“角壜”の読み方と例文
読み方割合
かくびん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜の九時頃、寺の者が大概寝静まって了うとウヰスキーの角壜かくびんあおって酔いを買った後、勝手に縁側の雨戸を引き外し、墓地のがきを乗り越えて散歩に出かけた。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
こちらのき出しは豪勢ごうせいだ。七面鳥のサンドウィッチに、ウィスキーの角壜かくびん、煙草はMCCだ。
沈没男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「アラ。病気や何かで、すっかり忘れていたわ。」と君江は棚の上に載せたままにして置いた角壜かくびんの火酒を取りおろして湯呑ゆのみにつぎ、「グラスがないからこれで我慢して下さい。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)