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原
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ぱら
ふりがな文庫
“
原
(
ぱら
)” の例文
二三軒みすぼらしいオランダ船の船員のとまる下宿の
木小屋
(
きごや
)
が、そのむこう岸に建っていて、オランダッ
原
(
ぱら
)
ともよばれていた所です。
幸福のうわおいぐつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
左手に細野の人家を眺め、
上
(
うわ
)
ッ
原
(
ぱら
)
と呼ぶ平坦な原野に出る、木立の中や草原には
桔梗
(
ききょう
)
、
女郎花
(
おみなえし
)
、松虫草、コマツナギ等が咲いている。
白馬岳
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
幾ら
人數
(
にんず
)
が少ないと
謂
(
い
)
ツて、書生もゐる
下婢
(
げぢよ
)
もゐる、それで
滅多
(
めつた
)
と笑聲さへ聞えぬといふのだから、
恰
(
まる
)
で冬の
野
(
の
)
ツ
原
(
ぱら
)
のやうな光景だ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
書窓
(
しょそう
)
から眺めると、
灰色
(
はいいろ
)
をした
小雨
(
こさめ
)
が、
噴霧器
(
ふんむき
)
で
噴
(
ふ
)
く様に、
弗
(
ふっ
)
——
弗
(
ふっ
)
と北から
中
(
なか
)
ッ
原
(
ぱら
)
の杉の森を
掠
(
かす
)
めて
斜
(
はす
)
に
幾
(
いく
)
しきりもしぶいて通る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
これらの幻像の出るのは、鑓ガ岳の南に続く
大雪田
(
だいせつでん
)
、土地の人がオ
出
(
いで
)
ッ
原
(
ぱら
)
と呼ぶ処で、その南側、奥不帰の連峯に寄った辺である。
残雪の幻像
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
▼ もっと見る
下谷
(
したや
)
佐竹ッ
原
(
ぱら
)
の浄るり座や、
麻布
(
あざぶ
)
森元
(
もりもと
)
の
開盛座
(
かいせいざ
)
を廻り、
四谷
(
よつや
)
の
桐座
(
きりざ
)
や、
本所
(
ほんじょ
)
の寿座が出来て、格の好い中劇場へ出るようになるかと思うと、また
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
蘿月はその頃お豊の家を訪ねた時にはきまって
甥
(
おい
)
の長吉とお糸をつれては
奥山
(
おくやま
)
や
佐竹
(
さたけ
)
ッ
原
(
ぱら
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行ったのだ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しからば、その公許の塩づけ貯蔵個所なるものは、そもそもどこであるか?——右門の判断を待つまでもなく、それは鈴ガ森と
小塚
(
こづか
)
ッ
原
(
ぱら
)
の二個所です。
右門捕物帖:02 生首の進物
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「いまは
小塚
(
こづか
)
っ
原
(
ぱら
)
の無縁墓だ」と栄二はまた窓の外へ眼をやりながら云った、「——げじげじなんて云われるほどあくどいことをしても、結局いいめは出なかったんだな」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そしてその晩も、
翌
(
あく
)
る晩も、また翌る晩もその石碑の
下
(
もと
)
に野宿をして、じつと石碑の文字に
惚々
(
ほれ/″\
)
してゐるので、馬はとうと腹を立てて、
其処
(
そこら
)
の
草
(
くさ
)
つ
原
(
ぱら
)
にごろり横になつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
百姓を斬って、
骨
(
こつ
)
ヶ
原
(
ぱら
)
の
処刑場
(
しおきば
)
の中へ逃げ込んだ神尾主膳は、それと知って思わずギョッとしました。こういう際であるけれども、処刑場ときては、いい気持がしなかったらしい。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
今から六年前のちょうど今月今日召捕られまして、八月十九日に
小塚
(
こづか
)
っ
原
(
ぱら
)
でお仕置を受けました
鼠小僧次郎吉
(
ねずみこぞうじろきち
)
なんか、その五人の中には入って居りません。あんな野郎はまだ駆出しで
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
名主どんも有る村だから、名主どんへ届けて、お役人さまの手を借りてお探しなせえって、それから
毎日
(
めえにち
)
松戸
流山
(
ながれやま
)
から
小金
(
こがね
)
ッ
原
(
ぱら
)
まで探しちゃア
帰
(
けえ
)
