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もんどころ
ふりがな文庫
“
紋所
(
もんどころ
)” の例文
当時の丹絵漆絵紅絵を
蒐集
(
しゅうしゅう
)
しこれら古代俳優の舞台姿をば
衣裳
(
いしょう
)
の
紋所
(
もんどころ
)
によりて考証
穿鑿
(
せんさく
)
するは
吾
(
われ
)
ら
好事家
(
こうずか
)
に取りて今なほ無上の娯楽たり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
越
(
こえ
)
ぬと見え
丈
(
せい
)
高
(
たか
)
く
面體
(
めんてい
)
柔和
(
にうわ
)
にて
眉毛
(
まゆげ
)
濃
(
こ
)
く
鼻筋
(
はなすぢ
)
通りて
齒並
(
はなら
)
び
揃
(
そろ
)
ひ
否
(
いや
)
みなき天晴の美男にして
婦人
(
ふじん
)
の
好
(
すく
)
風俗
(
ふうぞく
)
なり衣類は
黒七子
(
くろなゝこ
)
の小袖に
橘
(
たちばな
)
の
紋所
(
もんどころ
)
を
付
(
つけ
)
同じ
羽折
(
はをり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
奇態なことにその提灯の
紋所
(
もんどころ
)
が、大名屋敷や武家屋敷なぞに見られる紋とはあまりにも縁の遠い、丸に丁と言う文字を染めぬいた、ひどく
艶
(
なま
)
めかしい紋でした。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
もしくは熊谷家の
紋所
(
もんどころ
)
などを
聯想
(
れんそう
)
させて感じが好く、
半
(
なか
)
ばは
是
(
これ
)
が人気の種となって、東京にもまたその以西にも売れて行き、頼まれもせぬのに是をその煎餅原料の名と
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
加藤清正公
(
かとうきよまさこう
)
が
朝鮮征伐
(
ちようせんせいばつ
)
にいらした
時
(
とき
)
、
私
(
わたくし
)
の
先祖
(
せんぞ
)
が
道案内
(
みちあんない
)
をしたので、そのお
礼
(
れい
)
に
清正公
(
きよまさこう
)
の
紋所
(
もんどころ
)
をこうして
身体
(
からだ
)
へつけて
下
(
くだ
)
すつて
代々
(
だい/\
)
まあこうして
宝物
(
ほうもつ
)
にしてゐるやうなわけですよ
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
▼ もっと見る
修理
(
しゅり
)
の
刃傷
(
にんじょう
)
は、恐らく過失であろう。細川家の
九曜
(
くよう
)
の星と、板倉家の九曜の巴と衣類の
紋所
(
もんどころ
)
が似ているために、修理は、佐渡守を
刺
(
さ
)
そうとして、誤って越中守を害したのである。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それは、絵心がいるほど難しい仕事でもなく、
註文主
(
ちゅうもんぬし
)
の
紋所
(
もんどころ
)
だの、千鳥、源氏車、小桜、
菖蒲
(
あやめ
)
など、かんたんな模様にすぎない下絵なので、どうやら彼もこの頃は、馴れていた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたしは茶屋と茶屋とのあいだにある
煎餅屋
(
せんべいや
)
の前を通ると、ちょうど
今日
(
こんにち
)
の運動場で売っているような辻占入りの
八橋
(
やつはし
)
を籠に入れて、俳優の
紋所
(
もんどころ
)
を柿色や赤や青で染め出した紙につつんで
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
夏暖簾
(
なつのれん
)
垂れて
静
(
しずか
)
に
紋所
(
もんどころ
)
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
先づ文学としては
役者評判記
(
やくしゃひょうばんき
)
また
劇場案内記
(
げきじょうあんないき
)
等の類にして、絵画としては
鳥居
(
とりい
)
勝川
(
かつかわ
)
歌川
(
うたがわ
)
諸派の浮世絵、流行としては
紋所
(
もんどころ
)
縞柄
(
しまがら
)
染模様
(
そめもよう
)
の類なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
取て
突退
(
つきの
)
け名主手代を左右へ
押分
(
おしわけ
)
て
動乎
(
どつか
)
と
居
(
すわ
)
りし男を見れば下に
結城紬
(
ゆふきつむぎ
)
の小袖二ツ上は
紺紬
(
こんつむぎ
)
に二ツ
井桁
(
ゐげた
)
の
紋所
(
もんどころ
)
付
(
つき
)
し小袖を着五本手縞の
半合羽
(
はんかつぱ
)
を
羽折
(
はをり
)
鮫鞘
(
さめざや
)
の大脇差を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幕末の学者で栗原柳庵(信充)という人は、五人も七人も初めてのお客が訪問した時に、名札と
紋所
(
もんどころ
)
とを引き比べて「あなたが何さんですな」と言い当てたということである。
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
百
川
(
せん
)
のすえに青々とすんだ
浪華
(
なにわ
)
の海には、
山陰
(
さんいん
)
山陽
(
さんよう
)
五
畿
(
き
)
東山
(
とうさん
)
の国々から、
寄進
(
きしん
)
の
巨材
(
きょざい
)
大石
(
たいせき
)
をつみこんでくる
大名
(
だいみょう
)
の千
石
(
ごく
)
船
(
ぶね
)
が、おのおの
舳先
(
へさき
)
に
紋所
(
もんどころ
)
の
旗
(
はた
)
をたてならべ、
満帆
(
まんぱん
)
に風をはらんで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼方此方
(
かなたこなた
)
に響く
鑿金槌
(
のみかなづち
)
の音につれて新しい材木の
脂
(
やに
)
の
匂
(
におい
)
が鋭く人の鼻をつく中をば、引越の荷車は
幾輛
(
いくりょう
)
となく
三升
(
みます
)
や
橘
(
たちばな
)
や
銀杏
(
いちょう
)
の葉などの
紋所
(
もんどころ
)
をつけた
葛籠
(
つづら
)
を運んで来る。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
制しながら來るに程なく
正使
(
せいし
)
御目付代御使番高二千石松平縫殿頭殿
先箱
(
さきばこ
)
赤熊
(
しやくま
)
二本道具
徒士
(
かち
)
小姓
(
こしやう
)
馬廻り持槍は片鎌の黒羅紗
長柄
(
ながえ
)
簑箱
(
みのばこ
)
對箱
(
つゐばこ
)
草履取引馬
鞍覆
(
くらおひ
)
は黒羅紗丸に
蔦
(
つた
)
の
紋所
(
もんどころ
)
引續いて公用人給人其外上下七八十人萬石以上の
格式
(
かくしき
)
なり
副使
(
ふくし
)
は御勘定梶川庄右衞門殿槍挾箱長柄其外引揃へ行列正しく通行あるに藤八は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
かつては
六尺町
(
ろくしゃくまち
)
の横町から
流派
(
りゅうは
)
の
紋所
(
もんどころ
)
をつけた柿色の包みを抱えて出て来た稽古通いの娘の姿を今は
何処
(
いずこ
)
に求めようか。
久堅町
(
ひさかたまち
)
から
編笠
(
あみがさ
)
を
冠
(
かぶ
)
って出て来る
鳥追
(
とりおい
)
の三味線を何処に聞こうか。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“紋所”の意味
《名詞》
それぞれの家で定まっている紋。家紋。定紋。
(出典:Wiktionary)
紋
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“紋”で始まる語句
紋
紋着
紋付
紋附
紋服
紋縮緬
紋日
紋様
紋切形
紋綸子