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墓石
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はかいし
ふりがな文庫
“
墓石
(
はかいし
)” の例文
何
(
なん
)
にもならないで、ばたりと
力
(
ちから
)
なく
墓石
(
はかいし
)
から
下
(
お
)
りて、
腕
(
うで
)
を
拱
(
こまぬ
)
き、
差俯向
(
さしうつむ
)
いて、ぢつとして
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、しつきりなしに
蚊
(
か
)
が
集
(
たか
)
る。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「成程、あの
墓石
(
はかいし
)
に耳を当てがふと、
何時
(
いつ
)
でも茶の湯の
沸
(
たぎ
)
る音がしてまんな。
私
(
わて
)
も
俳優甲斐
(
やくしやがひ
)
に
洒落
(
しやれ
)
た
墓石
(
はかいし
)
が一つ欲しうおまんね。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その間に、
彷徨
(
さまよ
)
う市民たちは、たった一晩のうちに、
生色
(
せいしょく
)
を
喪
(
うしな
)
い、どれを見ても、まるで
墓石
(
はかいし
)
の下から出て来たような顔色をしていた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「おまえの
墓
(
はか
)
は、これだった。この
下
(
した
)
に、いままでおまえは、
眠
(
ねむ
)
っていたのだ。」と、おじいさんは、一つの
墓石
(
はかいし
)
を
指
(
さ
)
しました。
銀のつえ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
永光寺の開山(名をきゝもらせり)
血脉
(
けちみやく
)
をかの
淵
(
ふち
)
にしづめて
化度
(
けど
)
し玉ひしゆゑ悪竜
得脱
(
とくだつ
)
なし、その礼とてかの
墓石
(
はかいし
)
を
淵
(
ふち
)
にいだして
死期
(
しき
)
を
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
私が丸い
墓石
(
はかいし
)
だの細長い
御影
(
みかげ
)
の
碑
(
ひ
)
だのを指して、しきりにかれこれいいたがるのを、始めのうちは黙って聞いていたが
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
束
(
たば
)
になって倒れた
卒塔婆
(
そとば
)
と共に
青苔
(
あおごけ
)
の
斑点
(
しみ
)
に
蔽
(
おお
)
われた
墓石
(
はかいし
)
は、岸という限界さえ
崩
(
くず
)
れてしまった
水溜
(
みずたま
)
りのような古池の中へ、
幾個
(
いくつ
)
となくのめり込んでいる。無論新しい
手向
(
たむけ
)
の花なぞは一つも見えない。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
つるつるした
墓石
(
はかいし
)
の枕元にある
免罪符
(
パルドン
)
をおもひだす永久の
鎭魂歌
(
レキエム
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
墓石
(
はかいし
)
を
取巻
(
とりま
)
いて
戒名
(
かいみやう
)
が
彫
(
ほ
)
つてある。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だが、それは斎入が物を
識
(
し
)
らないからで、徳川時代の洒落者の多かつた江戸町人の
墓石
(
はかいし
)
には、故人が好物の形に似せた墓も少くなかつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
永光寺の開山(名をきゝもらせり)
血脉
(
けちみやく
)
をかの
淵
(
ふち
)
にしづめて
化度
(
けど
)
し玉ひしゆゑ悪竜
得脱
(
とくだつ
)
なし、その礼とてかの
墓石
(
はかいし
)
を
淵
(
ふち
)
にいだして
死期
(
しき
)
を
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それから
墓石
(
はかいし
)
に
乘
(
の
)
つて
推
(
お
)
して
見
(
み
)
たが、
原
(
もと
)
より
然
(
さ
)
うすれば
開
(
あ
)
くであらうといふ
望
(
のぞみ
)
があつたのではなく、
唯
(
たゞ
)
居
(
ゐ
)
るよりもと、
徒
(
いたづ
)
らに
試
(
こゝろ
)
みたばかりなのであつた。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
