“斡旋:あっせん” の例文
“斡旋:あっせん”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治9
岡本かの子5
正岡子規4
島崎藤村4
夏目漱石4
“斡旋:あっせん”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 演劇史 各国の演劇4.9%
文学 > 日本文学 > 日本文学1.9%
歴史 > 伝記 > 個人伝記1.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
もう時間過ぎで見物ができないはずのところを、Y氏の熱心な斡旋あっせんで、われわれの前に大きい鍵をさげた小僧が立ってくれた。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
そうだとすれば圓一も亦三成の内命を受けて、左衛門尉を関白家へ推挽すいばんするなど、斡旋あっせんの労を取ったのかも知れぬ。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それが拓本老職人の古風な着物やはかまを仕立て直した衣服を身につけて座を斡旋あっせんするさまも趣味人の間には好もしかった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
武田氏名は準平じゅんぺいで、保が国府こふの学校に聘せられた時、中に立って斡旋あっせんした阿部泰蔵の兄である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
正面に奉行、そのそばに道中下方掛したかたがかりの役人らが控え、徒士目付はいろいろとその間を斡旋あっせんした。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
同時に、取巻共がしきりに伊太夫に向って斡旋あっせんした山科の光悦屋敷なるものも、こうしてお銀様の有に帰してしまったものらしい。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お駒ちゃんが気分がわるいことで宴はちょっと腰を折られたが、久助とおんなたちは、何ごともなかったようにそこらを斡旋あっせんした。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
大善院では次の日、本目ほんもく西蔵院さいぞういんと協議をすすめ、和議の斡旋あっせんにあたるべく、万端その備えをしていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
凡兆の句複雑といふほどにはあらねど、また洒堂らと一般、句々材料充実して、彼の虚字を以て斡旋あっせんする芭蕉流とはいたく異なり。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
凡兆の句複雑というほどにはあらねど、また洒堂らと一般、句々材料充実して、かの虚字をもって斡旋あっせんする芭蕉流とはいたく異なり。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
そして彼の使命は、細川家の長岡佐渡の斡旋あっせんで、佐々木小次郎と、積年の宿題たる試合の約を、果すにあった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ワグナーに対してかなり反感を持っている者の多かったのに同情し、ワグナーのために斡旋あっせん奔走ほんそうして
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
井上安五郎の門を叩いた。斡旋あっせん方を懇請した。しかし、この思慮深い政治家は、青年の取りのぼせた希望を、おだやかに、否定した。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
恐らくそれは舎弟の三木竹二みきたけじ君の斡旋あっせんるものであろうが、劇界では破天荒の問題として世間の注目をいた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
次の間には、猪子兵助いのこひょうすけ、森三左衛門、その他が詰めていて、光秀を、客として斡旋あっせんした。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その与次郎は今ごろ窮屈な会場のなかで、一生懸命に、奔走しかつ斡旋あっせんして大得意なのだからおもしろい。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二葉亭を海軍編修書記に推薦したはやはり旧友の一人たる鈴木某(その頃海軍主計大監)の斡旋あっせんであった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
しかし、それにしても、死んだ爺さんは一体院長に斡旋あっせんした私の親切(もしもそれが親切といえるならばだが)に対して報いたのだろうか。
南島譚:03 雞 (新字新仮名) / 中島敦(著)
幕末のころには、彼のもとをたよって来る勤王の志士も多かったが、彼はそれを懇切にもてなし、いろいろと斡旋あっせん紹介の労をいとわなかった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今まで、種々、組合の対抗運動について奔走斡旋あっせんした人々の中で、旭玉山氏は主要な人でありました。
