“幾輛”の読み方と例文
読み方割合
いくりょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼方此方かなたこなたに響く鑿金槌のみかなづちの音につれて新しい材木のやににおいが鋭く人の鼻をつく中をば、引越の荷車は幾輛いくりょうとなく三升みますたちばな銀杏いちょうの葉などの紋所もんどころをつけた葛籠つづらを運んで来る。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その往来の中を馬車が幾輛いくりょうとなく通る。いずれも屋根に人を載せている。その馬車の色が赤であったり黄であったり、青や茶やこんであったり、仕切しきりなしに自分の横を追い越して向うへ行く。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)