叔父
(
おじ
)
さん、
昔
(
むかし
)
の
絵
(
え
)
は、いくらよくたって、
冷
(
つめ
)
たい
墓石
(
はかいし
)
のようなものです。いまの
若
(
わか
)
い
人
(
ひと
)
の
画
(
え
)
には、
自分
(
じぶん
)
たちと
同
(
おな
)
じ
血
(
ち
)
が
通
(
かよ
)
っています。まあ、
自分
(
じぶん
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
にゆくのですね。
町の真理
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分は
苔
(
こけ
)
の上に坐った。これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い
墓石
(
はかいし
)
を眺めていた。そのうちに、女の云った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
束
(
たば
)
になつて
倒
(
たふ
)
れた
卒塔婆
(
そとば
)
と共に
青苔
(
あをごけ
)
の
斑点
(
しみ
)
に
蔽
(
おほ
)
はれた
墓石
(
はかいし
)
は、岸と
云
(
い
)
ふ限界さへ
崩
(
くづ
)
れてしまつた
水溜
(
みづたま
)
りのやうな
古池
(
ふるいけ
)
の中へ、
幾個
(
いくつ
)
となくのめり込んで
居
(
ゐ
)
る。
無論
(
むろん
)
新しい
手向
(
たむけ
)
の花なぞは一つも見えない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
盗んだくるみで一杯になつた二つの袋は墓地の
入
(
い
)
り
口
(
くち
)
にかくしておいて、今一つのふくろにはいつた分を、大きな
墓石
(
はかいし
)
のかげで、かずをよみながら
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此
墓石
(
はかいし
)
大小によりて住職の心に
応
(
おう
)
ぜず
淵
(
ふち
)
へかへせば、その
夜
(
よ
)
淵
逆浪
(
げきらう
)
して住職のこのむ石を淵に出したる事度々あり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
もとより
何故
(
なにゆゑ
)
といふ
理
(
わけ
)
はないので、
墓石
(
はかいし
)
の
倒
(
たふ
)
れたのを
引摺
(
ひきずり
)
寄
(
よ
)
せて、
二
(
ふた
)
ツばかり
重
(
かさ
)
ねて
臺
(
だい
)
にした。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして、その
下
(
した
)
を
通
(
とお
)
るときには、くぐってゆかなければなりません。
寺
(
てら
)
の
横
(
よこ
)
を
通
(
とお
)
ったときには、もう
雪
(
ゆき
)
が
地
(
ち
)
の
上
(
うえ
)
にますます
積
(
つ
)
もって
墓石
(
はかいし
)
の
頭
(
あたま
)
がわずかばかりしか
見
(
み
)
えていませんでした。
雪の国と太郎
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此
墓石
(
はかいし
)
大小によりて住職の心に
応
(
おう
)
ぜず
淵
(
ふち
)
へかへせば、その
夜
(
よ
)
淵
逆浪
(
げきらう
)
して住職のこのむ石を淵に出したる事度々あり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
可笑
(
をか
)
しいのは
賭博
(
ばくち
)
が好きだつたからといつて、
墓石
(
はかいし
)
に
骰子
(
さいころ
)
の目まで盛つたのがあつた事だ。それを考へて
伜
(
せがれ
)
の右団次も
亡父
(
おやぢ
)
の墓を幽霊の姿にでも刻んだら面白からう。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「嘘はつきましねえ。そこの
墓石
(
はかいし
)
の下で神様と悪魔とが、死人を分けてござるだよ。」
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“墓石”の意味
《名詞》
墓のしるしに建てる石。
(出典:Wiktionary)
“墓石”の解説
墓石(ぼせき、はかいし、en: tombstoneあるいはheadstoneあるいはgravestone)とは、墓の上に設置される大きめの石や石材加工品。墓碑(ぼひ)ともいう。
(出典:Wikipedia)
墓
常用漢字
小5
部首:⼟
13画
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
“墓”で始まる語句
墓
墓地
墓所
墓場
墓参
墓詣
墓穴
墓標
墓原
墓碣