怠惰者なまけもの)” の例文
幸「何うも仕方がありません、親父が死んでからは何もません、只遊び一方で仕様がない、怠惰者なまけものになって仕様がありません」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかし救うべからざる怠惰者なまけもので、その凡庸な域を脱するために努力をするよりもむしろ、飢え死にかかわき死にかする方を好むほどだった。
譲吉は、最初高商の秀才と云う振込ふれこみで、近藤家の世話になる事になったのだが、譲吉は秀才でないばかりか、可なり怠惰者なまけものに近い方であった。
大島が出来る話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
あの姉さんは鬼ではないか、父さんを怠惰者なまけものにした鬼ではないか、お前の衣類べべのなくなつたも、お前の家のなくなつたも皆あの鬼めがした仕事
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
インド人は名高い怠惰者なまけものでありますけれども、ネパール人はインド人とほとんど反対であって、どっちかというと日本人に非常によく似て居るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
くうくう」だとか、内部ないぶだとか、外部ぐわいぶだとか、苦痛くつうや、たいする輕蔑けいべつだとか、眞正しんせいなる幸福かうふくだとか、と那麼言草こんないひぐさは、みなロシヤの怠惰者なまけもの適當てきたうしてゐる哲學てつがくです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「女中と云ふものが主人の家に大勢居ることは一層お金持を怠惰者なまけものにするだけのもので、世の中のめにはならないとわたしは気が附きました。さうぢやないでせうか。」
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
然しお源には連添つれそってから足掛三年にもなるが未だ磯吉は怠惰者なまけものだか働人はたらきにんだか判断が着かんのである。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
突当つきあたり煉瓦れんがの私立学校とせなか合せになっている紋床もんどこの親方、名を紋三郎といって大の怠惰者なまけもの、若い女房かみさんがあり、嬰児あかんぼも出来たし、母親おふくろもあるのに、東西南北、その日その日
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれど翁は、赤目のちぢれ毛の、怠惰者なまけものの夫に向っては神を説き聞かしたことが一度もない。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし天南はごりがんの上に大變人で、また怠惰者なまけものであつた。自分に氣の向いた事をさせるとさうでもなかつたが、寺の用となれば、目のかたきのやうにして打ツちやらかして置く。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
今や狭い地球上——ことにこの狭い日本では、ろくでもない人間がえ過ぎてはなはだ困っている。怠惰者なまけものや意気地無しがドシドシ死んでしまえば、穀潰ごくつぶしの減るだけでも国家の為に幸福かも知れぬ。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
『余は素敵に勉強した怠惰者なまけものだ』
あのねへさんはおにではないか、とゝさんを怠惰者なまけものにしたおにではないか、おまへ衣類べゞのなくなつたも、おまへうちのなくなつたもみなあのおにめがした仕事しごと
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
愛すべき怠惰者なまけものだったが、オリヴィエからいつも親切にたやすく宿題を作ってもらったことがあるので、今でもなお深い感謝の念を失わずにいた。
くうくう」だとか、内部ないぶだとか、外部がいぶだとか、苦痛くつうや、たいする軽蔑けいべつだとか、真正しんせいなる幸福こうふくだとか、とこんな言草いいぐさは、みなロシヤの怠惰者なまけもの適当てきとうしている哲学てつがくです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
酒を飲んで怠惰者なまけもので仕方がないというような者は、何うかすると良い職人などにあるもので、仕事を精出してさえすれば、大して金が取れて立派に暮しの出来る人だが
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
亞弗利加洲アフリカしうにアルゼリヤといふくにがある、凡そ世界中せかいぢゆう此國このくにひとほど怠惰者なまけものはないので、それといふのも畢竟ひつきやう熱帶地方ねつたいちはうのことゆえ檸檬れもんや、だい/\はなき亂れてそのならぬかほり四方よもちこめ
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「どうだい、怠惰者なまけものたちだなあ、僕が言ってやったとおりだ!……よし、待っててやれ……。」
生來せいらい貴方あなた怠惰者なまけもので、嚴格げんかく人間にんげん其故それゆゑ貴方あなたんでも自分じぶん面倒めんだうでないやう、はたらかなくともむやうとばか心掛こゝろがけてゐる、事業じげふ代診だいしんや、其他そのたのやくざものにまか
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
どうか此の金で取附とりついてどんな商法でもひらきなさい、共に力に成ろうから、なんでも身体を働いてらなくっちゃアいけんぜ、君は怠惰者なまけものだからいかん、運動にもなるから働きなさい
喰べては惡いかへと流石に母の心をはかりかね、顏をのぞいて猶豫するに、あゝ年がゆかぬとて何たら譯の分らぬ子ぞ、あの姉さんは鬼ではないか、父さんを怠惰者なまけものにした鬼ではないか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
数年前に死んだ父親は、気の弱い怠惰者なまけものだった。妻や家族の者たちにたいへん迷惑をかけたのだった。セシルにはまた一人の兄があった。それが悪いほうへそれてしまっていた。
生来せいらい貴方あなた怠惰者なまけもので、厳格げんかく人間にんげん、それゆえ貴方あなたんでも自分じぶん面倒めんどうでないよう、はたらかなくともむようとばかり心掛こころがけている、事業じぎょう代診だいしんや、そののやくざものにまか
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
れと打付うちつけてふのも、院長ゐんちやうはぢかせるやうなものと、なんともはずにはゐたが、同僚どうれう院長ゐんちやうアンドレイ、エヒミチを心祕こゝろひそかに、老込おいこみ怠惰者なまけものとして、やつ金計かねばか溜込ためこんでゐるとうらやんでゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それと打付うちつけてうのも、院長いんちょうはじかせるようなものと、なんともわずにはいたが、同僚どうりょう院長いんちょうアンドレイ、エヒミチを心秘こころひそかに、老込おいこみ怠惰者なまけものとして、やつかねばかり溜込ためこんでいるとうらやんでいた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)