グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
銭形平次捕物控:120 六軒長屋 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
何が私をこうさせたか:――獄中手記―― (新字新仮名) / 金子ふみ子(著)
中には両手に余るほどの煎餅を懐ろに捻込みつゝ更に蜜柑の箱に吶喊するものもあった。茶碗酒を呷りながら蜜柑の一と箱を此方へよこせと呌くものもあった。
灰燼十万巻:(丸善炎上の記) (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
読み終った私は、よろよろっとベッドに倒れた、そしてがたがた顫える手で薬台の抽斗から赤い包紙に包まれた催眠薬を三つとり出すと、一気にグイと呷った。
蝱の囁き:――肺病の唄―― (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
女は破れ畳に白い顔を摺りつけて泣いているのを、友蔵はおもしろそうに眺めながら茶碗酒を呷っていた。
半七捕物帳:68 二人女房 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
熱く燗した卵酒を呷りながら主人は、細かいことはあとで家内が起きたら訊いてくれろ、心安い気で自分の家のようにして、家内の相談相手にもなってやってほしい
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
強い酒を呷りつけては癇をたてていたが、戦闘訓練が面白くなったとみえて狂的な熱意をみせ、傷病兵も頑丈な囚徒兵も見境なくいっしょくたにして、今日は水中攻撃、明日は陸上肉攻と
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
田中の部屋では、田中と女二人でトランプをして、その間中、田中はウイスキーとビールを呷りつゞけているのである。
安吾巷談:01 麻薬・自殺・宗教 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
無茶苦茶に私はウイスキイを呷った。どのくらい飲んだのか、とにかく、足腰のたたぬまでも飲んだ。
何が私をこうさせたか:――獄中手記―― (新字新仮名) / 金子ふみ子(著)
さっきまでの真っ青な顔は、今度は酒でも呷ったように両手で隠した顔の襟頸まで真っ赤に燃えて眼を閉じて、もがけるだけ身をもがきながら声を放って泣き叫んでいた。