光明くわうみやう)” の例文
が、不斷ふだんだと、魑魅ちみ光明くわうみやうで、電燈でんとうぱつけて、畜生ちくしやうつぶてにして追拂おひはらふのだけれど、あかり覺束おぼつかなさは、天井てんじやうからいきけると吹消ふつけされさうである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
俄商人にはかあきんどはカンテラの光明くわうみやう木陰こかげうすやみとのあひだつた姿すがた明瞭はつきり見極みきはがたいので、しきりにしかめつゝもとめられるまゝむしろはしつて西瓜すゐくわしてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おいらなければいず、ぼく池上權藏いけがみごんざうぬるまでおいないだらうとおもひます、ぬるいまはのきはにも、かれさら一段いちだん光明くわうみやうなる生命せいめいのぞんでるだらうとおもひます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
やうやく雪のやみたる時、雪をほりわづかに小まどをひらきあかりをひく時は、光明くわうみやう赫奕かくやくたる仏の国に生たるこゝち也。此外雪こもりの艱難かんなんさま/″\あれど、くだ/\しければしるさず。
なぜかといふに僕は昨冬、火難につて以来、全く前途の光明くわうみやうを失つてゐたからである。
遍路 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
抑も辻行灯つじあんどうすたれて電気灯でんきとう光明くわうみやう赫灼かくしやくとして闇夜やみよなき明治めいぢ小説せうせつ社会しやくわいに於ける影響えいきやう如何いかん。『戯作げさく』と云へる襤褸ぼろぎ『文学ぶんがく』といふかむりけしだけにても其効果かうくわいちゞるしくだいなるはらる。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
その光明くわうみやうのある方向はうかうさへも、誰もゆびさしてくれるものはなかつた。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
嗚呼熾烈しれつなる光明くわうみやうの、狂へる如き大旋轉だいせんてんよ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
日はゆらぎ、濃くもあざれし光明くわうみやう
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
光明くわうみやう歓喜くわんぎの酒を浴ぶ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ああ光明くわうみやうの御姿
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
両人たいまつをふりてらしてこゝかしこをみるに光るものさらになく、またあやしむべきをみず、さては人のいふは空言そらごとならん、いざとてかへらんとしけるに、水上にはか光明くわうみやうはな
久遠くをんにわたる光明くわうみやううつりたらずや
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
光明くわうみやうみちにかざして
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
光明くわうみやう赫灼かくしやくのなかに
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
両人たいまつをふりてらしてこゝかしこをみるに光るものさらになく、またあやしむべきをみず、さては人のいふは空言そらごとならん、いざとてかへらんとしけるに、水上にはか光明くわうみやうはな
此突如たる光明くわうみやうに影もとゞまりつ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そのとき光明くわうみやう、その時御胸みむね
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)