ころが)” の例文
新字:
それからまたはこころがしたやうな、へだての障子しやうじさへちひさないへをんなをとこみちびくとて、如何どうしても父母ちゝはゝ枕元まくらもとぎねばらぬとき
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
小使こづかひのニキタはあひかはらず、雜具がらくたつかうへころがつてゐたのであるが、院長ゐんちやうはひつてたのに吃驚びつくりして跳起はねおきた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
たてかけしかさのころころところががりいづるを、いま/\しいやつめと腹立はらたたしげにいひて、取止とりとめんとばすに、ひざせてきし小包こづゝ意久地いくぢもなくちて、風呂敷ふろしきどろ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あるひはすななかころがつてゐる金屬きんぞくなどをり、つひにはそれを使用しようするようになつてました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ピソライトといふすゞめたまごのようなものが、火山灰かざんばひなかころがつてゐることがある。これは雨粒あめつぶ火山灰かざんばひうへころがつて出來できたものにぎないのである。火山かざんはまたどろ噴出ふんしゆつすることがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
下駄げたとほくへばされたり、ころがつたり、紙包かみづゝみもちおとしたりしてこゑあひまじつた。彼等かれらにはへおりてからおもむろにかみひらいて小豆飯あづきめしつまんでべた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
土手を斜に削つた坂には高瀬船へ積み込む米俵が順序よくころがされつゝある。あたりには土管やら空な酒樽やら雜多の物品が廻漕店の庭へ續いて土手の往來を狹くして居る。
おふさ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
らそれから、喧嘩けんくわぢやけたこたねえだよ、野郎やらうなんだつちうちにやるか、ころがすかだな、ごろりころがつたところ爪先つまさきくびすつてかうぐる/\まあすとどうだえけ野郎やらうでもきらんねえだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)