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さげ
ふりがな文庫
“
下
(
さげ
)” の例文
いつもの癖で、椅子の中に深く身を沈めると、
中禿
(
ちゅうはげ
)
の頭を撫で上げながら、自慢の長い
鬚
(
ひげ
)
を
自烈度
(
じれった
)
そうにヒネリ上げヒネリ
下
(
さげ
)
した。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
下
(
さげ
)
られしが此事一應加役方へ掛合の上ならでは
吟味
(
ぎんみ
)
に取掛り
難
(
がた
)
き儀なれども
渠
(
かれ
)
が申し立て
如何
(
いか
)
にも
不便
(
ふびん
)
なりと思はれしかば大岡殿の
英斷
(
えいだん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すると
癇癪持
(
かんしゃくもち
)
の
君
(
きみ
)
は真二つに斬り
下
(
さげ
)
んと刀の
束
(
つか
)
に手をかけたのを、最愛の
妾
(
おんな
)
が
傍
(
かたわら
)
から止めたので、命だけは
賜
(
たま
)
わって、国外に追放の身となったのである。
森の妖姫
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
で、その日の七つ
下
(
さげ
)
りに、小平太は
屈托
(
くったく
)
そうな顔をしながら、ぼんやり林町の宿へ戻ってきた。すると横川勘平が待ち構えていて、相手の顔を見るなり
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
左樣
(
さやう
)
ならとて
頭
(
かしら
)
を
下
(
さげ
)
げるに、あれ
美
(
み
)
いちやんの
現金
(
げんきん
)
な、
最
(
も
)
うお
送
(
おく
)
りは
入
(
い
)
りませぬとかえ、そんなら
私
(
わたし
)
は
京町
(
きやうまち
)
で
買物
(
かいもの
)
しましよ、とちよこ/\
走
(
ばし
)
りに
長屋
(
ながや
)
の
細道
(
ほそみち
)
へ
驅
(
か
)
け
込
(
こ
)
むに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
お前の明るいお
下
(
さげ
)
の頭が、あの
梯子
(
はしご
)
を登った暗い穴の所へ、ひょっこり
花車
(
はなぐるま
)
のように現われるのさ。すると、俺は、すっかり憂鬱がなくなっちゃって、はしゃぎ廻ったもんだ。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
恐入った
妹
(
いもうと
)
、妹と云っては縁が切れてるから奧州屋新助
殿
(
どん
)
のお内儀さんに対して大西徳藏
斯
(
かく
)
の如くだ(両手を突き頭を
下
(
さげ
)
る)矢張是も親の
罰
(
ばち
)
だ、親の罰だから誠に何うも困る
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
前髮
(
まへがみ
)
を
切
(
き
)
り
下
(
さげ
)
て
可愛
(
かはゆ
)
く
之
(
これ
)
も
人形
(
じんぎやう
)
のやうに
順
(
おとな
)
しくして
居
(
ゐ
)
る
廣庭
(
ひろには
)
では六十
以上
(
いじやう
)
の
而
(
しか
)
も
何
(
いづ
)
れも
達者
(
たつしや
)
らしい
婆
(
ばあ
)
さんが三
人立
(
にんたつ
)
て
居
(
ゐ
)
て
其
(
その
)
一人
(
ひとり
)
の
赤兒
(
あかんぼ
)
を
脊負
(
おぶつ
)
て
腰
(
こし
)
を
曲
(
ま
)
げ
居
(
を
)
るのが
何事
(
なにごと
)
か
婆
(
ばあ
)
さん
聲
(
ごゑ
)
を
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
極端なだんまりやで、止宿人と顏を合せても、輕く頭を
下
(
さげ
)
るばかりで、口をきく事は殆ど無い。會社の同僚とのつきあひも無く、飮んだり喰つたり、見たり聽いたりの道樂も無い。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
婆やはぴょこぴょこと
幾度
(
いくど
)
も頭を
下
(
さげ
)
て、
前垂
(
まえだれ
)
で、顔をふきふき立って行った。
碁石を呑んだ八っちゃん
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
柱にもたれて身は力なく
下
(
さげ
)
たる
頭
(
かしら
)
少し
上
(
あげ
)
ながら
睨
(
にら
)
むに、浮世のいざこざ知らぬ顔の彫像
寛々
(
かんかん
)
として大空に月の
澄
(
すめ
)
る
如
(
ごと
)
く
佇
(
たたず
)
む気高さ、見るから我胸の疑惑
耻
(
はずか
)
しく、ホッと息
吐
(
つ
)
き、アヽ
誤
(
あやま
)
てり
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
こちらを
下
(
さげ
)
すんだやうにそんな體裁のいいことを云ふのは許さない。
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
ひしがるゝとも
覺
(
おぼ
)
え
無事
(
なきこと
)
は申上難く候と言ひ
募
(
つの
)
るにぞ然ば猶後日の調べと
再度
(
さいど
)
一
同
(
どう
)
下
(
さげ
)
られ長庵三次の兩人は又も
獄屋
(
ごくや
)
へ引れける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それはお前に頭を下げるのじゃない、王様に
下
(
さげ
)
るのだ。そんな事を喜んでいるより、俺と一所に来て野原で遊んで見ろ。
猿小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
萠円山人
(著)
それから夜はどうしても寝床の中に寝ないで、王様の馬小屋の藁の中に寝た。その馬は王様を載せるのが自慢で、「自分が通ると、人間が皆頭を
下
(
さげ
)
る」
猿小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
萠円山人
(著)
下
(
さげ
)
扨申されけるは越前
斯
(
かく
)
夜中
(
やちう
)
をも
省
(
かへり
)
みず
推參
(
すゐさん
)
候は天下の御大事に付中納言樣へ御願ひ申上度儀
御座有
(
ござあつ
)
ての儀なり此段御
披露
(
ひろう
)
頼
(
たの
)
み存ずるとぞ
述
(
のべ
)
られたり主税是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“下”を含む語句
上下
下手
下婢
足下
目下
下女
下袴
地下
放下
直下
下流
下々
下男
垂下
閣下
樹下
天下
下僕
御下
見下
...