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這出
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はひだ
見えますとも、
乾溝の
背後がずらりと
垣根で、
半分折れた
松の
樹の
大な
根が
這出して
居ます。
其前に、
束ねた
黒土から
蒸氣の
立つやうな
形で
居るんですよ。
狹い柳町の通は、
造兵歸の職工で、
煑くり返るやうである。
軒燈が
徐々雨の中から光出して、暖かい煙の
這出して來る
飯屋の
繩暖簾の前には、
腕車が幾臺となく置いてある。
ヤー
這出して竹の皮を
広げやアがつた、アレ
丈悉皆喰つちまうのか知ら。
「何だ、又
調練場から小蛇でも
這出して來たのかい」
凄じい
虫の
唸、
軈て
取つて
返した
左の
手に
熊蜂が七ツ八ツ、
羽ばたきをするのがある、
脚を
揮ふのがある、
中には
掴んだ
指の
股へ
這出して
居るのがあツた。
堪らねえ、
去年の
沙魚の
乾からびた
頭ばかり、
此にも
妄念があると
見えて、
北を
向いて
揃つて
口を
開けて
居ら。
蕨を
胴につけてうよ/\と
這出しさうだ、ぺつ/\。
譬ひ
這出した
処でぬら/\と
遣られては
凡そ五
分間位は
尾を
出すまでに
間があらうと
思ふ
長虫と
見えたので
已むことを
得ず
私は
跨ぎ
越した、
途端に
下腹が
突張つてぞツと
身の
毛
首を
締めて
殺さば
殺せで、
這出すやうに
頭を
突附けると、
真黒に
成つて
小山のやうな
機関車が、づゝづと
天窓の
上を
曳いて
通ると、
柔いものが
乗つたやうな
気持で、
胸がふわ/\と
浮上つて