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梅干
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うめぼし
ふりがな文庫
“
梅干
(
うめぼし
)” の例文
「たしかに家にゐましたよ。でも、
梅干
(
うめぼし
)
を貼つて、奧で
唸
(
うな
)
つてゐたから、あつしがお勝手から忍び込んだのも氣がつかなかつたやうで」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
最初は
茶塩気
(
ちゃじおけ
)
といって
梅干
(
うめぼし
)
か
漬物
(
つけもの
)
、まれには
小匙
(
こさじ
)
一ぱいの
塩
(
しお
)
ということもあり、そうでなくとも腹を太くするほどの多量の物はともなわずに
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「与八や——わしも永年、諸所方々を歩き廻って来たけれど、まずこの地方の
梅干
(
うめぼし
)
ほどうまい梅干はないと思うよ」
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
釣竿
(
つりざお
)
みたいな物の先に、
稗米
(
ひえまい
)
の
握飯
(
むすび
)
に
梅干
(
うめぼし
)
の入ったのを一つ、竹の皮にくるんで誰か窓から吊り下げてくれた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
要
(
えら
)
ねえぞ
仕事
(
しごと
)
に
出
(
で
)
りや
毎日
(
まえんち
)
かうだ」
勘次
(
かんじ
)
は
梅干
(
うめぼし
)
を
少
(
すこ
)
しづゝ
嘗
(
な
)
め
減
(
へ
)
らした。
辨當
(
べんたう
)
が
盡
(
つ
)
きてから
勘次
(
かんじ
)
は
鰯
(
いわし
)
をおつぎへ
挾
(
はさ
)
んでやつた。さうして
自分
(
じぶん
)
でも一
口
(
くち
)
たべた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
修善寺から
熱海
(
あたみ
)
へ出て名物のポンスを買って小田原と大磯へ寄って来たが小田原の
梅干
(
うめぼし
)
も三樽買って来た。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
主婦が仙さんの
素生
(
すじょう
)
を尋ねかけたら、「
乃公
(
おれ
)
に喧嘩を売るのか」と仙さんは血相を変えた。ある時やるものが無くて
梅干
(
うめぼし
)
をやったら、斯様なものと顔をしかめる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と、
芥川
(
あくたがは
)
さんが
詠
(
えい
)
じて
以来
(
いらい
)
、——
東京府
(
とうきやうふ
)
の
心
(
こゝろ
)
ある
女連
(
をんなれん
)
は、
東北
(
とうほく
)
へ
旅行
(
りよかう
)
する
亭主
(
ていしゆ
)
の
為
(
ため
)
に
鰹
(
おかゝ
)
のでんぶと、
焼海苔
(
やきのり
)
と、
梅干
(
うめぼし
)
と、
氷砂糖
(
こほりざたう
)
を
調
(
とゝの
)
へることを、
陰膳
(
かげぜん
)
とゝもに
忘
(
わす
)
れない
事
(
こと
)
に
成
(
な
)
つた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二人で
縁端
(
えんばた
)
に坐っていると、女中が蒲団を持って来たり、朝茶や
梅干
(
うめぼし
)
を運んだりした。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「お父つぁんのは、両
行李
(
ごうり
)
ぎゅうぎゅうにつめこんであげよ。お前のは軽くいれてな、なにせ、大きい弁当箱じゃもん。
梅干
(
うめぼし
)
は見えんほど御飯の中に押しこまにゃ、ふたに穴があくさかい」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
梅干
(
うめぼし
)
幾樽、
沢庵
(
たくあん
)
幾樽、寝具類幾
行李
(
こり
)
——種々な荷物が送られた。御直参氏たちは三河島の
菜漬
(
なづけ
)
がなければ困るという連中であるから、行くとすぐに一人ずつ一人ずつ
落伍
(
らくご
)
して帰って来てしまった。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
疊の合せ目に
藁屑
(
わらくづ
