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性情
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せいじやう
一
般の
子女の
境涯は
如此にして
稀には
痛く
叱られることもあつて
其時のみは
萎れても
明日は
忽ち
以前に
還つて
其性情の
儘に
進んで
顧みぬ。
いつも
画学と習字にかけては
全級誰も及ぶものゝない
長吉の
性情は、
鉄拳だとか
柔術だとか
日本魂だとか
云ふものよりも
全く
異つた他の方面に傾いてゐた。
左樣、それと
反對で、
社會教育丈あつて
學校教育のないものは、
隨分複雜な
性情を
發揮する
代りに、
頭は
何時迄も
小供ですからね。
却つて
始末が
惡いかも
知れない
然し
伸一先生は
老先生の
麗はしき
性情を
享けて
更にこれを
新しく
磨き
上げた
人物として
此小學校を
監督し
我々は
第二の
權藏となつて
教導されたのです。
權藏の
志は
最も
完全に
成就されました。
彼等の
各自が
持つて
居る
種々な
隱れた
性情が
薄闇い
室の
内にこつそりと
思ひ
切つて
表現されて
居た。
女房の
言辭は
悉皆の
顏を
唯驚愕の
表情を
以て
掩はしめた。
そのなかに、
彼は
年に
合はしては
複雜な
實用に
適しない
頭を
有つてゐながら、
年よりも
若い
單純な
性情を
平氣で
露はす
子供ぢやないかといふ
質問があつた。
宗助はすぐそれを
首肯つた。
それでなくても
其の
知りたがり
聞きたがる
性情を
刺戟すべきことは
些細であるとはいひながら
相尋で
彼等の
耳に
聞えるので
勘次のみが
問題では
無くなるのである。