トップ
>
疾風
>
しつぷう
ふりがな文庫
“
疾風
(
しつぷう
)” の例文
疾風
(
しつぷう
)
の如く飛んで行く八五郎、その忠實な後ろ姿を見送つてどうして今まで手を拔いてゐたか、平次は自分乍ら
齒痒
(
はがゆ
)
い心持でした。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
卯平
(
うへい
)
はおつぎのする
儘
(
まゝ
)
に
任
(
まか
)
せて
少
(
すこ
)
し
口
(
くち
)
を
動
(
うご
)
かすやうであつたが、
又
(
また
)
ごつと
吹
(
ふ
)
きつける
疾風
(
しつぷう
)
に
妨
(
さまた
)
げられた。おつぎは
隣
(
となり
)
の
庭
(
には
)
の
騷擾
(
さうぜう
)
を
聞
(
き
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
月はまつたく姿をかくし、深い雲の
帷
(
とばり
)
をぴつたりと引いてしまつた。夜は暗くなり、
疾風
(
しつぷう
)
に乘つた雨が慌しくやつて來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
疾風
(
しつぷう
)
の
如
(
ごと
)
く
駈
(
か
)
けて
來
(
き
)
た
件
(
くだん
)
の
狂人
(
きちがひ
)
が、
脚
(
あし
)
から
宙
(
ちう
)
で
飛乘
(
とびの
)
らうとした
手
(
て
)
が
外
(
そ
)
れると、づんと
鳴
(
な
)
つて、
屋根
(
やね
)
より
高
(
たか
)
く、
火山
(
くわざん
)
の
岩
(
いは
)
の
如
(
ごと
)
く
刎上
(
はねあ
)
げられて、
五體
(
ごたい
)
を
碎
(
くだ
)
いた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
海賊船
(
かいぞくせん
)
は
此時
(
このとき
)
砲戰
(
ほうせん
)
もどかしとや
思
(
おも
)
ひけん、
中
(
なか
)
にも
目立
(
めだ
)
つ
三隻
(
さんせき
)
四隻
(
しせき
)
は
一度
(
いちど
)
に
船首
(
せんしゆ
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
疾風
(
しつぷう
)
迅雷
(
じんらい
)
と
突喚
(
とつくわん
)
し
來
(
きた
)
る、
劍戟
(
けんげき
)
の
光
(
ひかり
)
晃
(
きらめ
)
く
其
(
その
)
甲板
(
かんぱん
)
には、
衝突
(
しやうとつ
)
と
共
(
とも
)
に
本艦
(
ほんかん
)
に
乘移
(
のりうつ
)
らんず
海賊
(
かいぞく
)
共
(
ども
)
の
身構
(
みがまへ
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
その時
疾風
(
しつぷう
)
の脚早く、ヂュウスと諸神の目を掠め
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
人間
業
(
わざ
)
では盜めさうもない物を盜んで、遲くとも三日以内には、元の持主に返すといふ不思議な盜賊が、江戸中を
疾風
(
しつぷう
)
の如く荒し廻りました。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
森
(
もり
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
上
(
うへ
)
に
遙
(
はるか
)
に
立
(
た
)
ち
騰
(
のぼ
)
らうとして
次第
(
しだい
)
に
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひを
加
(
くは
)
へる
焔
(
ほのほ
)
を、
疾風
(
しつぷう
)
はぐるりと
包
(
つゝ
)
んだ
喬木
(
けうぼく
)
の
梢
(
こずゑ
)
からごうつと
壓
(
お
)
しつけ
壓
(
お
)
しつけ
吹
(
ふ
)
き
落
(
お
)
ちた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さうして、小止みなく降りしきる雨は、長い、悲しさうな音をたてゝゐる
疾風
(
しつぷう
)
に、吹きたてられてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
突然
(
とつぜん
)
船首
(
せんしゆ
)
を
轉廻
(
めぐら
)
すよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、さながら
疾風
(
しつぷう
)
電雷
(
でんらい
)
の
如
(
ごと
)
く
此方
(
こなた
)
に
突進
(
とつしん
)
して
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
明神下の家へ歸つて來て、ホツとしてゐるところへ、相變らず
疾風
(
しつぷう
)
のやうに飛び込んで來たのは、
彈
(
はず
)
みきつた八五郎でした。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
喬木
(
けうぼく
)
が
遮
(
さへぎ
)
り
立
(
た
)
つて
其
(
そ
)
の
梢
(
こずゑ
)
に
蒼
(
あを
)
い
空
(
そら
)
を
見
(
み
)
せて
居
(
ゐ
)
る
庭
(
には
)
へすら
疾風
(
しつぷう
)
の
驚
(
おどろ
)
くべき
周到
(
しうたう
)
な
手
(
て
)
が
袋
(
ふくろ
)
の
口
(
くち
)
を
解
(
と
)
いて
倒
(
さかさ
)
にしたやうに
埃
(
ほこり
)
が
滿
(
み
)
ちてさら/\と
沈
(
しづ