周防すほうの大内家からして用脚ようきゃくを調達する時にも、また宗祇の斡旋あっせんを得ておった。
典膳がその姓、神子上氏を変えて、小野姓になったのは、師一刀斎とわかれ、北条安房守の斡旋あっせんで、幕府へ禄仕するようになってから後である。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北原稲雄兄弟をはじめ、浪士らの間道通過に斡旋あっせんした平田門人の骨折りはすでにくつがえされた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と言って、弁当に酒さかななど重詰じゅうづめにして出し、招いた人たちの間を斡旋あっせんした。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
すでにどこかで、この晩あたりは、夢窓国師の和解の斡旋あっせんが、おこなわれていたのである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで、荘太の斡旋あっせんで、そこの座敷の一つを時々編輯会議に借りることが出来たのである。
芝、麻布 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
三年前三千代と平岡の間に立って斡旋あっせんの労を取った事を追想するとまるで夢の様であった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お延の頭に、一座を切り舞わした吉川夫人の斡旋あっせんぶりがまたえがいだされた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
出どころの判らないにおいと笑いとうたとを引き切るようにき分けて、物売りと、分別顔のギャルソンが皿を運んだり斡旋あっせんしたりしている。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
尤も家康なんかの斡旋あっせんを頼りにして居たのだろうが、家康は其の実見捨ての神だ。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
隠岐島おきのしまで『遠島御歌合えんとうおんうたあわせ』のお企てのあったときも家隆が万事斡旋あっせんして、歌をまとめてお送りしたが、定家は加らなかった。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
そこの委員である一人の優秀な物理学者が、関係官庁の要路の人のところまでわざわざ出かけて来て、その研究に必要な資材の入手かた斡旋あっせんわれた。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
善美を尽した御座船が中流に浮んで、貴顕きけん淑女雲の如く斡旋あっせんする中に、ジョージ一世は玉杯を挙げて四方の風物を眺めながら、水と共にテームズを降った。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
私は特にこの借用について石部惟三氏と小宮山氏との斡旋あっせんを忘れ難く思います
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
晩は天春君あまかすくん斡旋あっせんですでに準備のできている宴会を断った。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「このお嬢さんは、売れ残りのうちの姐さんのためにだいぶ斡旋あっせんするね」
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
浅井方の大将安養寺三郎左衛門は、織田と浅井家の同盟を斡旋あっせんした男だ。
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
均平はそれを口にも出さなかったが、物質に生きる人の心のさもしさが哀れまれたり、先輩の斡旋あっせんでうっかりそんな家庭に入って来た自身が、いとわしく思えたりした。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
こちらの胸のうちをのぞきこんだような堀の斡旋あっせんを考えると、あんなに好都合に行ったことが腹立たしく、むしろ敵愾心てきがいしんが刺激され、彼はうずうずした。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
友人の斡旋あっせんによりて万朝報社よろずちょうほうしゃの社員となりぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
ただ毎々、夢窓国師の斡旋あっせん兄弟ふたりのあらそいを解いてくれた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吉左衛門はじめ、金兵衛らはこの労苦をねぎらい、問屋の九太夫はまた桝田屋ますだやの儀助らと共にその間をはしり回って、隣宿妻籠までの継立てのことを斡旋あっせんした。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
節約に節約を加えた経済法はだんだん成功して負債ふさいもすくなくなり、校長の斡旋あっせんで始めた頼母子講たのもしこうにも毎月五十銭をかけることもできるようになった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
