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天道様
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てんとうさま
ふりがな文庫
“
天道様
(
てんとうさま
)” の例文
旧字:
天道樣
そこで皆の衆が物持から米や沢庵を持って来てウント喰い倒してやるというのは、
天道様
(
てんとうさま
)
の
思召
(
おぼしめ
)
しだ、実にいい心がけである、賛成!
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
夜
(
よる
)
のこたァ、こっちが
寝
(
ね
)
てるうちだから、
何
(
なに
)
をしても
構
(
かま
)
わねえが、お
天道様
(
てんとうさま
)
が、
上
(
あが
)
ったら、その
匂
(
におい
)
だけに
止
(
や
)
めてもらいてえッてよ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ウヰルソンの義弟といふのは、
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
七尺もあらうといふ
背高男
(
のつぽ
)
で、道を歩く時にはお
天道様
(
てんとうさま
)
が頭に
支
(
つか
)
へるやうに、心持
背
(
せな
)
を
屈
(
かゞ
)
めてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
甲州街道の小間物屋のおかみが荷を
背負
(
せお
)
って来た。「ドウもねえあなた、
天道様
(
てんとうさま
)
に可愛がられまして、此通り真黒でございます」と
頬
(
ほお
)
を
撫
(
な
)
でる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
瑜ちゃんや、
可憐
(
かわい
)
そうにお前はあいつ等の
陥穽
(
かんせい
)
に掛ったのだ。
天道様
(
てんとうさま
)
が御承知です、あいつ等にもいずれきっと報いが来ます。お前は静かに
冥
(
ねむ
)
るがいい。
薬
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたくし
)
は
固
(
もと
)
より重い
御処刑
(
おしおき
)
になるのを覚悟で、お訴え申しましたので、又此の儘生延びては
天道様
(
てんとうさま
)
へ済みません、現在親を殺して気違だと云われるを幸いに
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けれども、その時の私は何故この病気も癒ったのだろうと、つくづく
天道様
(
てんとうさま
)
を
怨
(
うら
)
んだことで御座いました。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
可愛想にまだ八つ七つのお光は始終捨児真の父母など云うことを、思うともなく思って、独り解かれぬ疑問に心を苦しめて居る。之を知る者は只
天道様
(
てんとうさま
)
ばかりだ。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
天道様
(
てんとうさま
)
と米の飯を求めてどこへ行くか、レーマンに興味を持つ人には、かなり気の揉める問題であろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
お
前達
(
めえたち
)
を、連れて行きてえのは山々だが、お役人をたたっ斬って、天下のお関所を破った俺達が、お
天道様
(
てんとうさま
)
の下を、十人二十人つながって歩くことは、許されねえ。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
とこう思っての、
密
(
そっ
)
と
負
(
おぶ
)
って来て届かねえ介抱をしてみたが、いや
半間
(
はんま
)
な手が届いたのもお
前
(
めえ
)
の運よ、こりゃ
天道様
(
てんとうさま
)
のお
情
(
なさけ
)
というもんじゃ、無駄にしては相済まぬ。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それじゃおれはどっちへ
廻
(
まわ
)
ればいいんだい? こうっと、お
天道様
(
てんとうさま
)
があそこにいるんだから」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そのうちには、四国屋のお家様にお目にかかって、何とかいたすつもり、そこは手に職のあるありがたさで、
尺金
(
さしがね
)
一
本
(
ぽん
)
さし込んでいれば、どこの国にも
天道様
(
てんとうさま
)
は照っております
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茂太郎式に
反芻
(
はんすう
)
して再応思案してみると、「万人堂の杉のスッポンコラは槍のように
尖
(
とが
)
っている、さぞお
天道様
(
てんとうさま
)
も怖いだろう」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
造船所の上には
鳶
(
とび
)
が鼻唄を
謡
(
うた
)
つてゐたが、お
天道様
(
てんとうさま
)
や鳶に用事の無い広海氏は掛りの顔を見ると直ぐと切り出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
農村
(
のうそん
)
に
天道様
(
てんとうさま
)
の信心が無くなったら、農村の
破滅
(
はめつ
)
である。然るに此信心は日に/\
消亡
(
しょうもう
)
して、人智人巧唯我唯利の風が日々農村人心の
分解
(
ぶんかい
)
を
促
(
うなが
)
しつゝあるのだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「それに、あの妹のお京というのがあんまり綺麗すぎますよ。妹だか女房だか知らないが、日中は二人家の中に引っ込んだきり、滅多なことじゃ
天道様
(
てんとうさま
)
の下に顔も出さねえ」
