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遮
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さへ
ふりがな文庫
“
遮
(
さへ
)” の例文
然るに各藩の執政者にして
杞憂
(
きいう
)
ある者は法を厳にし、戒を
布
(
し
)
きて、以て風俗の狂瀾を
遮
(
さへ
)
ぎり止めんと試みけれども、遂に
如何
(
いかん
)
ともする能はず。
粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
視野を
遮
(
さへ
)
ぎるのは長崎屋の巨大な
棟
(
むね
)
、——その下には、百萬の富を護るために抱へて置くといふ、二人の浪人者の住んでゐる
離屋
(
はなれ
)
も見えます。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから一
時間
(
じかん
)
すると、
大地
(
だいち
)
を
染
(
そ
)
める
太陽
(
たいやう
)
が、
遮
(
さへ
)
ぎるものゝない
蒼空
(
あをぞら
)
に
憚
(
はゞか
)
りなく
上
(
のぼ
)
つた。
御米
(
およね
)
はまだすや/\
寐
(
ね
)
てゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
目
(
め
)
に
遮
(
さへ
)
ぎるは
月
(
つき
)
を
追
(
お
)
ひ
日
(
ひ
)
に
隨
(
したが
)
ひて
艶
(
ゑん
)
いよ/\
艶
(
ゑん
)
ならんとする
雨後春山
(
うごしゆんざん
)
の
花
(
はな
)
の
顏
(
かほばせ
)
、
妍
(
けん
)
ます/\
妍
(
けん
)
ならんとする三五
夜
(
や
)
中
(
ちう
)
の
月
(
つき
)
の
眉
(
まゆ
)
いと
子
(
こ
)
が
容姿
(
ようし
)
ばかりなり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼が泣き聲で「あのジエィン・エアの畜生」がまるで
氣狂
(
きちが
)
ひ猫のやうに自分に飛びついたんだと話し始めるのが聞えた。が、彼はむしろ荒つぽく
遮
(
さへ
)
ぎられた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
そして、見る/\、義雄の歸りさきを
遮
(
さへ
)
ぎつて、一間さきが見えないほどに降り出した。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
ここを以ちて
番
(
ほ
)
の
仁岐
(
ににぎ
)
の命、初めて
高千
(
たかち
)
の
巓
(
たけ
)
に
降
(
あも
)
り
八
、
神倭
(
かむやまと
)
の
天皇
(
すめらみこと
)
九
、秋津島に經歴したまひき。化熊川より出でて、天の劒を高倉に獲、生尾
徑
(
こみち
)
を
遮
(
さへ
)
きりて、大き烏吉野に導きき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
未見
(
みち
)
の境を旅するといふ感じは、
犇々
(
ひし/\
)
と私の胸に迫つて來た。空は低く曇つてゐた。目を
遮
(
さへ
)
ぎる物もない曠野の處々には人家の屋根が見える。名も知らぬ
灌木
(
くわんぼく
)
の叢生した
箇處
(
ところ
)
がある。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
森林
(
しんりん
)
でおほはれてゐる
土地
(
とち
)
は、
日光
(
につこう
)
は
枝葉
(
えだは
)
で
遮
(
さへ
)
ぎられて、
地面
(
じめん
)
を
温
(
あたゝ
)
めることが
少
(
すくな
)
いのと、もう
一
(
ひと
)
つは、
日光
(
につこう
)
が
直射
(
ちよくしや
)
によつて
葉
(
は
)
の
面
(
めん
)
の
水分
(
すいぶん
)
が
蒸發
(
じようはつ
)
するときに、
多量
(
たりよう
)
の
潜熱
(
せんねつ
)
を
必要
(
ひつよう
)
とします。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
お
品
(
しな
)
はそれから
劇烈
(
げきれつ
)
な
發作
(
ほつさ
)
に
遮
(
さへ
)
ぎられてもういはなかつた。
突然
(
とつぜん
)
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と、娘が何か云ひ返さうとするのを
遮
(
さへ
)
ぎつて
けむり(ラヂオ物語)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「そりや
私
(
わたくし
)
のことだから
少
(
すこ
)
しは道楽もしますが……」と云ひかけた。
父
(
ちゝ
)
はすぐ
夫
(
それ
)
を
遮
(
さへ
)
ぎつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
借金
(
しやくきん
)
でも
何
(
なん
)
でもして、
行
(
ゆ
)
ける
所
(
ところ
)
迄
(
まで
)
行
(
ゆ
)
きたいが、
何
(
なに
)
か
好
(
い
)
い
工夫
(
くふう
)
はあるまいかと
相談
(
さうだん
)
を
掛
(
か
)
けるので、
安之助
(
やすのすけ
)
はよく
宗
(
そう
)
さんにも
話
(
はな
)
して
見
(
み
)
やうと
答
(
こた
)
へると、
小六
(
ころく
)
は
忽
(
たちま
)
ちそれを
遮
(
さへ
)
ぎつて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今迄
向
(
むか
)
ひ合せに言葉を
換
(
かは
)
してゐた広田先生と庄司といふ教授は、
二人
(
ふたり
)
の応答を途中で
遮
(
さへ
)
ぎる事を恐れて、談話をやめた。其他の人もみんな
黙
(
だま
)
つた。会の中心点が始めて出来
上
(
あが
)
つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
驚
(
おど
)
ろいた。けれども
話
(
はなし
)
の
途中
(
とちゆう
)
を
遮
(
さへ
)
ぎる
譯
(
わけ
)
に
行
(
ゆ
)
かなかつたので、
默
(
だま
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は少々平岡が
小憎
(
こにくら
)
しくなつたので、突然中途で相手を
遮
(
さへ
)
ぎつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
遮
常用漢字
中学
部首:⾡
14画
“遮”を含む語句
遮莫
遮断
盧遮那仏
遮二無二
遮切
盧遮那
廬遮那
遮蔽
遮那王
遮斷
廬遮那仏
大毘盧遮那加持経
無遮
遮光
遮而
阿毘遮魯迦
電路遮断器
遮欄
遮水管
遮絶
...