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空
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あだ
ふりがな文庫
“
空
(
あだ
)” の例文
さては相見ての後のたゞちの短きに、戀ひ悲みし永の月日を恨みて三
衣
(
え
)
一
鉢
(
ぱつ
)
に
空
(
あだ
)
なる
情
(
なさけ
)
を觀ぜし人、
惟
(
おも
)
へば
孰
(
いづ
)
れか戀の
奴
(
やつこ
)
に非ざるべき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
二条
(
にじょう
)
から
半時
(
はんとき
)
ごとに花時を
空
(
あだ
)
にするなと仕立てる汽車が、今着いたばかりの好男子好女子をことごとく嵐山の花に向って吐き送る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とたしなめられて不承々々、「こうこう
夫人
(
おくさま
)
のお声がかりだ。
空
(
あだ
)
おろそかには思うめえぜ、どうしたのだな。え、おい、どこか悪いか。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
空
(
あだ
)
にするようですけれども、それだからと申しまして、わたくしにしてみればこれ以上隠し立てをするわけにはゆきません……
遺書に就て
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
私の唯一の望みも
空
(
あだ
)
となり、被告人はまっすぐに、此処でも犯罪を立派に認めたのです。否それはただ認めたというどころではありませぬ。
彼が殺したか
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
▼ もっと見る
それは、わたしの双の手に肖て、
空
(
あだ
)
な足掻きを仕つくして、倦い厳粛のしづもりに返つたといつたありさま。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
なるほど子の情として親の身を案じてくれる、その点は
空
(
あだ
)
には思はん。お前の心中も察する、意見も解つた。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
得意も非なり失意も非なり、歓ぶさへも
空
(
あだ
)
なれば如何で何事の
実在
(
まこと
)
ならんとぞ承はりおよぶ、
無有寃親想
(
むうをんしんさう
)
、
永脱諸悪趣
(
えいだつしよあくしゆ
)
、所詮は御心を刹那にひるがへして、
常生適悦心
(
じやうしやうてきえつしん
)
、
受楽無窮極
(
じゆらくむきゆうきよく
)
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
色ある花の一もとを、籬に置くのは気がかりな。床のながめとならぬ間に、どこぞへ移し植ゑたしの、心配りや、気配りも、
空
(
あだ
)
に過ぎるも小半歳。思へば長い秋の夜の、苦労といふはこれ一ツと。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
今日もまた不幸な人達に
空
(
あだ
)
な希望を抱かせるのかと、心が痛んだ。
ノア
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
羅馬法皇
(
ろおまほふわう
)
のやうな
薔薇
(
ばら
)
の花、世界を祝福する
御手
(
みて
)
から
播
(
ま
)
き散らし給ふ
薔薇
(
ばら
)
の花、
羅馬法皇
(
ろおまほふわう
)
のやうな
薔薇
(
ばら
)
の花、その
金色
(
こんじき
)
の
心
(
しん
)
は
銅
(
あかがね
)
づくり、その
空
(
あだ
)
なる
輪
(
りん
)
の上に、露と
結
(
むす
)
ぶ涙は
基督
(
クリスト
)
の
御歎
(
おんなげ
)
き、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
されども強き手よりして放ちし槍は
空
(
あだ
)
ならず、 410
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
(
空
(
あだ
)
なり。)かくて
渇
(
かわ
)
きて
缺
(
か
)
けもやする。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
なべてみな
空
(
あだ
)
なりや、海の
面
(
おもて
)
に
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さほどに
輕
(
かる
)
いものが
空
(
あだ
)
な
歡樂
(
たのしみ
)
!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
また一日を
空
(
あだ
)
に過す……
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
此春より引きも切らぬ文の、此の二十日計りはそよとだに音なきは、言はでも
著
(
し
)
るき、
空
(
あだ
)
