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潜伏
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せんぷく
ふりがな文庫
“
潜伏
(
せんぷく
)” の例文
旧字:
潛伏
「しかしまたことによると、この
館
(
たち
)
に
擒人
(
とりこ
)
となっている咲耶子を助けだそうという考えで、この
甲府
(
こうふ
)
に
潜伏
(
せんぷく
)
しているようにも考える」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
門外漢
(
もんがいかん
)
の僕には人体(試験材料は蛙でも人間の筋肉でもあまり変りあるまいと
想像
(
そうぞう
)
する)の内に恐しき力の
潜伏
(
せんぷく
)
していることを思った。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
彼
(
かれ
)
は
遠
(
とほ
)
く
畑
(
はたけ
)
に
出
(
で
)
て
土
(
つち
)
に
潜伏
(
せんぷく
)
して
居
(
ゐ
)
る
其
(
その
)
憎
(
にく
)
むべき
害蟲
(
がいちう
)
を
探
(
さが
)
し
出
(
だ
)
して
其
(
その
)
丈夫
(
ぢやうぶ
)
な
體
(
からだ
)
をひしぎ
潰
(
つぶ
)
して
遣
(
や
)
る
丈
(
だけ
)
の
餘裕
(
よゆう
)
を
身體
(
からだ
)
にも
心
(
こゝろ
)
にも
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
ない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
というのは、変電所主任土岐健助宛の無名の手紙から足がつき、スタンプの消印で
栃木県
(
とちぎけん
)
今市
(
いまいち
)
附近に国太郎が
潜伏
(
せんぷく
)
していると判ったのである。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ビフテキには是非ジャガ薯を添えなければならん。ビフテキは中が
生焼
(
なまやけ
)
で
截
(
き
)
ると血が出る位だから牛肉中に
潜伏
(
せんぷく
)
する
真田虫
(
さなだむし
)
の原虫がよく死なん。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
弟の琴二郎様へだけ
内密
(
ないみつ
)
に知らせて、園絵様には、まずまず、
潜伏
(
せんぷく
)
の個所は耳に入れてないのではないかと、長庵め、
愚考
(
ぐこう
)
いたしまするでござりまする
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
教会内
(
けふくわいない
)
に
偽善者
(
ぎぜんしや
)
の
潜伏
(
せんぷく
)
し居るを知りながら
其
(
その
)
破壊
(
はくわい
)
を
恐
(
おそ
)
れて之を
排除
(
はいぢよ
)
し得ざるものなり、
教会
(
けうくわい
)
独立
(
どくりつ
)
を
唱
(
とな
)
へながら世の
賛同
(
さんどう
)
を得ざるが故に
躊躇
(
ちうちよ
)
遁逃
(
とんとう
)
するものなり
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
「あ、潤ちゃん、お化けの正体はね、明智探偵なのよ。明智が、どうかしてこの船の中に
潜伏
(
せんぷく
)
しているらしいのよ。さ、もう一度、探させてください。早く」
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
山田
(
やまだ
)
は
出嫌
(
でぎら
)
ひであつたが、
私
(
わたし
)
は
飛行自由
(
ひぎやうじざい
)
の
方
(
はう
)
であるから、
四方
(
しはう
)
に
交
(
まじはり
)
を
結
(
むす
)
びました、
処
(
ところ
)
が
予備門
(
よびもん
)
内
(
ない
)
を
普
(
あまね
)
く
尋
(
たづ
)
ねて見ると、なか/\
斯道
(
しだう
)
の
好者
(
すきしや
)
が
潜伏
(
せんぷく
)
して
居
(
ゐ
)
るので
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「いやいや、たとえ怨みがあろうとなかろうと、ここへおれが
潜伏
(
せんぷく
)
しているということを知られた以上は、もうきさまも助けておけない」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうかすると
闇
(
くら
)
い
木陰
(
こかげ
)
に
潜伏
(
せんぷく
)
して
居
(
ゐ
)
て
嫁
(
よめ
)
の
車
(
くるま
)
が
近
(
ちか
)
づいた
時
(
とき
)
突然
(
とつぜん
)
、
其
(
そ
)
の
車
(
くるま
)
を
顛覆
(
てんぷく
)
させてやれといふやうな
威嚇的
(
ゐかくてき
)
の
暴言
(
ばうげん
)
をすら
吐
(
は
)
くことがある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
話頭
(
はなし
)
は
岐路
(
わきみち
)
に入ったようであるが、自分の胸中に正しからざる
種子
(
たね
)
が
潜伏
(
せんぷく
)
する以上は、いかに最初は勇敢なるも、いかに初対面のときに豪傑風を装うとも
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それは、喬之助の弟琴二郎をおびき出して、責めるなり
欺
(
だま
)
すなり、そこらは長庵の
手腕
(
うで
)
だが、とにかく何とかして、兄喬之助の
潜伏
(
せんぷく
)
個所を吐き出させること。それだった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
しかしこの諜報中継局が、アメリカの政治首都ワシントンと経済首都ニューヨークを含む地域内に
潜伏
(
せんぷく
)
していることだけは
確言
(
かくげん
)
できる。そして局の位置は、たえず移動をつづけているようである。
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「すると、賊はまだ邸内に
潜伏
(
せんぷく
)
しているというのですね。」
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
驚怖
(
きやうふ
)
の
餘
(
あま
)
り
物陰
(
ものかげ
)
に
凝然
(
ぢつ
)
と
潜伏
(
せんぷく
)
して
居
(
ゐ
)
た
鷄
(
とり
)
は
次
(
つぎ
)
の
朝
(
あさ
)
漸
(
やうや
)
く
他
(
た
)
の
鷄
(
とり
)
の
群
(
むれ
)
に
交
(
まじ
)
つて
歩
(
ある
)
いたけれど
幾
(
いく
)
らかまだ
跛足
(
びつこ
)
曳
(
ひ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼方此方
(
あちこち
)
に、各〻、
枚
(
ばい
)
をふくんで
潜伏
(
せんぷく
)
している同志たちは、この一日、曾てない緊張を示して、石町の
本拠
(
ほんきょ
)
から
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひさしくお
上
(
かみ
)
において御
探索
(
たんさく
)
中であったかの
逆袈裟
(
ぎゃくけさ
)
がけ辻斬りの下手人が当屋敷に
潜伏
(
せんぷく
)
いたしおるとのことであるが、お前ら屋敷内にさよう
胡乱
(
うろん
)
な者をみとめはしなかったか
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そもそも人生には明らかに
顕
(
あらわ
)
るる危険もあれば、両側あるいは地下に
潜伏
(
せんぷく
)
せる危険もまた多い。この危険を幾分なりとも見得るものは、
怖
(
おそ
)
れざらんとしても怖れざるを得ない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
潜伏
(
せんぷく
)
している彼の部屋へ、
主
(
あるじ
)
の八蔵が来ての話しである。又四郎は、眼に歓びを見せて
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「日和佐の宿に
潜伏
(
せんぷく
)
して、刀の手入れのできるのを待っているものとみえる」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが、彼の死後に現われた刀の
切銘
(
きりめい
)
には、「長州萩城ニ於テ作ル」としたものや「村田清風先生ノ為ニ鍛ツ」と切った作刀がかなり見られるので、長州に
潜伏
(
せんぷく
)
していた事は、想像に難くない。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山陰には
尼子氏
(
あまこし
)
の一党が諸所に
潜伏
(
せんぷく
)
して時到るを待っている。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
潜
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
伏
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“潜伏”で始まる語句
潜伏所