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ごろう
ふりがな文庫
“
御覧
(
ごろう
)” の例文
旧字:
御覽
聞き及んだところでは、天上界はあなたのような乙女ばかりで男のいない処だとか、はてさて、それでは、あやがない。
御覧
(
ごろう
)
じませ。
紫大納言
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「
滅相
(
めっそう
)
もないこと、三彩獅子を
御覧
(
ごろう
)
ぜられて、将軍家の
御感
(
ぎょかん
)
一通
(
ひととお
)
りでなく、殿、御上府のせつは、偉い
面目
(
めんもく
)
をほどこしたそうでござる」
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが当節の御時勢は
下々
(
しもじも
)
の町人
風情
(
ふぜい
)
でさえちょいと雪でも降って
御覧
(
ごろう
)
じろ、すぐに初雪や犬の足跡梅の花位の事は
吟咏
(
くちずさ
)
みます。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
顔へ済まねえをあらわして、さも嬉しそうに
難有
(
ありがて
)
え、苦労させるなんて弱い
音
(
ね
)
を出して
御覧
(
ごろう
)
じろ、
奴
(
やっこ
)
さんたちまちなめッちまいますぜ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
でも、大伴と言うお名は、
御門
(
みかど
)
御垣
(
みかき
)
と、関係深い
称
(
とな
)
えだ、と承って居ります。大伴家からして、門垣を今様にする事になって
御覧
(
ごろう
)
じませ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
「カランス殿のいわれるには、この袋の口を、試みに開けて
御覧
(
ごろう
)
じませ。みごと開けた方にこの袋を進ぜられるとあるのじゃ」
蘭学事始
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
馬「旦那
御覧
(
ごろう
)
じろ今の三人
連
(
づれ
)
は顔附でも知れるが
皆
(
みん
)
な助平
連
(
れん
)
で、
此家
(
ここ
)
の娘を見たばっかりでもう煙草入を忘れて
往
(
い
)
きましたぜ」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
マア考えて
御覧
(
ごろう
)
じろ、内海といじり合いが有ッて見ればネ、ソレ……という訳が有るからお勢さんも黙ッては見ていられないやアネ、アハハハハ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
これが
俳優
(
やくしゃ
)
の似顔でも描いてあツて
御覧
(
ごろう
)
じろう、六銭や七銭はいたします(中略)我々落語社会の顔なんぞ描いたものなんざアありゃアしません。
随筆 寄席囃子
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
塩冶の奥方にお目通りして、かの歌を
窃
(
そっ
)
とまいらせましたら、手にとりあげて
御覧
(
ごろう
)
じて、しばしは顔をあかめておわす。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あれでお前、ほんとに謀叛する気であって
御覧
(
ごろう
)
じろ、大塩平八郎なんぞより、ズット大仕掛けのことができるんだね。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それも外套によりけりでしてな。もし襟に
貂
(
てん
)
の毛皮でもつけ、頭巾を絹裏にでもして
御覧
(
ごろう
)
じろ、すぐにもう、二百ルーブルにはなってしまいますからなあ。」
外套
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「まだ会って置かなくちゃならねえ者もいる。みないい
奴
(
やつ
)
ばかりだ。まあ仕上げを
御覧
(
ごろう
)
じろだ。なるべく早く帰ってくる。うめえ仕事だ。家に気をつけておけよ。」
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そこで
側
(
かたわら
)
の柱の下に死んだようになって坐っていた叔母の尼を
抱
(
だ
)
き起しますと、妙にてれた
容子
(
ようす
)
も隠しきれないで、『竜を
御覧
(
ごろう
)
じられたかな。』と臆病らしく尋ねました。
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
秀子さんは純情だから
些
(
ち
)
っとも
匿
(
かく
)
さない。それから後の問答にお目を留めて
御覧
(
ごろう
)
じろ。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
七歳の時にはさらに阿波の国司がこのことを聞いて、目代から玉王を取り上げ、傍を離さず愛育したが、十歳の時、みかどがこれを
御覧
(
ごろう
)
じて、殿上に召され、ことのほか寵愛された。
埋もれた日本:――キリシタン渡来文化前後における日本の思想的情況――
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
まず今日は、大切なお客さま、それから、ゆっくりと、
御覧
(
ごろう
)
じて下さりませ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
雨いたく降りこめばにや雨戸残りなくしめこめていと
闇
(
くら
)
し、いと子君伯母なる人に向ひて、
御覧
(
ごろう
)
ぜよ樋口さまのお
髪
(
ぐし
)
のよきこと、島田は実によく似合給へりといへば、伯母君も実に
左
(
さ
)
なり/\
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
あのように煤け返って見る影もない娘さんでは御座いますが、御大家の井戸の水で磨きをかけて
御覧
(
ごろう
)
じませ。江戸土産の錦絵にも負けぬ位の眼鼻立ち……しかもその眼鼻立ちをよう御覧じませ。
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
翌くる日、又昨日のように平家の小舟が、ここを渡って
御覧
(
ごろう
)
じろ、といわんばかりにはやしたてた。今こそと思った佐々木三郎は、昨日瀬踏みしたばかりのところに白葦毛の愛馬をさっと乗り入れた。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
お持ち合せのものを出して
御覧
(
ごろう
)
じ、さア遠慮することはない——
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それ
御覧
(
ごろう
)
じ、御前、みんごと抜けられたではござりませぬか」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「異なお訊ね。その前にあれなる——塔の下に仆れている連れの者を
御覧
(
ごろう
)
じ。その童のために、
強
(
したた
)
かに打たれ、気も失うて苦しんでおる」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
遣
(
や
)
って
御覧
(
ごろう
)
じろ。」と橋の下を抜けると、たちまち川幅が広くなり、土手が著しく低くなって、一杯の潮は
凸
(
なかだか
)
に
溢
(
あふ
)
れるよう。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勘「
宜
(
よ
)
うげす…それ七輪の火が煽って来た…