そのときおくれせに女中がせつけて「失礼しました」と挨拶あいさつしてお涌を土蔵の中に導き、なにかと斡旋あっせんして退く——といふやうな親しさになつてゐる。
蝙蝠 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
その一方に、巌流を細川家へ斡旋あっせんした同じ藩老の岩間角兵衛がある。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹操は、自身出迎えて、張繍の手を取らんばかり、堂に迎えた。そして、彼を揚武将軍ようぶしょうぐんに任じ、またこの斡旋あっせんに功労のあった賈詡を執金吾しっきんごとした。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
以て彼が蟄居ちっきょを解放せんとの斡旋あっせんを促したりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この方面に多少明るい某というやはり伯爵の二男が昔学友であった因縁いんねんから、それに頼んで、よき名探偵の斡旋あっせんを乞うた、その結果、一人の探偵が、伯爵のわび住居に現われた。
覗きに来る子供を叱りながらおかみさんが斡旋あっせんする。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
三州屋の集りの時は芳町の芸妓が酒間を斡旋あっせんした。
ヒウザン会とパンの会 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
今度は泉下の養父にも喜んでもらえると思ってかかった縁談であるだけに、義兄の失望は大きかったが、それより困ったのは、先方に対し、仲に立って斡旋あっせんしてくれた銀行の上役の人に対し
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
じきにめてしまい、先輩の勧めと斡旋あっせん
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
同十二年にも、パエスのために斡旋あっせんしている。
明治三十三年万国博覧会の巴里に開設せられし時、駐仏公使曾根荒助そねあらすけに推挙せられ博覧会事務長官に任ぜられ日本出品事務所所長となり斡旋あっせんの功によりて正五位勲四等に叙せられたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これはすべて不二麿が斡旋あっせんによるという。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
近衛家このえけに縁故のある津軽家は、西館孤清にしだてこせい斡旋あっせんに依って、既に官軍に加わっていたので、路の行手ゆくての東北地方は、秋田の一藩を除く外、ことごとく敵地である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
貞之助なども、今迄は大概埒外らちがいに立っていて、お役目に引っ張り出される程度であったのに、今度はひどく力瘤ちからこぶを入れて斡旋あっせんをしたし、それに、雪子も今迄とは違ったところがあった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
斡旋あっせんの実が挙がれば良いと思う。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
と談話は実に斡旋あっせんの妙を極めた。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
使者は追い返され、呉はすすんで曹操にび、曹操はまた、呉の孫権に、叙爵昇官じょしゃくしょうかん斡旋あっせんをとって、両国提携の実を見せつけたのであるから、孤立河北軍の焦躁や思うべしであった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いずれ帰国の上父母とも相談してと答えけるに、もとより葉石との関係を知れる彼は、容易にうべなわず、もし葉石と共に帰国せば、他の斡旋あっせんに余儀なくせられて、いて握手することともならんずらん
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
私の師匠もこの間にはさまって、いろいろ斡旋あっせんしましたことはいうまでもないが、何しろ、一方のお袋さんが、嫁を貰う時には貨一郎氏が何んといっても自分先に立ってめてしまい、少し気に向かなければ
でなければ、いかに仲に立った人が適当の処分をし、よく斡旋あっせんしたからとて、抱月氏の死後、彼女が未亡人や遺孤いこに対して七千円を分割し、買入れた墓地まで、心よく島村家の人たちに渡してしまうはずはない。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「待て待て。過日来から彼の斡旋あっせん一蹴いっしゅうして来たものが、にわかに夜中、此方からただ使いを立てては、敵も、はて? と不審をさしはさもう。——使いをるには、遣る口上も熟慮せねばなるまい」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するとさいわい私の変人だと云う風評はつとにこの地方にも伝えられていたものと見えて、やがて私が向うへ行くと、その団体の会長たる大垣町長の斡旋あっせんによって、万事がこの我儘な希望通り取計らわれたばかりでなく
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
