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御仏
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みほとけ
ふりがな文庫
“
御仏
(
みほとけ
)” の例文
旧字:
御佛
「ウム、
御仏
(
みほとけ
)
も、おれたちの奉仕を
嘉
(
よみ
)
してくださるだろう。——同時に、おれたちの生活も、今は、感謝と輝きに充ちきったものだ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お肚ではございませんが、これが私の持病でございまして、私はこれがあるばかりに、
御仏
(
みほとけ
)
にお
縋
(
すが
)
りする気になったのでございます」
法華僧の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
御仏
(
みほとけ
)
へのお祈りは始終いたしております。今になりましてはあなた様お一方のために幸福であれと念じ続けるばかりです。
源氏物語:50 早蕨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
けれどもお寺の中のいちばん高いところには、最高の
御仏
(
みほとけ
)
である
仏陀
(
ぶっだ
)
が聖なる絹の
黄衣
(
こうい
)
を身にまとって立っていました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「昨夜わたしが山の下を通ると、仏のひかりを見た。日をさだめて
精進潔斎
(
しょうじんけっさい
)
をして、尊い
御仏
(
みほとけ
)
を迎えることにしたい」
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
所詮人界
(
しょせんにんがい
)
が浄土になるには、
御仏
(
みほとけ
)
の
御天下
(
おんてんか
)
を待つほかはあるまい。——おれはそう思っていたから、天下を計る心なぞは、
微塵
(
みじん
)
も貯えてはいなかった。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
岩角
(
いはかど
)
、
松
(
まつ
)
、
松
(
まつ
)
には
藤
(
ふぢ
)
が
咲
(
さ
)
き、
巌膚
(
いははだ
)
には、つゝじ、
山吹
(
やまぶき
)
を
鏤
(
ちりば
)
めて、
御仏
(
みほとけ
)
の
紫摩黄金
(
しまわうごん
)
、
鬼
(
おに
)
の
舌
(
した
)
、また
僧
(
そう
)
の
袈裟
(
けさ
)
、また
将軍
(
しやうぐん
)
の
緋縅
(
ひおどし
)
の
如
(
ごと
)
く、ちら/\と
水
(
みづ
)
に
映
(
うつ
)
つた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
恋ごろもには、『
御仏
(
みほとけ
)
なれど』と改まれり。『金にはあれど』は、子供くさくして、露骨に失す。『御仏なれど』は、それよりは、よけれど、なほ野暮くさし。
鎌倉大仏論
(新字旧仮名)
/
大町桂月
(著)
われわれが巡礼しようとするのは「美術」に対してであって、衆生救済の
御仏
(
みほとけ
)
に対してではないのである。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それがつまりそういうようになりまして、あらゆる人間が、人間ばかりでなく動物も植物も、如来である。ただ自分が如来であることに気がついたのが
御仏
(
みほとけ
)
であります。
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「このご相好、さながら
御神
(
みかみ
)
じゃ! ……いやさながら
御仏
(
みほとけ
)
じゃ! ……罪障消滅、無差別絶体! 自他の罪ことごとく許された
御
(
おん
)
顔……笑っていられます、
微笑
(
ほほえ
)
んでいられます!」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
御仏
(
みほとけ
)
の
法
(
のり
)
の護りと、
言
(
こと
)
よさし築かしし殿、
星月夜
(
ほしづくよ
)
夜空のくまも、
御庇
(
みひさし
)
のいや高々に、
鐸
(
すず
)
の
音
(
ね
)
のいやさやさやに、いなのめの光ちかしと、横雲のさわたる雲を、ほのぼのと聳えしづもる。
篁
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
やんごとなき御出身でありながら、八歳のお年より髪を卸して
御仏
(
みほとけ
)
に仕え奉る。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鎌倉や
御仏
(
みほとけ
)
なれど釈迦牟尼は
美男
(
びなん
)
におはす夏木立かな
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
御仏
(
みほとけ
)
のひかり隠れし闇ながら
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
御仏
(
みほとけ
)
と相合傘の
時雨
(
しぐれ
)
かな
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「おれたちは、信仰の子ではないか。
御仏
(
