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順當
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じゆんたう
廢する以上は藤三郎を
家督になすべきは
順當なるを
世評の樣子にては
何うやら主税之助が甚だ
欲情に
關り
自身實子の佐五郎を
其所爲か
經過は
至極順當に
行つたが、どうした
譯か、
是といふ
原因もないのに、
月足らずで
生れて
仕舞つた。
産婆は
首を
傾けて、一
度醫者に
見せる
樣に
勸めた。
今日は二
月の十二
日、
風の
方向は
極めて
順當であるから、
本日輕氣球が
此島を
出發すれば、
印度洋の
大空を
横斷して、
來る十六
日か十七
日には
宗助は
此樂天家の
前では、よく
自分の
過去を
忘れる
事があつた。さうして
時によると、
自分がもし
順當に
發展して
來たら、
斯んな
人物になりはしなかつたらうかと
考へた。
中川
淡路守重高等なり此時
井伊掃部頭發言により松平陸奧守
綱村卿進み
出て申されけるに天下の
御繼子の儀は東照神君
御血筋近き方より
繼せ玉はす事こそ
順當なるべし然れば紀州公は
今自分の
前に
坐つてゐる
叔母は、たつた
一人の
男の
子を
生んで、その
男の
子が
順當に
育つて、
立派な
學士になつたればこそ、
叔父が
死んだ
今日でも、
何不足のない
顏をして
それは
他でも
無い、
今迄は
恰も
天の
恩惠の
如く、
極めて
順當に、
南から
北へと、
吾が
輕氣球をだん/″\
陸地の
方へ
吹き
送つて
居つた
風が、
此時、
俄然として、
東から
西へと
變つた
事である。