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
兎角
(
とかく
)
する
間
(
ま
)
に
今迄
(
いまゝで
)
は、
其邊
(
そのへん
)
を
縱横
(
じゆうわう
)
に
暴廻
(
あれまわ
)
つて
居
(
を
)
つた
沙魚
(
ふか
)
は、
其
(
その
)
氣味惡
(
きみわる
)
き
頭
(
かしら
)
を
南方
(
みなみのかた
)
に
向
(
む
)
けて、
恰
(
あだか
)
も
矢
(
や
)
を
射
(
ゐ
)
るやうに
駛
(
かけ
)
り
出
(
だ
)
した。
端艇
(
たんてい
)
も
共
(
とも
)
に
曳
(
ひ
)
かれて、
疾風
(
しつぷう
)
のやうに
駛
(
はし
)
るのである。
私
(
わたくし
)
はいよ/\
必死
(
ひつし
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その底に附いた新しい土を爪で
觸
(
さは
)
つて見て、それからたつた二た間しかない家の中を、
疾風
(
しつぷう
)
の如く調べあげました。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は辻番を出ると
疾風
(
しつぷう
)
の如くもとの小橋屋へ、そこには猿江町の甚三が、お
葬
(
とむら
)
ひの振舞酒に醉つて、もういゝ加減の機嫌になつてゐるところでした。
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は其處から中坂を
疾風
(
しつぷう
)
の如く下りました。谷五郎はもう事の破れを察して、逃げ出さうとしてゐる矢先。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
疾風
(
しつぷう
)
の如く斬込んで來るのを、引つ外して右の手が高々と擧りました。久し振りに平次得意の投げ錢です。
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人は元の母家へ入つて行くと狹い戸口から
疾風
(
しつぷう
)
の如く飛出した曲者、あつと思ふ間もなく八五郎を突き飛ばし、續くお品に、猛獸のやうにノシかゝるのです。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の
叱咜
(
しつた
)
につれて、八五郎の身體は獵犬のやうに動きます。幸ひの月夜、
疾風
(
しつぷう
)
の如く逃げ廻る曲者は、次第に逃げ路を失つて、平次と八五郎の狹めて行く輪の中に入ります。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は立ち上がつて八五郎に合圖をすると、
疾風
(
しつぷう
)
の如く道尊の
庵室
(
あんしつ
)
へ飛んで行きました。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次と八五郎と勘六は、
疾風
(
しつぷう
)
の如く土手を引返しました。何んにも知らずに、
菰
(
こも
)
の上で
鉦
(
かね
)
を叩いてゐた乞食坊主の鑑哲は、大骨を折らせ乍らも、三人の手で取つて押へられました。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
凾嶺全山を
搖
(
ゆる
)
がすほどの聲がして、ガラツ八の八五郎、
疾風
(
しつぷう
)
の如く飛んで來たのです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラツ八は
疾風
(
しつぷう
)
のやうに飛出しましたが、本當に半刻も經たないうちに歸つて來て
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いきなり
疾風
(
しつぷう
)
の如く飛んで來て、正面からドシンと突き當つたものがあります。
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はお世辭を言ひ捨てて、
疾風
(
しつぷう
)
の如く兩國の水茶屋に引返しました。
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎が、
疾風
(
しつぷう
)
のやうに飛込んで來たのは、それから又七日目でした。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
翌る九月十五日の晩、ガラツ八は
疾風
(
しつぷう
)
の如く飛び込んで來たのです。
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
出て行つた八五郎、暫らくすると
疾風
(
しつぷう
)
のやうにスツ飛んで來ました。
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
たつたそれだけの號令で、八五郎は
疾風
(
しつぷう
)
のやうに馳け出しました。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラツ八は
疾風
(
しつぷう
)
の如く飛びます。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
疾風
(
しつぷう
)
の如く飛びました。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“疾風”の意味
《名詞》
疾 風(はやち、はやちかぜ、はやて、しっぷう)
急に激しく吹く風。
風速毎秒8.0~10.7メートルで、風力階級が5の風。
(出典:Wiktionary)
疾
常用漢字
中学
部首:⽧
10画
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
“疾風”で始まる語句
疾風迅雷
疾風雲
疾風迅雷的
疾風陣
疾風吹雪
疾風電撃
疾風怒濤時代