トップ
>
足軽
>
あしがる
ふりがな文庫
“
足軽
(
あしがる
)” の例文
旧字:
足輕
この門番は旧来
足軽
(
あしがる
)
の職分たりしを、要路の者の考に、足軽は
煩務
(
はんむ
)
にして徒士は無事なるゆえ、これを代用すべしといい、この考と
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
俺は近ごろ
足軽
(
あしがる
)
というものの
髯
(
ひげ
)
づらを眺めていて
恍惚
(
こうこつ
)
とすることがある。あの無智な力の美しさはどうだ。
宗湛
(
そうたん
)
もよい
蛇足
(
じゃそく
)
もよい。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
なぜといえば、天主閣は、明治の新政府に参与した
薩長土肥
(
さっちょうどひ
)
の
足軽
(
あしがる
)
輩に理解せらるべく、あまりに大いなる芸術の作品であるからである。
松江印象記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そのあとについて、八、九人の
足軽
(
あしがる
)
と十数名の
人夫
(
にんぷ
)
たちが、
斧
(
おの
)
や、
鉞
(
まさかり
)
や、
木槌
(
きづち
)
などをかついで、なにかザワザワと話しながら歩いてゆく。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
広い玄関の上段には、役人の
年寄
(
としより
)
、
用人
(
ようにん
)
、
書役
(
かきやく
)
などが居並び、式台のそばには
足軽
(
あしがる
)
が四人も控えた。村じゅうのものがそこへ呼び出された。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
唯
(
と
)
、仰いで見るうちに、数十人の
番士
(
ばんし
)
、
足軽
(
あしがる
)
の左右に
平伏
(
ひれふ
)
す関の中を、二人何の苦もなく、うかうかと通り抜けた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『樵談治要』のなかに彼は「
足軽
(
あしがる
)
」の徹底的禁止を論じている。足軽は応仁の乱から生じたものであるが、これは暴徒にほかならない。下剋上の現象である。
埋もれた日本:――キリシタン渡来文化前後における日本の思想的情況――
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
「よし、そんなら
撃
(
う
)
ってみる」と言って、甚五郎は信康の前に出て許しを
請
(
こ
)
うた。信康は興ある事と思って、
足軽
(
あしがる
)
に持たせていた
鉄砲
(
てっぽう
)
を取り寄せて甚五郎に
渡
(
わた
)
した。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
陸軍大将
(
りくぐんたいしょう
)
になった
本間
(
ほんま
)
さんなんか三人
扶持
(
ぶち
)
の
足軽
(
あしがる
)
だった。実業界ではばをきかしている
綾部
(
あやべ
)
さんがせいぜい五十石さ。
溝口
(
みぞぐち
)
の
叔母
(
おば
)
さんのところが七十石。おまえのお
母
(
かあ
)
さんの里が百石
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
日蔭者の身で
平侍
(
ひらざむらい
)
や
足軽
(
あしがる
)
どもを相手に腕を腐らせていたのみで、退くとも進むはずはあるまいが、さりとて世間並みの剣客や師範に劣ろうとは思わない、ここの先生はどれほどの人か知らん
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その
足軽
(
あしがる
)
島田
惣之助
(
そうのすけ
)
は舞袖事たき十九歳、同じく西村新三郎は歌扇事かね二十歳という娼妓を買いなじみ、たきは夫婦約束、かねは身請けされて親元に
在
(
い
)
たところ、十二年十月男二人とも出立に付き
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
伊三郎の妻は同藩の
足軽
(
あしがる
)
村松某の女で
容貌
(
ようぼう
)
がよかった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
俺は近ごろ
足軽
(
あしがる
)
といふものの
髯
(
ひげ
)
づらを眺めてゐて
恍惚
(
こうこつ
)
とすることがある。あの無智な力の美しさはどうだ。
宗湛
(
そうたん
)
もよい
蛇足
(
じゃそく
)
もよい。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
立ちふさがる
侍
(
さむらい
)
や
足軽
(
あしがる
)
を、
二振
(
ふたふ
)
り三振り
鉄杖
(
てつじょう
)
でたたき
伏
(
ふ
)
せて、
加賀見忍剣
(
かがみにんけん
)
は
夜叉
(
やしゃ
)
のように、
奉行小屋
(
ぶぎょうごや
)
の
奥
(
おく
)
へおどりこんでいった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄砲を
足軽
(
あしがる
)
に任せて置くと云うのは大間違いと云うその説が中津に流行して、士族中の有志者は数学に心を寄せる人が多い。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
徒士目付
(
かちめつけ
)
三人、
書役
(
かきやく
)
一人
(
ひとり
)
、歩兵斥候三人、おのおの一人ずつの小者を連れて集まって来ている。
足軽
(
あしがる
)
の
小頭
(
こがしら
)
と
肝煎
(
きもいり
)
の率いる十九人の組もいる。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
加番は各
物頭
(
ものがしら
)
五人、
徒目付
(
かちめつけ
)
六人、
平士
(
ひらざむらひ
)
九人、
徒
(
かち
)
六人、
小頭
(
こがしら
)
七人、
足軽
(
あしがる
)
二百二十四人を
率
(
ひき
)
ゐて入城する。其内に
小筒
(
こづゝ
)
六十
挺
(
ちやう
)
弓二十
張
(
はり
)
がある。又
棒突足軽
(
ぼうつきあしがる
