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悔悟
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かいご
ふりがな文庫
“
悔悟
(
かいご
)” の例文
大へん
悔悟
(
かいご
)
したような顔はしていましたが何だかどこか
噴
(
ふ
)
き出したいのを
堪
(
こら
)
えていたようにも見えました。しょんぼり
壇
(
だん
)
に登って来て
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼女が「
面
(
おも
)
はゆげに」罪を謝したと云う「道阿弥話」の記事は、いかに此の夫人が己れの悲しむべき過失を
悔悟
(
かいご
)
したかを語っている。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
重治はよろいの
袂
(
たもと
)
を探って、べつに一通の書面を取出した。そして、
凝然
(
ぎょうぜん
)
と
悔悟
(
かいご
)
に打たれている官兵衛の手へそれをそっと渡して告げた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この機会を失うこと
豈
(
あ
)
に惜しからざらんや。幕府初めは墨夷を借りて諸夷を制し諸侯を抑えんと欲す。
而
(
しこう
)
して今は何となく
悔悟
(
かいご
)
の色あり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
この
女
(
おんな
)
もすぐさまそれと
気
(
き
)
がついて、
飛
(
と
)
んだ
心得違
(
こころえちが
)
いをしたと
心
(
こころ
)
から
悔悟
(
かいご
)
して、
死
(
し
)
ぬることを
思
(
おも
)
いとどまったのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
で、貴方の
悔悟
(
かいご
)
されたのは善い、これは人として悔悟せんけりやならん事。けれども残念ながら
今日
(
こんにち
)
に及んでの悔悟は
業
(
すで
)
に
晩
(
おそ
)
い。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そしてそれが人間の
心境
(
しんきょう
)
に影響すれば、
悪人
(
あくにん
)
も
善人
(
ぜんにん
)
になるであろう。
荒
(
すさ
)
んだ人も
雅
(
みや
)
びな人となるであろう。
罪人
(
ざいにん
)
もその過去を
悔悟
(
かいご
)
するであろう。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「さようさ」と老師は打ち案じたが、「
悔悟
(
かいご
)
致して善道につくと、もし誓言致すようなれば
放逐
(
ほうちく
)
なされてもよろしかろう」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「何も
悔悟
(
かいご
)
しているものに罪をきせることはないのだからね。死ぬ者貧乏だよ。それにあいつは希代の悪党なんだから」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
妾も覚えず
慄然
(
りつぜん
)
たりしが、さりながら、
素
(
も
)
と鋭敏の性なりければ、
能
(
よ
)
く獄則を
遵守
(
じゅんしゅ
)
して勤勉
怠
(
おこた
)
らざりし功により、数等を減刑せられ、無事出獄して、大いに
悔悟
(
かいご
)
する処あり
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
こっちは
悔悟
(
かいご
)
して、坊主にでもなろうと云うんだ。……いずれ精進には縁があります。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「兄は十分にこのうえもない誠意をもって、あなたに
悔悟
(
かいご
)
の念を表わすはずです。あの広場で膝をついてまでも……無理にそうさせます。でなかったら、もう僕の兄じゃありません!」
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
どこやらの
溝池
(
どぶいけ
)
でコロコロと
蛙
(
かわず
)
の
鳴音
(
なくね
)
を枕に、都に遠い大和路の旅は、冷たい
夜具
(
やぐ
)
の上——菜の花の道中をば絶望と
悔悟
(
かいご
)
と
且
(
か
)
つ死の手に追われ来た若者……人間欲望の結局に泣いて私は
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
これ以上の折檻は、お前のためにもわしのためにもいたずらに空腹を覚えさせるだけのことだ。それゆえ折檻はこれだけにしてやめる。そこへ坐れ。三郎は泣く泣く
悔悟
(
かいご
)
をちかわされた。
ロマネスク
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
忽
(
たちま
)
ち
輪回応報
(
りんえおうほう
)
して可愛い我子を殺し、あゝ悪い事をしたと
悔悟
(
かいご
)
して出家になるも、即ち即心即仏じゃ、えゝ他人を自分の身体と二つあるものと思わずに、欲しい惜しいの念を棄てゝしまえば
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼等が向上進歩すべき唯一の望みは、ただ
悔悟
(
かいご
)
と、高級霊の指導と、又一歩一歩に、罪深き悪習慣から脱却すべき永遠の努力とより以外には絶対にない。そう言った未発達の霊魂の数は実に多い。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
不埓の所業仕候段
慚愧
(
ざんき
)
に堪えず候間、重なるわが罪
悔悟
(
かいご
)
のしるしに、
出家遁世仏門
(
しゅっけとんせいぶつもん
)
に
帰依
(
きえ
)
致し候条、何とぞ
御憐憫
(
ごれんびん
)
を以て、家名家督その他の御計らい、御寛大の御処置に預り度、右謹んで奉願上候。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
博士の
悔悟
(
かいご
)
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「一に、先帝の高徳を
偲
(
しの
)
び、それの報恩のためと、またみずからの
悔悟
(
かいご
)
をなぐさめんとする念も、正直、ないではありません」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悪魔そのものがひそんででもいない限り、一目この姿を見たならば、
立所
(
たちどころ
)
に
悔悟
(
かいご
)
自白すべき筈である。
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ただ神の正義を伝えんが為に
茲
(
ここ
