて、背後うしろからならんでた五六だいくるまが、がら/\と川縁かはべりを、まちして通過とほりすぎる。看板かんばん薄黄色うすきいろが、まくけた舞臺ぶたいはしおもむきえた。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この能役者のうやくしやは、木曾きそ中津川なかつがは避暑中ひしよちうだつたが、猿樂町さるがくちやう住居すまひはもとより、寶生はうしやう舞臺ぶたいをはじめ、しば琴平町ことひらちやうに、意氣いき稽古所けいこじよ二階屋にかいやがあつたが、それもこれもみな灰燼くわいじんして
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れば度胸どきようゑて、洒落しやれてる。……しつはいづれも、舞臺ぶたいのない、大入おほいり劇場げきぢやうぐらゐにんでたが、さいはひに、喜多八きたはち懷中くわいちうかるければ、かるい。荷物にもつはなし、おまけ洋杖ステツキほそい。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)