みほとけ
)
の心をもって信念とするからには、世俗の思わくなどを考えていては、何もできやしない」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朝暮
(
あけくれ
)
仏勤めはしておいでになるようではあるが、確固とした信念がおありになるとは思えない女の悟りだけでは
御仏
(
みほとけ
)
の救いの手もおぼつかない
源氏物語:44 匂宮
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
事によると今夜あたりは、
琉球芋
(
りゅうきゅういも
)
を召し上りながら、
御仏
(
みほとけ
)
の事や天下の事を御考えになっているかも知れません。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さいわい近くにわしの住いがござる、
荒屋
(
あばらや
)
ではあれど、此処よりはましじゃ、それに君子は危きに近寄らず、
増上慢
(
ぞうじょうまん
)
は、
御仏
(
みほとけ
)
もきつくお
誡
(
いまし
)
めのはずではござらぬか
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
御仏
(
みほとけ
)
のそのおさなごを
抱
(
いだ
)
きたまえるもかくこそと嬉しきに、おちいて、心地すがすがしく胸のうち安く平らになりぬ。やがてぞ呪もはてたる。
雷
(
らい
)
の音も遠ざかる。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わたくしは
御仏
(
みほとけ
)
に仕えまする者。仏道と魔道とは相さること億万里、お前様のそばへは参られませぬ。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それはつまりあるがままのさながらの世界、みなさんが如来である、それに気がついたものが仏であるという、
御仏
(
みほとけ
)
とはどんなものであるかということをお話いたします。
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
御仏
(
みほとけ
)
のみちびき給ふ旅なれば
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
法
(
のり
)
の道場に
呉越
(
ごえつ
)
はない。
一視
(
いっし
)
みな
御仏
(
みほとけ
)
の子じゃ。しかるに、そこもとたちがひきおこした戦争のために、殺された者はそのかずも知れん。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして二人して
御仏
(
みほとけ
)
に仕え、ますますこまやかな交情を作っていきたかった、とこんなことさえ思われる薫には、弁の尼姿さえうらやまれてきて
源氏物語:50 早蕨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
その
御仏
(
みほとけ
)
の前の庭には、
礼盤
(
らいばん
)
を中に
挟
(
はさ
)
みながら、見るも
眩
(
まばゆ
)
い宝蓋の下に、講師
読師
(
とくし
)
の高座がございましたが、
供養
(
くよう
)
の式に連っている何十人かの僧どもも
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
御仏
(
みほとけ
)
のそのをさなごを
抱
(
いだ
)
きたまへるもかくこそと
嬉
(
うれ
)
しきに、おちゐて、
心地
(
ここち
)
すがすがしく胸のうち安く
平
(
たい
)
らになりぬ。やがてぞ
呪
(
じゆ
)
もはてたる。
雷
(
らい
)
の音も遠ざかる。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
御仏
(
みほとけ
)
のみちびき給ふ旅なれば
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「やはり地蔵尊かの。しかしお顔も
衣紋
(
えもん
)
も、ひどく磨滅して貝殻なども附着しておる。察するに、地蔵は地蔵でも、海上がりの
御仏
(
みほとけ
)
だろ」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「では私がこちらへ来たついでにあなたの授戒を実行させることにして、それを私は
御仏
(
みほとけ
)
から義務の一つを果たしたことと見ていただくことにする」
源氏物語:36 柏木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
しかし好みと云うものも、
万代不変
(
ばんだいふへん
)
とは
請合
(
うけあ
)
われぬ。その証拠には
御寺
(
みてら
)
御寺の、
御仏
(
みほとけ
)
の
御姿
(
みすがた
)
を拝むが
好
(
よ
)
い。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
たとえ、
嫉視
(
しっし
)
、迫害、排撃、あらゆるものがこの一身にあつまろうとも、範宴が講堂に立つからには
御仏
(
みほとけ
)
を
偽瞞
(
ぎまん
)
の
衣
(
きぬ
)
につつむような
業
(
わざ
)
はできぬ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その時から宮の外祖母の未亡人は落胆して更衣のいる世界へ行くことのほかには希望もないと言って一心に
