形勢けいせい)” の例文
じつ前後ぜんご形勢けいせいと、かの七せきふね有樣ありさまとでると、いま海蛇丸かいだまるあきらか何事なにごとをかわが軍艦ぐんかんむかつて信號しんがうこゝろみるつもりだらう。けれどわたくしいぶかつた。
数丈すうじょううえのてっぺんに、からすのようにとまった竹童、したり顔して、あたりの形勢けいせいをとくと見とどけてのち、ふたたびりてくると、こんどは
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで父子おやこ久しいあひだ反目はんもく形勢けいせいとなツた。母夫人はまた、父子の間を調停てうていして、ひやツこい家庭をあたゝめやうとするだけ家庭主義の人では無かツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
形勢けいせいきゅうなるは、幕末の時にしてらに急なるその内乱ないらん危急ききゅうの場合に際し、外国人の挙動きょどうは如何というに、はなは平気へいきにして干渉かんしょうなどの様子ようすなきのみならず
お前さんのは其処そこにお葉漬はづけかありますよ、これはわたしわたしのおあしで買つたのですと天丼てんどんかゝ候如そろごときはあへて社会下流かりうの事のみともかぎられぬ形勢けいせいそろ内職ないしよく人心じんしん
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
しかれども(一一五)はやうれひけいせらるるにすくふ※あたはず。呉起ごき武矦ぶこうくに形勢けいせいの・とくかざるをもつてす。しかれどもこれおこなふや、(一一六)刻暴こくばう少恩せうおんもつ其躯そのみうしなふ。かなしいかな
形勢けいせいはなは不穩ふおんなので、かくも、望蜀生ぼうしよくせいんで、小聲こごゑで。
識らず咽喉いんこう形勢けいせいの地
緑衣人伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
無論むろん立去たちさつたあとでも、永久えいきゆう日本帝國につぽんていこく領土りようどであるべきことうたがひれぬが、こゝすこぶ憂慮ゆうりよえぬのは、いまや、まなこはなつて天下てんか形勢けいせいながむるに
菊池半助きくちはんすけは、その人に会って、じぶんが探知たんちした裾野すその形勢けいせいをしさいに書面へしたため、それを浜松の本城へ、早打ちで送りとどけてもらうようにたのんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが形勢けいせいはガラリとかわって、なにごとぞ、四天王てんのう以下の面々は名もなき野武士のさきにかけまわされ、胡蝶こちょうじん変化自在へんげじざいの陣法にげんわくされて、浮き足みだしてくずれ立ってきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)