と、斡旋あっせんする。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも桜痴居士は平生から団十郎贔屓でもあり、殊にこの大阪行きについて斡旋あっせんの労を取った一人であるというから、団十郎弁護は当然かも知れないが、さすがに劇場の内部を知っている人だけに、その議論は急所に触れていた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
が、結局古川の斡旋あっせんで、古川部下の飜訳官として官報局に出仕したのが明治二十二年の夏であって、これから以後の数年は生活の保障に漸く安心して暫らく官途に韜晦とうかいし、文壇からは全く縁を絶って読書に没頭する事が出来た。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「されば。——もとよりこの前から、ここは毛利で何といって来ても、耳をかたむけぬ、との御意でありましたから、今日も恵瓊が来て、そっと、よそで会談しておりましたが、頭からその斡旋あっせんねて別れたわけでございまする」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
単に不破の関守氏の働きというのみではなく、およそ湖上湖辺のことに関する限りに於て、ドノ辺のふちにカムルチがみ、どの辺の山路にはムラダチが生えているということをまで心得ている、かの知善院寄留の青嵐居士のよそながらの斡旋あっせん
松竹では芝の紅葉館へ東京の各新聞社の劇評家連を殆んど全部集めてくれた、城戸四郎君や川尻君も出席して席を斡旋あっせんして呉れた、然し余は実は斯ういうつもりではなかったのである、震災非常時の際ではあり、新聞記者諸君にもバラック建へ集って貰い
生前身後の事 (新字新仮名) / 中里介山(著)
普通に歌はなり、けり、らん、かな、けれなどの如き助辞を以て斡旋あっせんせらるるにて名詞の少きが常なるに、この歌に限りては名詞極めて多く「てにをは」は「の」の字三、「に」の字一、二個の動詞も現在になり(動詞のもっとも短き形)をり候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
その朝、ヘザーレッグは私にむかって、マンネリング氏からの返事が来たことや、彼(ヘザーレッグ)の友情的斡旋あっせんのおかげで、わたしの苦悩の物語はシムラの隅ずみまで拡がって、誰もみなわたしの立ち場に同情していてくれることなどを話してくれた。
井伊様がご大老にお成りになられるや、梅田源次郎様や池内大学様や、山本槇太郎様というような、勤王の志士の方々を、追求して捕縛なさいまして、今後も捕縛の手をゆるめそうもなく、そこで以前から勤王僧として、公卿くげと武家との仲を斡旋あっせんしたり
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あなたの御好意はほんとうにうれしく思いますが、私はこの上、あなたに御迷惑はかけたくないと思いますから、これから外務省フォレン・オフィスへ行こうと思います。亜細亜アジア局に多少知った人もありますから、外務省の手で何とか斡旋あっせんしてもらおうと思いますが……」
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
普通に歌は「なり」、「けり」、「らん」、「かな」、「けれ」などのごとき助辞をもって斡旋あっせんせらるるにて名詞のすくなきが常なるに、この歌に限りては名詞極めて多く「てにをは」は「の」の字三、「に」の字一、二個の動詞も現在になり(動詞のもっとも短き形)おり候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
これは主として長田秋濤おさだしゅうとう君の斡旋あっせんで成立したらしく、西園寺さいおんじ侯を主賓として、福地桜痴ふくちおうち末松青萍すえまつせいひょう尾崎紅葉おざきこうよう高山樗牛たかやまちょぎゅうの四氏、ほかに松居君と榎本虎彦えのもととらひこ君とわたしの三人が加えられた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
世事にれない青年や先輩の恩顧に渇する不遇者は感激して忽ち腹心の門下や昵近の知友となったツモリにひとりでめてしまって同情や好意や推輓すいばん斡旋あっせんを求めに行くと案外素気そっけなく待遇あしらわれ、合力無心を乞う苦学生の如くに撃退されるので、昨の感激が消滅して幻滅を感じ
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ちょうど葉子も来ている時で、その贈物が二人を祝福するようにも取れたが、少し感潜かんぐって考えると、すでに庸三から離れてしまっている、このごろの葉子の気持をんでか、事によると今一歩進んで、師匠の斡旋あっせんによって、庸三の怒りを買うことなしに、穏和な解決を得ようとする手段の一つのようにも取れないこともなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
てる女は佐助に糸竹の道を習うかたわら二人の盲人の間を斡旋あっせんして手曳きとも付かぬ一種の連絡係りを勤めたけだし一人はにわか盲目一人は幼少からの盲目とは云えはしの上げおろしにも自分の手を使わず贅沢にれて来た婦人の事ゆえ是非ぜひともそう云う役目を勤める第三者の介在が必要でありなるべく気の置けない少女をやとうことにしていたがてる女が採用されてからは実体じっていなところが気に入られ大いに二人の信任を得てそのまま長く奉公をし
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)