)
が三十五人ゐる。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
足軽
(
あしがる
)
でしょうか?」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「たしかに、そういないこととぞんじます。その
刑場
(
けいじょう
)
をつくる
足軽
(
あしがる
)
のはなしや、またお
小姓
(
こしょう
)
のいったこともみなピッタリと、合っております」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父の身分はヤット藩主に
定式
(
じょうしき
)
の謁見が出来ると
云
(
い
)
うのですから
足軽
(
あしがる
)
よりは数等
宜
(
よろ
)
しいけれども士族中の下級、今日で云えば
先
(
ま
)
ず判任官の家でしょう。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今までは
只
(
ただ
)
おぞましい
怖
(
おそろ
)
しいとのみ思っておりました
足軽
(
あしがる
)
衆の
乱波
(
らっぱ
)
も、
土一揆
(
つちいっき
)
衆の乱妨も
檀林巨刹
(
だんりんきょさつ
)
の炎上も、おのずと別の
眼
(
まなこ
)
で眺めるようになって参ります。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
もっとも、福島からは四人の
足軽
(
あしがる
)
が付き添って来たが、二十二人ともに残らず
腰繩
(
こしなわ
)
手錠であった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
同行者は松本
甲子蔵
(
きねぞう
)
であった。甲子蔵は後に
忠章
(
ちゅうしょう
)
と改称した。父を
庄兵衛
(
しょうべえ
)
といって、
素
(
もと
)
比良野
貞固
(
さだかた
)
の父文蔵の若党であった。文蔵はその
樸直
(
ぼくちょく
)
なのを愛して、津軽家に
薦
(
すす
)
めて
足軽
(
あしがる
)
にしてもらった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
足軽
(
あしがる
)
の家に生れた者は足軽になり、先祖代々、家老は家老、足軽は足軽、その
間
(
あいだ
)
に
挟
(
はさ
)
まって居る者も同様、何年経ても
一寸
(
ちょい
)
とも変化と
云
(
い
)
うものがない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今までは
只
(
ただ
)
おぞましい
怖
(
おそろ
)
しいとのみ思つてをりました
足軽
(
あしがる
)
衆の
乱波
(
らっぱ
)
も、
土一揆
(
つちいっき
)
衆の乱妨も
檀林巨刹
(
だんりんきょさつ
)
の炎上も、おのづと別の
眼
(
まなこ
)
で眺めるやうになつて参ります。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
足軽
(
あしがる
)
仲間
(
ちゅうげん
)
などの屋敷者相手と見えて、
麹町
(
こうじまち
)
の淋しい横町に、まだ一軒の酒売店が起きていた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時節がら、厳重な警戒で、護衛の武士、
足軽
(
あしがる
)
、
仲間
(
ちゅうげん
)
から小道具なぞの供の衆まで入れると二千人からの同勢がその領地を通って、かねて触れ書の回してある十三日には馬籠の宿はずれに着いた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また下等の
中小姓
(
なかごしょう
)
と
足軽
(
あしがる
)
との間にも
甚
(
はなはだ
)
しき区別あれども、足軽が
小役人
(
こやくにん
)
に立身してまた中小姓と
為
(
な
)
るは甚だ
易
(
やす
)
し。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その
暫
(
しばら
)
く前に二三人の
足軽
(
あしがる
)
らしい者が、お庭先へ入っては参りましたが、
青侍
(
あおさぶらい
)
の制止におとなしく引き
退
(
さが
)
りましたので、そのまま気にも留めずにいたのでございます。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
今夜の芸はちと
首賭
(
くびか
)
け仕事であったな。だが、これでまず、殿をうごかす理由は出来たというもの。……何の、羽柴ずれや、黒田らに、別所一族が
足軽
(
あしがる
)
代りに
駆使
(
くし
)
されて
堪
(
たま
)
るものではない。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、
足軽
(
あしがる
)
らしい人の物慣れた調子で
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
暫
(
しばら
)
く前に二三人の
足軽
(
あしがる
)
らしい者が、お庭先へ入つては参りましたが、
青侍
(
あおさぶらい
)
の制止におとなしく引き
退
(
さが
)
りましたので、そのまま気にも留めずにゐたのでございます。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
すなわち上等は儒者、医師、
小姓組
(
こしょうぐみ
)
より
大臣
(
たいしん
)
に至り、下等は
祐筆
(
ゆうひつ
)
、
中小姓
(
なかごしょう
)
(旧厩格)
供小姓
(
ともごしょう
)
、
小役人
(
こやくにん
)
格より
足軽
(
あしがる
)
、
帯刀
(
たいとう
)
の者に至り、その数の割合、上等は
凡
(
およ
)
そ下等の三分一なり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“足軽”の解説
足軽(あしがる)は、平安時代から江戸時代の日本に存在した歩兵の一種。
(出典:Wikipedia)
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
軽
常用漢字
小3
部首:⾞
12画
“足軽”で始まる語句
足軽頭
足軽組
足軽共
足軽笠
足軽脚絆
足軽部屋
足軽鑑札