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看破
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みやぶ
ふりがな文庫
“
看破
(
みやぶ
)” の例文
白「道徳高き名僧智識は百年先の事を
看破
(
みやぶ
)
るとの事だが、
貴僧
(
あなた
)
の御見識誠に恐れ入りました、
就
(
つ
)
きまして
私
(
わたくし
)
が済まない事が出来ました」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
翌る朝、草川巡査に報告に行った時には、まさかこんな田舎の駐在所に居る
屁
(
へ
)
ッポコ巡査に、
看破
(
みやぶ
)
られるような心配はあるまい。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一人大岡越前守のみ夫が
邪曲
(
じやきよく
)
を
窺
(
うかゞ
)
ひ
知
(
しり
)
身命
(
しんめい
)
を
投打
(
なげうち
)
て
既往
(
きわう
)
今來
(
こんらい
)
を尋ね遂に
奸計
(
かんけい
)
を
看破
(
みやぶ
)
つて
處刑
(
しよけい
)
せしといふ
有名
(
いうめい
)
の談話にて
斯
(
かゝ
)
る奸物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そうして、政吉は昨夜どこへも行かないと
顫
(
ふる
)
え声で申し立てた。そのおどおどしている様子で、半七はそれが嘘であることをすぐ
看破
(
みやぶ
)
った。
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「だがな、八。俺にも隱してある役札がもう一枚あるよ。それは、大した事ぢやないが、お玉は女ぢやないと
看破
(
みやぶ
)
つたことさ」
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
素性
(
すじょう
)
を
看破
(
みやぶ
)
られ、数日に
亙
(
わた
)
る執拗な追跡に、
最早
(
もはや
)
逃亡の気力も失せたので、博士に手柄を立てさせるよりは、自ら一命を絶つ決心をしたのだ。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
若い時分から勤王家の運動に心を寄せていることを家中のだれよりも先に
看破
(
みやぶ
)
ったくらいのおまんだから、今さら半蔵がなすべきことをなして
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
婢
(
おんな
)
たちは、目が高いと言っていいか、低いと言っていいか、主水之介をそれと
看破
(
みやぶ
)
って成田屋、おいらん、二人が取巻きの川涼みと思ったらしく
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
なお
心耳
(
しんじ
)
のある名将となると、いかに
上手
(
じょうず
)
が吹いても、敵の
詐
(
さ
)
を
看破
(
みやぶ
)
り、虚実を察し、
鋭鈍
(
えいどん
)
を
量
(
はか
)
り、決して、その耳を
詐
(
あざむ
)
くことはできないという。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
畜生、小僧め、
看破
(
みやぶ
)
ったなあ、もうこうなれば何も
彼
(
か
)
もぶちまけてやる。
己
(
おれ
)
は復讐に来たんだ。サルビヤ号事件では、よくもよくも
己
(
おれ
)
をやっつけたな。
黒襟飾組の魔手
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
福介や、とうとう
鬼唐人
(
きとうじん
)
のからくりを
看破
(
みやぶ
)
ってくれた。ひとを馬鹿にしやがッて、実にどうも飛んでもない野郎だ。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
夫人とお延の間柄を、内面から
看破
(
みやぶ
)
る機会に出会った事のない津田にはまたその言葉を疑う資格がなかった。彼は大体の上で夫人の実意を信じてかかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いまいましき門閥、血統、迷信の土くれと
看破
(
みやぶ
)
りては、わが胸のうちに投げ入るべきところなし。
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それは
詰
(
つま
)
り疑っとるからだ。それに君は君の隣の男の変装を
看破
(
みやぶ
)
る事が出来ない。詰り信じとるからだ。信じているのと疑っているのと程、結果に影響するものは少いな。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
拈り廻して「何にしても此青い封蝋が大変な手掛りだ何うかして
看破
(
みやぶ
)
らねば」との声を洩せり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
なるほどそこにはジャヴェルと、自分を知ってる古い囚徒のブルヴェー、シュニルディユー、コシュパイユがいるだろう。しかし確かに彼らは自分を
看破
(
みやぶ
)
ることはできまい。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
私はどんなに気取ってみたところで必ず
看破
(
みやぶ
)
られるにきまっている。それこそ、
尨犬
(
むくいぬ
)
の正体見たり小悪魔、ということになり、私は足蹴にされるかも知れない。大学生は鬼門である。
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
そうして見ると、私の嘘は
看破
(
みやぶ
)
られたのではなかった。が、お前のそういう誤解が、私を苦しめたのは、それ以上だった。むしろ、そんな薄情な
奴
(
やつ
)
になるより、嘘つきになった方がましだ。
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
お前に
看破
(
みやぶ
)
られるかと思って、ずいぶん用心したよ。お前が手紙の封をきったことも、鍵穴から
覗
(
のぞ
)
いていたこともよく知っていたさ。この効果を見るために僕は四十日間狂言をしていたんだ
オパール色の手紙:――ある女の日記――
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
玄鶴は彼の計画も甲野の為に
看破
(
みやぶ
)
られたのを感じた。が、ちょっと
頷
(
うなず
)
いたぎり、何も言わずに
狸寝入
(
たぬきねい
)
りをした。甲野は彼の枕もとに婦人雑誌の新年号をひろげ、何か読み
耽
(
ふ
)
けっているらしかった。
玄鶴山房
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そのただ一
親戚
(
しんせき
)
なる川島家は富みてかつ未亡人の覚えめでたからざるにもあらざれど、出すといえばおくびも惜しむ
叔母
(
おば
)
の性質を知れる千々岩は、打ち明けて頼めば到底らちの明かざるを
