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偉大
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ゐだい
此偉大な
現象を
起させるものは
人間以上の
者で
人間以上の
形をしたものだらう。
此想像が
宗教の
基となり、
化物を
創造するのである。
且又人間には
由來好奇心が
有る。
前途を
見究めて
後ち
進行せしむ、善作一たび方向を
定めて
進む時は、
其誤らざる事磁石に
拠るよりも
勝れりと云ふべし、
真に一行中
屈竟の
好漢たり、中島鹿吉なるものは躯幹
偉大
小屋の
中には
單こればかりでなく、
兩傍に
堆く
偉大な
材木を
積んであるが、
其の
嵩は
與吉の
丈より
高いので、
纔に
鋸屑の
降積つた
上に、
小さな
身體一ツ
入れるより
他に
餘地はない。
「埃の力は
偉大だ!」と周三は、
吻ツと
歎息して、少時埃に就いて考へた。
此偉大な
力を
分解して
見ると。一
方には
非常な
誇張と、一
方には
非常な
省略がある。で、これより
各論に
入つて
化物の
表現即ち
形式を
論ずる
順序であるか、
今は
其暇がない。
其時は、
其下蔭は
矢張こんなに
暗かつたが、
蒼空に
日の
照る
時も、と
然う
思つて、
根際に
居た
黒い
半被を
被た、
可愛い
顏の、
小さな
蟻のやうなものが、
偉大なる
材木を
仰いだ
時は
玉の
如き
肩に、
柳の
如き
黒髪よ、
白百合の
如き
胸よ、と
恍惚と
我を
忘れて、
偉大なる
力は、
我が
手に
作らるべき
此の
佳作を
得むが
為め、
良匠の
精力をして
短き
時間に
尽さしむべく
自然界の
現象を
見ると、
或るものは
非常に
美しく、
或るものは
非常に
恐ろしい。
或は
神祕的なものがあり、
或は
怪異なものがある。
之には
何か
其奧に
偉大な
力が
潜んで
居るに
相違ない。
と
思ひ/\、
又この
偉大なる
樟の
殆ど
神聖に
感じらるゝばかりな
巨材を
仰ぐ。