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頃日
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このごろ
ふりがな文庫
“
頃日
(
このごろ
)” の例文
貴娘
(
あなた
)
知らんのならお聞きなさい。
頃日
(
このごろ
)
の事ですが、今も云った、坂田礼之進氏が、両国行の電車で、百円ばかり
攫徒
(
すり
)
に
掏
(
や
)
られたです。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頃日
(
このごろ
)
三輪善兵衛と云ふ人が書籍館を起して、わたくしに古医書を寄附せむことを求めた。わたくしは旧蔵の書籍を出して整理した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
頃日
(
このごろ
)
亡くなつたベルジツク文壇の
耆宿
(
きしゆく
)
カミイユ・ルモンニエエの小説を訳したのは、これが始ではあるまいか。或は此前にあるかも知れぬが、己は見ない。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
私は
頃日
(
このごろ
)
、
馬琴
(
ばきん
)
翁の日記を読返して見て感じたのは、あの文人が八十歳にもなり、盲目にもなっていながら、著作を捨てなかった一生が、女史のそれと同様に
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
フロルスは
頃日
(
このごろ
)
逃亡した奴隷が監獄の中に入れられてゐはせぬか、捜して見たいと要求したのである。
フロルスと賊と
(新字旧仮名)
/
ミカイル・アレクセーヴィチ・クスミン
(著)
▼ もっと見る
頃日
(
このごろ
)
は
拿破里
(
ナポリ
)
に往きて、客に題をたまはりて、即座に歌作りて
謳
(
うた
)
はんと志したり。斯く語るついでに、われはこたび身を以て逃れたる事のもとさへ、包み
藏
(
かく
)
さずして告げぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
武家
(
ぶけ
)
に在ては國家の
柱石
(
ちうせき
)
商家
(
しやうか
)
で申さば
白鼠
(
しろねずみ
)
なる番頭久八は
頃日
(
このごろ
)
千太郎の
容子
(
ようす
)
不審
(
いぶかし
)
しと
心意
(
こゝろ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
頃日
(
このごろ
)
米国禁鉄となってから、一粒の鉄砂も
麁末
(
そまつ
)
にならぬような話を承る、ふとした事から多大の国益が拡がった例多ければ、妓家の黒壁が邦家の慶事を
啓
(
ひら
)
かぬにも限らぬと存じ
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
○さるほどに
夫
(
をつと
)
は
先
(
さき
)
に立
妻
(
つま
)
は
後
(
あと
)
にしたがひゆく。をつとつまにいふ、
今日
(
けふ
)
は
頃日
(
このごろ
)
の
日和
(
ひより
)
也、よくこそおもひたちたれ。
今日
(
けふ
)
夫婦
(
ふうふ
)
孫
(
まご
)
をつれて
来
(
きた
)
るべしとは
親
(
おや
)
たちはしられ玉ふまじ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
...
他
(
かれ
)
頃日
(
このごろ
)
はわれ
曹
(
ら
)
に
狎
(
なず
)
みて、いと
忠実
(
まめやか
)
に
傅
(
かしず
)
けば、そを無残に殺さんこと、情も知らぬ
無神狗
(
やまいぬ
)
なら知らず、
苟
(
かり
)
にも義を知るわが
們
(
ともがら
)
の、
作
(
な
)
すに忍びぬ処ならずや」「
実
(
まこと
)
に御身がいふ如く、 ...
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
會
(
くわい
)
の
名
(
な
)
は——
會費
(
くわいひ
)
が
九圓九十九錢
(
きうゑんきうじふきうせん
)
なるに
起因
(
きいん
)
する。
震災後
(
しんさいご
)
、
多年
(
たねん
)
中絶
(
ちうぜつ
)
して
居
(
ゐ
)
たのが、
頃日
(
このごろ
)
區劃整理
(
くくわくせいり
)
に
及
(
およ
)
ばず、
工事
(
こうじ
)
なしに
復興
(
ふくこう
)
した。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これは
頃日
(
このごろ
)
公にせられた大日本古文書に見えてゐる米使アダムスとの交渉で、武鑑に政義の名を再び浦賀奉行として記してゐる間の事である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
併し此
瑣事
(
さじ
)
が僕の心の安寧と均衡とを奪ふのである。
苟
(
いやし
)
くも威厳を保つて行かうとする人間の棄て難い安寧と均衡とが奪はれるのである。
頃日
(
このごろ
)
僕は一人の卑しい男に
邂逅
(
かいこう
)
した。
フロルスと賊と
(新字旧仮名)
/
ミカイル・アレクセーヴィチ・クスミン
(著)
頭痛が治った意趣返しをやらにゃならぬと
怪
(
け
)
しからぬ考えを起し、蛇を尋ねておかげで己の病は治ったが
頃日
(
このごろ
)
忘れいた蛇の頭痛療法を
憶
(
おも
)
い出したと語り、蛇に懇請されてそれなら教えよう
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
なし候儀
無念
(
むねん
)
止時
(
やむとき
)
なく右人殺しの本人
搜索
(
たづね
)
出し夫の惡名
相雪
(
あひそゝ
)
ぎ申度心
懸居
(
がけをり
)
候處私し
元
(
もと
)
住居麹町に於て懇意に仕つり候忠兵衞と申者
頃日
(
このごろ
)
不※
(
ふと
)
私し方へ
罷
(
まか