徐々
(
そろ/\
)
湯が
沸立
(
にた
)
って来たぞ
御覧
(
ごろう
)
じろ今に旨く煮てやるから
一寸
(
ちょっと
)
お
塩梅
(
あんばい
)
をしよう」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そのお指図も父上からお勧め申されたのではござりますまいか。わたくし決して
諄
(
くど
)
うは申しませぬ。何事もお前さまのお心に問うて
御覧
(
ごろう
)
じませ。」
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この小早川の名家を御相続あそばされた我が君——
畏
(
おそ
)
るべきは後代の名でござりまする、あやかりあそばしませ——いま目のあたり見る大谷刑部が義心を
御覧
(
ごろう
)
じませ
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そうなって
御覧
(
ごろう
)
じろ、役者としては、日本
開闢
(
かいびゃく
)
以来の名誉ではあるまいか——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
もっと寄って
御覧
(
ごろう
)
じ——。これこう——おわかりかえ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
細工は
粒々
(
りゅうりゅう
)
仕上げを
御覧
(
ごろう
)
じです
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
御覧
(
ごろう
)
じませ、あの辺りの堤が、百五十間ほど切ってあります。足守の本流を
堰
(
せ
)
かれた水は、
彼処
(
かしこ
)
からあふれこんでおりまする」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの方たちさえ、その驚き
工合
(
ぐあい
)
、
御覧
(
ごろう
)
じまし、我等風情が、
生命
(
いのち
)
の瀬戸際と
狼狙
(
うろた
)
えましたも、無理ではなかろうかように考えまする、へい。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何も
私
(
わたくし
)
が
好
(
すき
)
このんで
斯様
(
かよう
)
なことを申すんではありません。段々とまア御辛抱遊ばして聴いて
御覧
(
ごろう
)
じろ、成程と御合点なさるは
屹度
(
きっと
)
お請合申しまする。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
御覧
(
ごろう
)
じませ。あれは
眇目
(
ひがらめ
)
の
唐人
(
とうじん
)
めでござりまする。」と、中間はかの異形の男を指さして教えた。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「以てのほか。当今、宝蔵院の槍は伊賀の名張に
下石
(
おろし
)
と申すのがござる、これがよく流儀の
統
(
すじ
)
をわきまえておられるはず、あちらへお越しの時に立ち寄って
御覧
(
ごろう
)
じろ」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それが、姐はん——全く思いがけねえお方で——まあ、顔を見て
御覧
(
ごろう
)
じろ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
御覧
(
ごろう
)
じませ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「でもきょうの専修念仏に、このように、多くの人が、お上人様の徳を慕うて集まるのを
御覧
(
ごろう
)
じたら、さだめし、ご本望じゃあるまいか」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
夫人
(
おくさん
)
、好事門を出でずと申しましたけれども、ああ、善きことは致したいもの、これ
御覧
(
ごろう
)
じまし。」と三太夫が書斎に
齎
(
もたら
)
したる毎晩新聞。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たとえ
兄
(
にい
)
さんでもお前さんの勝手に離縁は出来まい、また私の方でもお雪に離縁が出せるか出せないか考えて
御覧
(
ごろう
)
じろ、出せないじゃア有りませんか
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御覧
(
ごろう
)
じませ、こうしておりますてえと、それ金さん、お召物を差上げましょう、ヤレ金公、お
小遣
(
こづかい
)
を
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
よう
御覧
(
ごろう
)
じませ。面は死んでおりまする。
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「それ
御覧
(
ごろう
)
じ。お血筋といえば北条殿には劣らぬ正しい源家の流れ。家職といえば現帝の御被官。なぜ、遠いお旅をば、供人も召されずに」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
片耳ざくり、行って
御覧
(
ごろう
)
じろ、鹿が角を折ったように片一方まるで形なしだ。
呻吟
(
うめ
)
くのはそのせいさ、そのせいであの通りだ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浪「
然
(
しか
)
らばお相手は致しますが、宜くお心を静めて
御覧
(
ごろう
)
じろ、さして御立腹のあるべき程の粗相でもないに、
果合
(
はたしあ
)
いに及んでは双方の恥辱になるが宜しいか」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「左様、植田丹後守。なかなか学問もある。武芸修行ならば、ひとたびは訪ねてみて
御覧
(
ごろう
)
じろ」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「きょうの昼中より、あわただしゅう、院の内外に軍兵を催されておる
仙洞
(
せんとう
)
のさまを、相国には、なんと
御覧
(
ごろう
)
ぜられまするか」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一面に
青草
(
あおぐさ
)
で、これに松の
翠
(
みどり
)
がかさなって、
唯今頃
(
ただいまごろ
)
は
菫
(
すみれ
)
、夏は
常夏
(
とこなつ
)
、秋は
萩
(
はぎ
)
、
真個
(
まこと
)
に
幽翠
(
ゆうすい
)
な
処
(
ところ
)
、
些
(
ち
)
と行らしって
御覧
(
ごろう
)
じろ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蟠「百両ではありません三百両です、これ証文箱を出せ……これに書いてある此の証文を
御覧
(
ごろう
)
じろ、此の通り書いたものが物を云う、三百両と書いてありましょう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それでお前さん、朝になってからの騒ぎというものは
御覧
(
ごろう
)
じろ、話にも絵にもなりませんわ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“御覧”の意味
《名詞》
「見ること」の尊敬語。
「御覧なさい」の略。
(出典:Wiktionary)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
覧
常用漢字
小6
部首:⾒
17画
“御覧”で始まる語句
御覧候