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
重
(
しげ
)
さん。もし、
重
(
しげ
)
さんは
留守
(
るす
)
かい。——おやッ、
天道様
(
てんとうさま
)
が
臍
(
へそ
)
の
皺
(
しわ
)
まで
御覧
(
ごらん
)
なさろうッて
真
(
ま
)
ッ
昼間
(
ぴるま
)
、あかりをつけッ
放
(
ぱな
)
しにしてるなんざ、ひど
過
(
す
)
ぎるぜ。——
寝
(
ね
)
ているのかい。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
吝嗇者
(
りんしょくもの
)
の
日済
(
ひなし
)
を
督促
(
はた
)
るように、われよりあせりて今戻せ
明日
(
あす
)
返せとせがむが
小人
(
しょうじん
)
にて、いわゆる
大人
(
たいじん
)
とは一切の勘定を
天道様
(
てんとうさま
)
の銀行に任して、われは真一文字にわが分をかせぐ者ぞ
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
それとも知らず自分の弁当は流してしまい、旦那の持って居なさる弁当箱には秋田屋の
印
(
しるし
)
がござんすから、二日
二夜
(
ふたよ
)
さの
飢
(
ひも
)
じさに
浮
(
うっ
)
かり喰ったのが
天道様
(
てんとうさま
)
の
罰
(
ばち
)
でござんしょう、旦那
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
桜の
蕾
(
つぼみ
)
がボツボツと白く見え出す頃、如何なる
天道様
(
てんとうさま
)
の
配合
(
とりあわせ
)
であったろうか。絶えて久しい播磨屋千六と、青山銀之丞が、大阪の町外れ、桜の宮の鳥居脇でバッタリと出会ったのであった。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あの
白痴殿
(
ばかどの
)
の女房になって世の中へは目もやらぬ
換
(
かわり
)
にゃあ、嬢様は
如意
(
にょい
)
自在、男はより取って、
飽
(
あ
)
けば、息をかけて
獣
(
けもの
)
にするわ、殊にその洪水以来、山を
穿
(
うが
)
ったこの流は
天道様
(
てんとうさま
)
がお授けの
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
天道様
(
てんとうさま
)
の御守護だな」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが今夜という今夜、ほんとうに思いがけなく、思う存分にその仕返しができたことを思うと、
天道様
(
てんとうさま
)
がまだこちとらをお見捨てなさらねえのだ。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その日も
蒸暑
(
むしあつ
)
かつた。
凡
(
すべ
)
てに公平なお
天道様
(
てんとうさま
)
は、禅坊主が来たからといつて、
取
(
と
)
つて
置
(
おき
)
の風を御馳走する程の慈悲も見せなかつた。皆は
襟
(
えり
)
を
寛
(
くつろ
)
げて扇をばたばたさせた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
天道様
(
てんとうさま
)
の届かない、土地の底の穴の中なら、お上のお目こぼしもあるとしたものでしょう、——一番今晩一と晩だけ、
土竜
(
もぐらもち
)
の真似をして、皆川様御夫婦の忠義にお手伝いしましょう
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「えっ無罪、え、も
勿体
(
もってえ
)
ねえ、旦那様お有難う存じます、
天道様
(
てんとうさま
)
は正直だなア」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
早
(
はや
)
えことがあるもんか。お
天道様
(
てんとうさま
)
は、もうとっくに
朝湯
(
あさゆ
)
を
済
(
す
)
まして、あんなに
高
(
たか
)
く
昇
(
のぼ
)
ってるじゃねえか。——いってえ
重
(
しげ
)
さん。おめえ、
寝
(
ね
)
てえたんだか
起
(
お
)
きてたんだか、なぜ
返事
(
へんじ
)
をしてくれねえんだ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「借金もちは、
天道様
(
てんとうさま
)
が中々殺さぬよ」。私も
夥
(
おびただ
)
しい借金もちです。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何か仕事をしなくちゃあならねえ、何か
稼
(
かせ
)
ぎをして飯を食わなくっちゃあ
天道様
(
てんとうさま
)
に申しわけがない、と言って退屈して、生活の空虚を感じているところへ、話があったのは
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「怒るな八、近江屋へ真っ直ぐに案内しろ。親達に歎きをかけた上、大金までせしめようというのは、いかにも憎い幽霊だ。三日経たない内に、きっと
天道様
(
てんとうさま
)
の下で化けの皮を
剥
(
は
)
いでやる」
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「やっぱり
俺
(
おい
)
らたちが悪いことをしねえから、
天道様
(
てんとうさま
)
が見通しておいでなさるんだ」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
小商売
(
こあきない
)
の一つも始め、
飯盛上
(
めしもりあが
)
りの女でも
連合
(
つれあい
)
にして、これからは
温和
(
おとな
)
しく暮して行きてえものだと思わねえこともねえが、
天道様
(
てんとうさま
)
がそうは
卸
(
おろ
)
してくれめえから、とてものことにまた逆戻りで
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“天道”で始まる語句
天道
天道樣
天道花
天道干
天道公平
天道虫
天道公平事
天道是耶非