って来て、知んねえっては泣くだよ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それが
頻
(
しき
)
りに市中を
巡邏
(
じゆんら
)
する。尚ほ手先を使つて、彼等盜賊の
迹
(
あと
)
を附けさせると、それが今の
芝
(
しば
)
の
薩摩
(
さつま
)
ツ
原
(
ぱら
)
の薩州屋敷に
入
(
はい
)
るといふのでこの賊黨はとう/\
薩藩
(
さつぱん
)
中
(
ちう
)
の
溢
(
あふ
)
れ
者
(
もの
)
だといふことが分つた。
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
松隈内閣だか隈板内閣だかの組閣に
方
(
あた
)
って沼南が入閣するという風説が立った時、毎日新聞社にかつて在籍して猫の目のようにクルクル変る沼南の朝令暮改に
散三
(
さんざ
)
ッ
原
(
ぱら
)
苦しまされた或る男は
曰
(
いわ
)
く
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「権次は
真砂
(
まさご
)
っ
原
(
ぱら
)
にいますよ、近所の人が見て来たそうで」
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
かうかうと金の射光の
二方
(
ふたかた
)
に射す野つ
原
(
ぱら
)
に木の二本見ゆ
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
これでも、
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
や、
芝
(
しば
)
ッ
原
(
ぱら
)
へ
出
(
で
)
かけ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
蘿月
(
らげつ
)
は
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
お
豊
(
とよ
)
の家を訪ねた時にはきまつて
甥
(
をひ
)
の
長吉
(
ちやうきち
)
とお
糸
(
いと
)
をつれては
奥山
(
おくやま
)
や
佐竹
(
さたけ
)
ツ
原
(
ぱら
)
の
見世物
(
みせもの
)
を見に行つたのだ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
おっつけ鈴ガ森か
小塚
(
こづか
)
ッ
原
(
ぱら
)
にでも参るようになりましょうから、それまでご窮屈でござんしょうが、あそこの自身番でごゆっくり蚊にでも食われなせえよ
右門捕物帖:06 なぞの八卦見
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
これらの幻像の出るのは、鑓ガ岳の南に続く大雪田、土地の人がお
出
(
いで
)
ッ
原
(
ぱら
)
とよぶ所で、鑓から温泉にくだる夏道はその北寄りに通じているが、雪形は反対の南側、奥不帰の方へよった辺りに出る。
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
生馬
(
いきうま
)
の
灸
(
きう
)
すゑどころ見ゆるなり光あまねき野つ
原
(
ぱら
)
の
中
(
うち
)
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「わかったぞ! これは
小塚
(
こづか
)
ッ
原
(
ぱら
)
だ」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
原
(
ぱら
)
へ
來
(
こ
)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
見返柳
(
みかえりやなぎ
)
の立っていた
大門
(
おおもん
)
外の堤に
佇立
(
たたず
)
んで、東の
方
(
かた
)
を見渡すと、
地方今戸町
(
じかたいまどまち
)
の低い人家の屋根を越して、田圃のかなたに
小塚
(
こづか
)
ッ
原
(
ぱら
)
の女郎屋の裏手が見え
里の今昔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
天気は
快
(
よ
)
し、草つ
原
(
ぱら
)
に露がいつぱいだで
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
左右ともに水田のつづいた
彼方
(
かなた
)
には鉄道線路の高い土手が眼界を
遮
(
さえぎ
)
っていた。そして遥か東の方に
小塚
(
こづか
)
ッ
原
(
ぱら
)
の大きな
石地蔵
(
いしじぞう
)
の後向きになった背が望まれたのである。
里の今昔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“原”の意味
《名詞》
(はら)高低差のない、空間的な広がり。特に、陸地で、背の高い樹木などがない、未開拓の平野。
(出典:Wiktionary)
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“原”を含む語句
草原
原因
高原
河原
小塚原
海原
吉原
大草原
野原
中原
川原
柳原
木原
堀田原
原来
小原
原田
葛原
蒲原郡
蓬原
...