腰障子こししやうじ)” の例文
つちうへらばつてゐる書類しよるゐ一纏ひとまとめにして、文庫ぶんこなかれて、しもどろよごれたまゝ宗助そうすけ勝手口かつてぐちまでつてた。腰障子こししやうじけて、きよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
があたつてあたたかさうな、あかる腰障子こししやうじうちに、前刻さつきからしづかにみづ掻𢌞かきまは氣勢けはひがしてたが、ばつたりといつて、下駄げたおと
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其所そこにも摺硝子すりがらすまつた腰障子こししやうじが二まいててあつた。なかでは器物きぶつあつかおとがした。宗助そうすけけて、瓦斯七輪ガスしちりんいたいた蹲踞しやがんでゐる下女げぢよ挨拶あいさつをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
むかうて筋違すぢつかひかどから二軒目けんめちひさなやなぎが一ぽんひくえだのしなやかにれた葉隱はがくれに、一間口けんぐちまい腰障子こししやうじがあつて、一まいには假名かな、一まいには眞名まな豆腐とうふいてある。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……くと、腰障子こししやうじの、すぐなかで、ばちや/\、ばちやり、ばちや/\とおとがする。……
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
御米およね其時そのときもうかまちからけてゐた。すぐ腰障子こししやうじけるおとがした。宗助そうすけそのおとおくつて、たつた一人ひとり火鉢ひばちまへすわつて、はひになるすみいろながめてゐた。かれあたまには明日あしたまるうつつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あきなひ留守るすの、晝過ひるすぎしんとして、やなぎかげ腰障子こししやうじまつてる、したみせまへから入口いりくちけて、くぼむだ、泥濘ぬかるみめるため、一面いちめん貝殼かひがらいてある、しろいの、半分はんぶんくろいの、薄紅うすべに
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)