)
に来た。諸君、諸君は神を信ずる。何が
故
(
ゆえ
)
に神に従わないか。何故に神の
恩恵
(
おんけい
)
を
拒
(
こば
)
むのであるか。
速
(
すみやか
)
にこれを
悔悟
(
かいご
)
して従順なる神の
僕
(
しもべ
)
となれ。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
この上は
自
(
みずか
)
ら重井との関係を断ち
翻然
(
ほんぜん
)
悔悟
(
かいご
)
してこの一身をば愛児のために
捧
(
ささ
)
ぐべし。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
さきに
叡山
(
えいざん
)
を焼き払って、自分の態度は、厳然と示してある。よって、しばらく彼らの反省と
悔悟
(
かいご
)
をわしは待っていたのだ。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或は
飜然
(
ほんぜん
)
悔悟
(
かいご
)
して、和製女ヴィドックとなるか。それとも又、江川蘭子は忽然姿を消し去って、全く別の人物が舞台を占領するか。凡て凡て、この作者は何も知らないのである。
江川蘭子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もはや人道の大義を説くの必要なし、ただ一死以て諸氏に謝する
而已
(
のみ
)
と覚悟しつつ、兄に向かいてかばかりの大事に
与
(
くみ
)
せしは全く妾の心得違いなりき、今こそ
御諭
(
おんさとし
)
によりて
悔悟
(
かいご
)
したれ
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
とのさまがえるはホロホロ
悔悟
(
かいご
)
のなみだをこぼして
カイロ団長
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彭義は大いに後悔して、獄中から
悔悟
(
かいご
)
の書を孔明へ送り、どうか助けてくれと、彼の
憐愍
(
れんびん
)
に訴えた。玄徳もその陳情を見て
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あなた方は、では、私が今その恐ろしい罪悪を
悔悟
(
かいご
)
して、
懺悔
(
ざんげ
)
話をしようとしているかと早合点なさるかも知れませんが、ところが、決してそうではないのです。私は少しも悔悟なぞしてはいません。
赤い部屋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
傷は、日にまして
快
(
よ
)
くなって行ったが、お信も、それを心に
病
(
や
)
むらしかった。兄に対して、何か、
悔悟
(
かいご
)
と、
叱責
(
しっせき
)
を、
恟々
(
おどおど
)
と待つ気ぶりも見える。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一滴
(
いってき
)
の
悔悟
(
かいご
)
のなみだの後には、法然上人と師の親鸞から、そのままのすがたですぐ
往生
(
おうじょう
)
仏果が得られるものだと説かれたあの時のことばを思い出して——
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ただ、
慚愧
(
ざんき
)
でござります、
悔悟
(
かいご
)
の念でござります。そして一時もはやく、自責の苦悶からのがれたいために」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
迂作、この一篇も、
悔悟
(
かいご
)
の古塔を巡礼しながら、古典に曳く鐘の余韻に、今日は末世か創世か、もいちど、無常の真理を聴こうと思うものであります。(二五・九・三)
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、老先生は、ちと、むずかしい顔をしたが、羅門の
悔悟
(
かいご
)
が、偽りではないらしいと見て
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汝、それほどに自己の
行状
(
おこない
)
を恥じるならば、なぜ、ここへ出て、両手をつかえ
悔悟
(
かいご
)
の真実を示すなり、世上へ謝罪の法を執るなりせぬか。それとも、異論あらば、論議するか。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と見なし、また尊氏兄弟は、それへの
悔悟
(
かいご
)
と罪ほろぼしのために、ここに、恒久の平和を祈って、人類の苦悩迷妄を救うべき一大寺の
建立
(
こんりゅう
)
を思い立ったものであると、宣誓していた。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「願わくば、
悔悟
(
かいご
)
の兵らに、王威の恩浴を垂れたまえ」と、軍門に降ってきた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お綱が
悔悟
(
かいご
)
した真情に
衝
(
う
)
たれて、思わずこう共鳴してしまったが、そうなるといよいよかれは、お綱がスリの足を洗うためにも、あの約束を固く守ってやらなければならない負担を強く感じる。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この急速な
計
(
はか
)
らいはまた、もちろん藤井紋太夫の
悔悟
(
かいご
)
の実証と、夜来からの奔走を明らかに語るものだった。
夜前
(
やぜん
)
、
惨
(
さん
)
として、老公の前を去ってからおそらく紋太夫は一睡もしなかったであろう。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わかりません、まったくわからぬ女です。……が、察しまするに、これまで自分が考えていた足利の大殿というものと、目に見た殿とは、まったくちがっていたと、いたく
悔悟
(
かいご
)
の
念
(
ねん
)
に打たれたものと思われまする」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宅助はまず九分までお米の
悔悟
(
かいご
)
を信じた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悔悟
(
かいご
)
のいろが、ばばの
面
(
おもて
)
には溢れていた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“悔悟”の意味
《名詞》
悔 悟(かいご)
自らの非を悟って悔いること。
(出典:Wiktionary)
悔
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
悟
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“悔”で始まる語句
悔
悔恨
悔改
悔悛
悔行
悔状
悔寤
悔涙