なる戀と思ひ絶えしにあんなれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
道理で来てから帰るまで変なことずくめ、しかし幽霊でも
己
(
おれ
)
が
一廉
(
いっかど
)
の世話をしてやったから、
空
(
あだ
)
とは思うまい。何のせいだかあの
婦人
(
おんな
)
は、心から
可愛
(
かわゆ
)
うて
不便
(
ふびん
)
でならぬ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて帰り
来
(
こ
)
んと頼めし心待も、
終
(
つひ
)
に
空
(
あだ
)
なるを
暁
(
さと
)
りし後、さりとも今一度は
仮初
(
かりそめ
)
にも相見んことを願ひ、又その心の奥には、必ずさばかりの
逢瀬
(
あふせ
)
は有るべきを、おのれと契りけるに
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
道中にも片足満足な
草鞋
(
わらじ
)
は
捨
(
すて
)
ぬくらい
倹約
(
つましく
)
して居るに、
絹絞
(
きぬしぼり
)
の
半掛
(
はんがけ
)
一
(
ひ
)
トつたりとも
空
(
あだ
)
に恵む事難し、さりながらあまりの慕わしさ、忘られぬ殊勝さ、かゝる
善女
(
ぜんにょ
)
に
結縁
(
けちえん
)
の良き方便もがな
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いかにおまへの
翅
(
はね
)
が
黄金
(
こがね
)
の燦きにひらかれるときも、そこには展くによしなく、匂ふに
術
(
すべ
)
もない、
空
(
あだ
)
な影ふかいうれひのみ。このとき、
訪
(
と
)
へよ、
蜜蜂
(
すがる
)
よ、——もし神あらば
燈火
(
あかし
)
をかゝげよ、と。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
大地を震ふポセードーン其警戒は
空
(
あだ
)
ならず、 135
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
頼み入りし
空
(
あだ
)
なる
幸
(
さち
)
の
一
(
ひと
)
つだにも、
忠心
(
まごゝろ
)
ありて
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
皆ここに
空
(
あだ
)
の名や、噫、望なし
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
空
(
あだ
)
なりや
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あゝ横笛、花の如き姿
今
(
いま
)
いづこにある、
菩提樹
(
ぼだいじゆ
)
の
蔭
(
かげ
)
、
明星
(
みやうじやう
)
額
(
ひたひ
)
を
照
(
て
)
らす
邊
(
ほとり
)
、
耆闍窟
(
ぎしやくつ
)
の
中
(
うち
)
、
香烟
(
かうえん
)
肘
(
ひぢ
)
を
繞
(
めぐ
)
るの前、昔の夢を
空
(
あだ
)
と見て、猶ほ我ありしことを思へるや否。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
たまたま当時に
双
(
なら
)
びなき
尊
(
たっと
)
き智識に知られしを、これ一生の面目とおもうて
空
(
あだ
)
に
悦
(
よろこ
)
びしも真にはかなきしばしの夢、
嵐
(
あらし
)
の風のそよと吹けば丹誠凝らせしあの塔も倒れやせんと疑わるるとは
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
頼み入りし
空
(
あだ
)
なる
幸
(
さち
)
の一つだにも、
忠心
(
まごころ
)
ありて
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
近寄り汝救ふべく彼らの力
空
(
あだ
)
なりき。
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
信の夢、——それも
空
(
あだ
)
なり。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
空
(
あだ
)
なりや
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
たま/\当時に
双
(
ならび
)
なき尊き智識に知られしを、是れ一生の面目とおもふて
空
(
あだ
)
に悦びしも真に果敢無き
少時
(
しばし
)
の夢、嵐の風のそよと吹けば丹誠凝らせし彼塔も倒れやせむと疑はるゝとは、ゑゝ腹の立つ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
“空”の解説
空(そら、霄、en: sky)とは、地上から見上げたときに頭上に広がる空間のこと。天。
(出典:Wikipedia)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
“空”を含む語句
空腹
空洞
空虚
空想
空手
虚空
空間
蒼空
空嘯
空々
青空
空中
碧空
大空
空地
中空
空気
空車
空隙
空室
...