持病ぢびやう)” の例文
ものうさにへぬやうつたがそれでも休養きうやうためいくらづゝでも持病ぢびやうくるしみをげんじたので、さういふ理由わけらないかれ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すくないのか、とやかくと、心遣こゝろづかひにむねさわがせ、さむさにほねひやしたれば、わすれて持病ぢびやうがこゝで、生憎あいにく此時このとき
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
どつちみちおなことだから持病ぢびやうといふのをきにきたいといふ、およしなさいまし、おきになつてもつまらぬことでござんすとておりきさらとりあはず。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かたぶけ居らるゝ折柄をりからなほも吉兵衞はこゑふるはし只今も申上奉つりし通り二男千太郎儀は全く持病ぢびやう癲癇てんかん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たゞてのひどふゆなどには以前いぜんからの持病ぢびやうである疝氣せんきでどうかするとこしがきや/\といたむこともあつたが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なに頭痛づゝうなにもしませぬけれどしきり持病ぢびやうおこつたのですといふ、おまへ持病ぢびやう肝癪かんしやくか、いゝゑ、みちか、いゝゑ、それではなんだとかれて、うもこと出來できませぬ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
鎭めて聽居きゝゐたりしがいまかたをはりし時一同にどつほめる聲家内やうちひゞきて聞えけり此折しも第一の客なる彼の味岡勇右衞門は如何いかゞ致しけんウンと云て持病ぢびやう癪氣しやくき差込さしこまれ齒をかみしめしかば上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれ悲慘みじめ自分じぶん自分じぶんいぢめてやるやうな心持こゝろもちを一ぱうにはつた。一ぱうにはまた無智むち彼等かれら伴侶なかまくするやうにかれ持病ぢびやう平癒へいゆほとけいのつたのでもあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
持病ぢびやうといふのはれかと切込きりこまれて、まあ其樣そんところでござんせう、お醫者樣ゐしやさまでも草津くさつでもと薄淋うすさびしくわらつてるに、御本尊ごほんぞんおがみたいな俳優やくしやつたられのところだといへば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
明ける事なきに今日は鳥渡ちよつと宵の間にと思ひしが存じの外に手間取しゆゑ母樣は目をさまされしならんすれば我が歸りのおそきを案じ持病ぢびやうにてもおこしは爲給したまはぬかと思へば暫時しばし猶豫いうよならずと足を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)