看破
(
みやぶ
)
り
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
あの
天一坊
(
てんいちぼう
)
も、この、またたきもしない眼に
看破
(
みやぶ
)
られたのである。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼は、運転手に、心の中を
看破
(
みやぶ
)
られたような気がした。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ですから万一、今のようなお話をお聞きになった暁には、いつドンナ処から自分の正体を
看破
(
みやぶ
)
られるかわからない。警戒の仕様がないでしょう
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その秘密は半七に
看破
(
みやぶ
)
られたばかりか、あわせて千次郎の秘密までもさらけ出されたので、お登久は急に
口惜
(
くや
)
しくなった。
半七捕物帳:08 帯取りの池
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
マアそう云った理窟じゃねえか。貴様が余計なおせっかいをして、俺の正体を
看破
(
みやぶ
)
ったのが運の尽きというものだ。自業自得と
諦
(
あきら
)
めるがいいのさ。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そう道誉にも
看破
(
みやぶ
)
られていた尊氏の気の弱い顔の暗さは翌日までもつづいていた。どこか体の病症でも感じているのか、物に
憑
(
つ
)
かれた人のようでもあった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
岡見の
口吻
(
くちぶり
)
で見ると、磯子の組の生徒の中には教師としての捨吉を見つめているような
可成
(
かなり
)
冷い鋭い眼が光っている。その眼が先ず捨吉の秘密を
看破
(
みやぶ
)
ったとある。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
マッカレーが真珠塔が欲しいと云うので
之幸
(
これさいわい
)
と、模造品を商会に造らせ、売り込もうとしたがマッカレーに
看破
(
みやぶ
)
られ止むなく宅へ持ち帰ったが、八万円もヒド工面で
造
(
こし
)
らえたので
真珠塔の秘密
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
大「えゝ
疾
(
とう
)
より此の密書が拙者の手に入って居りますが、
余人
(
よじん
)
に見せては相成らんと、貴方の御心中を
看破
(
みやぶ
)
って申し上げます、どうか罪に陥らんようにお取計いを願いとうござる」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
乳房を——いいえ、女である事を
看破
(
みやぶ
)
られましたが運のつき、——その場に
愛
(
いと
)
しい念日様をくくしあげて、
女犯
(
にょぼん
)
の罪を犯した法敵じゃ、大罪人じゃと、むごい
御折檻
(
ごせっかん
)
をなさいますばかりか
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
頭に蝋燭は
戴
(
いたゞ
)
かねど見る人毎を呪うとは恐ろしくも忌わしき職業なり立派と云う所を云えば斯くまで人に憎まるゝを厭わず悪人を
看破
(
みやぶ
)
りて其種を尽し以て世の人の安きを計る
所謂
(
いわゆる
)
身を殺して仁を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
いまいましき門閥、血統、迷信の土くれと
看破
(
みやぶ
)
りては、我胸の中に投入るべきところなし。いやしき恋にうき身
窶
(
やつ
)
さば、姫ごぜの恥ともならめど、この
習慣
(
ならわし
)
の
外
(
と
)
にいでむとするを誰か支ふべき。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
序
(
ついで
)
にこの船の秘密を
看破
(
みやぶ
)
ってやれという気になってここまで降りて来たのは、いい度胸だったかも知れないが、そいつがドウモ感心しなかったね。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そして、それとはこっちも
看破
(
みやぶ
)
って親房のウラを掻くつもりでは、またいつも尊氏は、自身を泥沼にのたうってしまう破目をまぬがれなかったものである。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
深い窓にのみこもり暮らしているような継母のおまんが、しかも「わたしはもうお
婆
(
ばあ
)
さんだ」を口癖にしている五十四歳の婦人で、いつのまに彼の志を
看破
(
みやぶ
)
ったろうとも考えて見た。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それは変装は横から見ると
看破
(
みやぶ
)
り
易
(
やす
)
いと云う事である。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
玲子さん……僕は今のお母さんが初めてこの
家
(
うち
)
に来られた時からこの
女
(
ひと
)
はイケナイ人だ……玲子さんのためにならない人だということを
看破
(
みやぶ
)
っていたのです。
継子
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何進の側臣たちは、即座に十常侍らの
陥穽
(
かんせい
)
を
看破
(
みやぶ
)
って諫めた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たちまち木村君に
看破
(
みやぶ
)
られたらしいのです。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「駄目だよ。
浦塩
(
うらじお
)
の一粒
選
(
え
)
りを十七人も並べれあ、どんな
盲目
(
めくら
)
だって
看破
(
みやぶ
)
っちまわア」
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
……でも叔父でなければどうしてそんな事まで
看破
(
みやぶ
)
りましょう。……叔父がいつもこうして妾を見張っていてくれる事がわかりますと、妾は有り難いやら、恐ろしいやら致しました
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一つ残らず
看破
(
みやぶ
)
られているような気がして、一層身体を縮み込ませた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“看破”の意味
《名詞》
真相や裏の側面を見抜くこと。
(出典:Wiktionary)
看
常用漢字
小6
部首:⽬
9画
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
“看”で始まる語句
看
看護
看板
看做
看過
看病
看護婦
看経
看客
看守