御仏
(
みほとけ
)
の
来迎
(
らいごう
)
を求めて、とうとう
亡
(
な
)
くなった。
源氏物語:01 桐壺
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
五位の入道 思はねば何も大声に、
御仏
(
みほとけ
)
の名なぞを呼びは致さぬ。身共の出家もその為でござるよ。
往生絵巻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それよりも、おぬしはもっと
仏陀
(
ぶっだ
)
に
直参
(
じきさん
)
して、倖い、この沢庵をお取次に、真心の底を
御仏
(
みほとけ
)
に自首してみる心にはなれぬか
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後宮の生活をするうちに人を
嫉妬
(
しっと
)
するような心を起こしてはならない、斎宮をお勤めになった間の罪を
御仏
(
みほとけ
)
に許していただけるだけの善根を必ずなさい
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
老いたる尼 さあ、それは不思議ですが、やはり
御仏
(
みほとけ
)
の
御計
(
おんはか
)
らひでせう。
往生絵巻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お地蔵さまという
御仏
(
みほとけ
)
は、
五濁悪世
(
ごじょくあくせい
)
といわれる
餓鬼
(
がき
)
、畜生、
魔魅
(
まみ
)
の
巷
(
ちまた
)
には好んでお
降
(
くだ
)
りある
普化菩薩
(
ふけぼさつ
)
だということです。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六条院は、ここ以外にはどんな
御仏
(
みほとけ
)
の国でもこうした日の遊び場所に適した所はないであろうと思われた。
源氏物語:44 匂宮
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「そのやうな物にお恐れなさるな。
御仏
(
みほとけ
)
さへ念ずればよろしうござる。」
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日常の品にも美しい好みをお忘れにならない方であるから、まして
御仏
(
みほとけ
)
のためにあそばされたことが人目を驚かすほどの物であったことはもっともなことである。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
と、あきれていると、信長はずかずか、仏前へすすんで、立居のまま、
抹香
(
まっこう
)
をつかんで、
御仏
(
みほとけ
)
へばらっと投げ懸けて、驚く人々をしり目にさっさと帰ってしまった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
現に
延喜
(
えんぎ
)
の
御門
(
みかど
)
の
御代
(
みよ
)
には、五条あたりの柿の梢に、
七日
(
なのか
)
の間天狗が
御仏
(
みほとけ
)
の形となって、
白毫光
(
びゃくごうこう
)
を放ったとある。また
仏眼寺
(
ぶつげんじ
)
の
仁照阿闍梨
(
にんしょうあざり
)
を日毎に
凌
(
りょう
)
じに参ったのも、姿は女と見えたが実は天狗じゃ。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これを
御仏
(
みほとけ
)
への結縁としてせめて愛する者二人が永久に導かれたい希望が御
願文
(
がんもん
)
に述べられてあった。
源氏物語:38 鈴虫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
御仏
(
みほとけ
)
さえ知って行くすえおききとどけ給わるなら、としていた尊氏の願望だったにそういない。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天気もうららかで暖かい日なので、快くて
御仏
(
みほとけ
)
のおいでになる世界に近い感じもすることから、あさはかな人たちすらも思わず信仰にはいる機縁を得そうであった。
源氏物語:41 御法
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「うれしや、神の御加護か、
御仏
(
みほとけ
)
のひきあわせか、ここで武蔵めに会うとは、よも
凡事
(
ただごと
)
であろうはずはない。日頃の信心が通じて、婆の手で、神仏が仇を討たせてたもるのじゃ」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分は
無慚
(
むざん
)
の僧で、
御仏
(
みほとけ
)
の戒めを知らず知らず破っていたことも多かったであろうが、女に関することだけではまだ人の
譏
(
そし
)
りを受けず、みずから認める過失はなかった。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「この山のどこに、真の
御仏
(
みほとけ
)
の微光でもあるか。国家の
鎮護
(
ちんご
)
たる大本があるか!」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
仏
常用漢字
小5
部首:⼈
4画
“御仏”で始まる語句
御仏参
御仏前
御仏名