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太皷
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たいこ
平手で板を叩くような
皷の音をさせて、鳥打帽子を
被った
万歳が
幾人も来ます。
鉦や
太皷を鳴らすばかりで何にも芸のない獅子舞も来ます。
摺合茶屋々々の二階には糸竹の調べ
皷太皷の
音絶る事なく
幇間の
對羽織に
色増君の全盛を
顯はし其
繁榮目を驚せし
浮生は夢の如く
白駒の
隙あるを
太皷の
音、うたはせて
舞はせて
人の
爲ぬ
事して
見たいと
折ふし
正太に
咡いて
聞かせれば、
驚いて
呆れて
己らは
嫌やだな。
さういふ
青葉の
村落から
村落を
女の
飴屋が
太皷を
叩いて
歩いた。
明屋ばかりの
村落を
雨が
降らねば
女は
端から
端と
唄うて
歩く。
勘次が
唄うたのは
其の
女の
唄である。
その刻限になると、
前座の坊主が楽屋に来るが否や、どこどんどんと楽屋の
太皷を叩きはじめる。
はたや、
太皷の
悶絶に
列なり
走る
槍尖よ
先ず一行数人、笛を吹く者、
太皷を打つ者、
鉦を叩く者、これに獅子舞が二
人もしくは三人附添っている。
御存じないお
積りでと
舌を
廻して、たゝき
立る
太皷の
音さりとは
賑はしう
聞え
渡りぬ。
提灯と
花籠は
先に
立つた。
後からは
村の
念佛衆が
赤い
胴の
太皷を
首へ
懸けてだらりだらりとだらけた
叩きやうをしながら一
同に
聲を
擧て
跟いて
行つた。
柩は
小徑を
避けて
大道を
行つた。
此身は
遊藝手藝學校にも
通はせられて、
其ほうは
心のまゝ、
半日は
姉の
部屋、
半日は
町に
遊んで
見聞くは
三味に
太皷にあけ
紫のなり
形、はじめ
藤色絞りの
半襟を
袷にかけて
着て
歩るきしに
女は
唄はなくても
太皷の
音が
村落の
子を
遠くから
誘ふのに
氣の
乘らぬ
唄ひやうをして
只其の一
句を
反覆のである。
女は
背中の
子が
眠つて
居るのを
悦んで
其の
子が
什麽姿であるかは
心付かない。