)
がハミ出してゐるのに氣が付くと、庄兵衞はニヤリとしたよ。それから、床下から出た瓶は新らしくて
梅干
(
うめぼし
)
の匂ひがすると言つたらう。
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夏はお釜の底へ
梅干
(
うめぼし
)
一つ入れて炊いてもあるいはお
櫃
(
ひつ
)
の底へ梅干一つ入れても持ちが
大層
(
たいそう
)
ようございます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
人夫が
蕗
(
ふき
)
の葉や
蓬
(
よもぎ
)
、
熊笹
(
くまざさ
)
引かゞってイタヤの
蔭
(
かげ
)
に敷いてくれたので、関翁、余等夫妻、鶴子も新之助君の
背
(
せなか
)
から下りて、一同草の上に足投げ出し、
梅干
(
うめぼし
)
菜
(
さい
)
で
握飯
(
にぎりめし
)
を食う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と
冷
(
ひや
)
かしたが、
元来
(
ぐわんらい
)
、
衣裳鞄
(
いしやうかばん
)
の
催促
(
さいそく
)
ではない、ホツキ
貝
(
がひ
)
の
見舞
(
みまひ
)
に
来
(
き
)
たのだから、
先
(
ま
)
づ
其次第
(
そのしだい
)
を
申述
(
まをしの
)
べる
処
(
ところ
)
へ……
又
(
また
)
近処
(
きんじよ
)
から、おなじく、
氷砂糖
(
こほりざたう
)
、
梅干
(
うめぼし
)
の
注意連
(
ちういれん
)
の
女性
(
によしやう
)
が
来
(
きた
)
り
加
(
くは
)
はつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
フライの付け合せ物は
梅干
(
うめぼし
)
の煮たのだが一つ
遣
(
や
)
ってみ給え。即ち和洋混交の付け合せだ。梅干は色々の効がある。或る場合には殺虫剤になり、それから鉛毒を消す効がある。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「それ、言はないこツちやない、果して此の
菜
(
さい
)
も味噌漬だ。お
媼
(
ばあ
)
さん、大きな野だの、奥山へ入るには、
梅干
(
うめぼし
)
を持たぬものだつて、宿の者が言つたつけ、
然
(
そ
)
うなのかね、」と顔を上げて又
瞻
(
みまも
)
つたが
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
繰返
(
くりかへ
)
すやうだが、それが
二日
(
ふつか
)
で、
三日
(
みつか
)
の
午
(
ひる
)
すぎ、
大雨
(
おほあめ
)
に
弱
(
よわ
)
り
果
(
は
)
てて、まだ
不安
(
ふあん
)
ながら、
破家
(
やぶれや
)
へ
引返
(
ひきかへ
)
してから、
薄
(
うす
)
い
味噌汁
(
みそしる
)
に
蘇生
(
よみがへ
)
るやうな
味
(
あぢ
)
を
覺
(
おぼ
)
えたばかりで、
罐
(
くわん
)
づめの
海苔
(
のり
)
と
梅干
(
うめぼし
)
のほか
何
(
なん
)
にもない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
梅干
(
うめぼし
)
の
煮方
(
にかた
)
春 第五十一 水道の水
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「よう、買っとくれよ、お弁当は
梅干
(
うめぼし
)
で
可
(
い
)
いからさ。」
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
梅干
(
うめぼし
)
の
功
(
こう
)
春 第五十 梅干の功
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
“梅干(梅干し)”の解説
梅干し(うめぼし)は、ウメの実の塩漬けを干した食品。ウメの果実を漬けたものを梅漬けといい、梅干しは梅漬けを干したものである。
日本では古くから伝わり、おにぎりや弁当に使われる食品である。非常に酸味が強く、酸っぱい食品の代名詞のように扱われる。梅干しのこの酸味は主に、梅自体に含まれるクエン酸に由来する。
7月30日が梅干しの日となっている。ナン(難)がサル(去る)の語呂合わせで、梅産地として知られる和歌山県みなべ町の農園が中心となって制定した。
(出典:Wikipedia)
梅
常用漢字
小4
部首:⽊
10画
干
常用漢字
小6
部首:⼲
3画
“梅干”で始まる語句
梅干和
梅干瓶
梅干酢
梅干婆
梅干韲
梅干大
梅干茶
梅干飴