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ゐだい
「埃の力は
偉大だ!」と周三は、
吻ツと
歎息して、少時埃に就いて考へた。
此偉大な
力を
分解して
見ると。一
方には
非常な
誇張と、一
方には
非常な
省略がある。で、これより
各論に
入つて
化物の
表現即ち
形式を
論ずる
順序であるか、
今は
其暇がない。
其時は、
其下蔭は
矢張こんなに
暗かつたが、
蒼空に
日の
照る
時も、と
然う
思つて、
根際に
居た
黒い
半被を
被た、
可愛い
顏の、
小さな
蟻のやうなものが、
偉大なる
材木を
仰いだ
時は