明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かもめ:――喜劇 四幕―― (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大童で、眼は血走って、脇差を振り廻しながら、唐人小路を走る時には、人の悪い南条と、五十嵐との姿は、いつか見えなくなってしまう。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
虎之介は海舟から借用した名句も心眼も用いるヒマなく、先ず息を静め汗をおさめるのに大童である。新十郎はポケットから一枚の紙片をとりだして
明治開化 安吾捕物:07 その六 血を見る真珠 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余りむすので一層大汗をかこうと大童で火夫をやったり何かしています。京都神戸雨の水害あり、こっちもグズグズの天気でそれかと云って降らずにむしている。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
旧聞日本橋:04 源泉小学校 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
大童になって説明すると共に、もはやごてくさ言っている場合ではないと思って単刀直入に、自分はそういう災厄のために死んだ農奴全部に対する納税の義務をこの身に引受けたいのだと
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
彼女は私の介抱に大童であった。夏の夜は早く明けて、私はまだぐったりしていた。そのうち店から朋輩が迎えにきた。私には朝刊の配達という義務が控えているのである。私は思わず弱音を吐いた。
船の甲板では七兵衛入道が、やがて総員上陸すべき人員の点検と、陸揚げすべき資材の整理に大童となっている。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
芸術的効果をそこまで持って行くために、ソヴェト同盟のプロレタリア芸術家たちは大童だ。
五ヵ年計画とソヴェトの芸術 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
銭形平次捕物控:053 小唄お政 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
慰問のため、うちではきいたこともないラジオのレビューというのを午後二時半からやろうというプランを立てたり、私は叱ったりはげましたり、御機嫌をとったりに大童です。
獄中への手紙:05 一九三八年(昭和十三年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
みんなで手わけして大童で探しているあの怪人丸木が、その火星兵団員だという蟻田博士の言葉は、二重三重に大江山課長を驚かせ、そうして、彼のあたまを、ぼうっとさせてしまった。
「時分時でないから大丈夫でさ、猫の子が一匹耳をすまして居るだけだ、勘定が済んだら、親父は安心して奥へ引込んだし、小女はつまみ食いで大童だ、耳なんか節穴ほどの役にも立たねえ」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お母さん、誰かの縁談のために大童、朝早くからお出掛け。私の小さい時からお母さんは、人のために尽すので、なれっこだけれど、本当に驚くほど、始終うごいているお母さんだ。感心する。
早速大童の猛運動が開始されました。
奇談クラブ〔戦後版〕:02 左京の恋 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小網町の仙太は大童でした。
銭形平次捕物控:047 どんど焼き (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
その彼が、近来は往々、将士のさきに立って大童な働きを見せ、血に染んだ赤い陣刀を肩にかついで、体じゅうで息をはアはアいわせながら引き揚げて来るようなこともしばしばだった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)