)
り
越
(
こし
)
種々
(
しゆ/″\
)
話しの手續きより忠兵衞申
聞
(
きか
)
せ
呉
(
くれ
)
候には先年札の辻の人殺しは村井長庵こそ
怪
(
あや
)
しけれと
口走
(
くちばし
)
り候まゝ
猶
(
なほ
)
其
(
そ
)
の
實情
(
じつじやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此書の下巻は未刊行のものださうで、
頃日
(
このごろ
)
箕山さんは蘭軒の伝を稿本中より抄出してわたくしに
寄示
(
きし
)
してくれたのである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「別に、一大事に関して早瀬は父様の
許
(
とこ
)
へ、
頃日
(
このごろ
)
に参った事はないですかね。
或
(
あるい
)
は何か貴娘、聞いた事はありませんか。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ようやく
頃日
(
このごろ
)
『皇大神宮参詣順路図会』を
繙
(
ひもと
)
くと、
二見浦
(
ふたみのうら
)
の東
神前
(
みさき
)
の東北海中に七島あり
阿波良岐
(
あはらき
)
島という、また
毛无
(
けなし
)
島とてまるで巌で草木なき島あり、合せて八島
相
(
あい
)
聯
(
つら
)
なる、『内宮年中行事記』に
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
頃日
(
このごろ
)
高橋邦太郎さんに聞けば、文士芥川龍之介さんは香以の親戚だそうである。もし芥川氏の手に
藉
(
よ
)
ってこの稿の
謬
(
あやまり
)
を
匡
(
ただ
)
すことを得ば幸であろう。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
頃日
(
このごろ
)
聞
(
き
)
く——
當時
(
たうじ
)
、
唯一
(
ゆいつ
)
の
交通機關
(
かうつうきくわん
)
、
江戸
(
えど
)
三度
(
さんど
)
と
稱
(
とな
)
へた
加賀藩
(
かがはん
)
の
飛脚
(
ひきやく
)
の
規定
(
さだめ
)
は、
高岡
(
たかをか
)
、
富山
(
とやま
)
、
泊
(
とまり
)
、
親不知
(
おやしらず
)
、
五智
(
ごち
)
、
高田
(
たかだ
)
、
長野
(
ながの
)
、
碓氷峠
(
うすひたうげ
)
を
越
(
こ
)
えて、
松井田
(
まつゐだ
)
、
高崎
(
たかさき
)
、
江戸
(
えど
)
の
板橋
(
いたばし
)
まで
下街道
(
しもかいだう
)
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これまでもストリンドベルクは本物の気違になりはすまいかと云われたことが度々あるが、
頃日
(
このごろ
)
また少し怪しくなり掛かっている。いずれも危険である。
沈黙の塔
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
神戸にある知友、西本氏、
頃日
(
このごろ
)
、
摂津国摩耶山
(
せっつのくにまやさん
)
の絵葉書を送らる、その
音信
(
おとずれ
)
に
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは
五百
(
いお
)
が抽斎に聞き、保さんが五百に聞いた所を、
頃日
(
このごろ
)
保さんがわたくしのために筆に
上
(
のぼ
)
せたのである。わたくしは今
漫
(
みだり
)
に潤削を施すことなしに、これを
此
(
ここ
)
に収めようと思う。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
珍しく
朝凪
(
あさな
)
ぎして、そのまま
穏
(
おだや
)
かに一日暮れて……空はどんよりと曇ったが、底に
雨気
(
あまげ
)
を持ったのさえ、
頃日
(
このごろ
)
の埃には、もの
和
(
やわら
)
かに
視
(
なが
)
められる……じとじととした雲一面、星はなけれど宵月の
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頃日
(
このごろ
)
僕の書く物の総ては、神聖なる評論壇が、「上手な落語のようだ」と云う紋切形の一言で
褒
(
ほ
)
めてくれることになっているが、
若
(
も
)
し今度も同じマンション・オノレエルを頂戴したら
心中
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
落度があればそれッきり、まことに
頃日
(
このごろ
)
の様子では、内々じゃ
持扱
(
もてあつか
)
って、私の落度を捜しているかも知れませんもの。大一座ででもあるなら知らず、差向いでは、
串戯
(
じょうだん
)
も思切っては言えませんわ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頃日
(
このごろ
)
珍書刊行会が『
後昔物語
(
のちはむかしものがたり
)
』を刊したのを見るに、抽斎の
奥書
(
おくがき
)
がある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
父さんはね、それにね、
頃日
(
このごろ
)
は、家族主義の事に就いて、ちっと纏まった著述をするんだって、母屋に
閉籠
(
とじこも
)
って、時々は、何よ、一日蔵の中に入りきりの事があってよ。蔵には書物が一杯ですから。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「勿論かさねまして、
頃日
(
このごろ
)
に。——では、失礼。」
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頃
常用漢字
中学
部首:⾴
11画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“頃日”で始まる語句
頃日来