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はひだ
「何だ、又
調練場から小蛇でも
這出して來たのかい」
凄じい
虫の
唸、
軈て
取つて
返した
左の
手に
熊蜂が七ツ八ツ、
羽ばたきをするのがある、
脚を
揮ふのがある、
中には
掴んだ
指の
股へ
這出して
居るのがあツた。
堪らねえ、
去年の
沙魚の
乾からびた
頭ばかり、
此にも
妄念があると
見えて、
北を
向いて
揃つて
口を
開けて
居ら。
蕨を
胴につけてうよ/\と
這出しさうだ、ぺつ/\。