降参こうさん)” の例文
旧字:降參
やれやれ、こんなお馬鹿さんには全く降参こうさんだよ。他人に言っていいこととわるいこととの見境みさかいがちっともつかないんだからなあ。
すると為朝ためともしたがえられた大名だいみょうたちは、うわべは降参こうさんしたていせかけながら、はらの中ではくやしくってくやしくってなりませんでした。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
さあ、そういう星に来られては、われわれはちえも力もよわくて、その星人せいじん降参こうさんしなければならないかもしれない。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
防衛軍ぼうえいぐんの主力がいないことはたしかですが、といって、るす部隊ぶたいたたかいもしないで降参こうさんするとは考えられません。
「おい、もう一やろう、今度こんどけたら、降参こうさんするよ。」と、酒屋さかや小僧こぞうさんは、いいました。おじいさんは
日の当たる門 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三の強藩に敵するの勇気なく、勝敗をもこころみずして降参こうさんしたるものなれば、三河武士みかわぶしの精神にそむくのみならず、我日本国民に固有こゆうする瘠我慢やせがまんの大主義をやぶ
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「いいかげんに降参こうさんしてしまえ。そしてこの鷲をおいらに返してしまえ。そしたらいのちだけは助けてやる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
皇后の軍勢は、その大海嘯と入れちがいに、息もつかせずうわあッとめこみました。すると新羅しらぎの王はすっかりおそれちぢこまって、すぐに降参こうさんしてしまいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
もう一人の負傷者は、声を絞って降参こうさんの意を表した。人々は攻撃を中止して、それでも万一の不意打ちに備えてじゅうぶん用心しながら、声のするほうへ接近して行った。
チャアリイは何処にいる (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
しかし中途で降参こうさんしたら、落第するにきまってるから、我慢に我慢を重ねて、ここまで来たようなものの、内心ではその内もうどん底へ行き着くだろうくらいの目算はあった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ともはわざわざ休暇きゅうかって、かく自分じぶんとも出発しゅっぱつしたのではいか。ふか友情ゆうじょうによってではいか、親切しんせつなのではいか。しかしじつにこれほど有難迷惑ありがためいわくのことがまたとあろうか。降参こうさんだ、真平まっぴらだ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あらゆる罪悪の行われたのち、とうとう鬼の酋長しゅうちょうは、命をとりとめた数人の鬼と、桃太郎の前に降参こうさんした。桃太郎の得意は思うべしである。鬼が島はもう昨日きのうのように、極楽鳥ごくらくちょうさえずる楽土ではない。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
降参こうさんするならゆるしてやろう」と三年がいった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「先生、僕も降参こうさんです」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
降参こうさんだ、降参だ。」
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
「そこにいるのは八郎はちろうだな。にいさんにかってゆみをひくやつがあるか。はやく弓矢ゆみやして降参こうさんしないか。」
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
当時決死けっしの士を糾合きゅうごうして北海の一隅いちぐうに苦戦を戦い、北風きそわずしてついに降参こうさんしたるは是非ぜひなき次第しだいなれども、脱走だっそうの諸士は最初より氏を首領しゅりょうとしてこれをたの
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
こう大将たいしょうは、とても正当せいとうちからではおつ軍勢ぐんぜいふせぐことができない、そうして降参こうさんしなければならないとおもいましたから、これはなにか策略さくりゃくめぐらして、おつ兵隊へいたい
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ちぇッ——強情ごうじょうなやつだ、降参こうさんしろ、降参しろ! まいったといわないうちは、こうしてくれる!」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今夜どういうものか機嫌が悪くて、いささか持てあましていたマタ・アリが、急に天候回復して少女のようにねだりだしたのだから、彼は、カイゼルが降参こうさんしたように嬉しかったのだろう。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
伊佐比宿禰いさひのすくね降参こうさんをしました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
さるかおっかかれたといっては、おいおいして、てつぼうなにもほうりして、降参こうさんしてしまいました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
氏のめに苦戦し氏のめに戦死したるに、首領にして降参こうさんとあれば、たとい同意の者あるも、不同意の者はあたかも見捨てられたる姿にして、その落胆らくたん失望しつぼうはいうまでもなく
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さあ、今度こんどこそ大相撲おおずもうです。一人ひとりふとってちからあまっているし、一人ひとりは、ければはじになるだけでなく、いよいよ降参こうさんしなければなりません。どうしてもけられない一ばんです。
日の当たる門 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そんなことをされては降参こうさんも同然で、まるで犯罪を助長するようなものだ。
チャアリイは何処にいる (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
降参こうさんします、降参こうさんします。いのちだけはおたすください。そのわりに宝物たからものをのこらずさしげます。」
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「いいか、今度こんどけたら降参こうさんするんだぜ。」
日の当たる門 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうだ、降参こうさんしておれの家来けらいになるか。」
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
とうとう、こう一は、降参こうさんしました。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「はい、降参こうさんします。御家来ごけらいになります。」
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「どうだ、これでも降参こうさんしないか。」
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)