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夜路
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よみち
ふりがな文庫
“
夜路
(
よみち
)” の例文
初手
(
しよて
)
は
此
(
こ
)
の
毛布
(
けつと
)
に
包
(
くる
)
んで、
夜路
(
よみち
)
を
城趾
(
しろあと
)
へ、と
思
(
おも
)
つたが、——
時鳥
(
ほとゝぎす
)
は
啼
(
な
)
かぬけれども、
然
(
さ
)
うするのは、
身
(
み
)
を
放
(
はな
)
れたお
浦
(
うら
)
の
魂
(
たましひ
)
を
容
(
い
)
れたやうで
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夜路
(
よみち
)
をひた走りに走って鶴見地獄に出た。この鶴見地獄というのも昨年の春から爆発したものだそうである。
泥土
(
でいど
)
を
交
(
まじ
)
えない
清透
(
せいとう
)
な熱湯を噴出している。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
あさはかな心だけでは決して
訪
(
たず
)
ねてまいれるものでないと、何里の
夜路
(
よみち
)
をまいって自身でも認めうるのですから、御待遇を改めていただきたいものですね。
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
伊勢参宮から帰りかけた長者の一行は、ある
夜半比
(
よなかごろ
)
、
手結山
(
ていやま
)
と云う
山坂
(
やまさか
)
の頂上にかかりました。手結から浦戸へは五里位しかないから、
夜路
(
よみち
)
をしたものと見えます。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
少年
(
しょうねん
)
は、ついにその
宿
(
やど
)
から
追
(
お
)
い
出
(
だ
)
されてしまいました。
暗
(
くら
)
い
夜路
(
よみち
)
をあてもなく
歩
(
ある
)
いてゆきますと、いつしか
山
(
やま
)
の
方
(
ほう
)
へ
入
(
はい
)
ってゆく
道
(
みち
)
に
出
(
で
)
たものとみえて、ある
大
(
おお
)
きな
坂
(
さか
)
にさしかかりました。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
間
(
ま
)
もなく、高尾の
奥院
(
おくのいん
)
からくだってきた
加賀見忍剣
(
かがみにんけん
)
は、
神馬小舎
(
しんめごや
)
から一頭の馬をひきだし、鉄の
錫杖
(
しゃくじょう
)
をななめに
背
(
せ
)
にむすびつけて、
法衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
も高からげに
手綱
(
たづな
)
をとり、
夜路
(
よみち
)
山路
(
やまみち
)
のきらいなく
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は別れて以来一年近く
経
(
た
)
つ
今日
(
こんにち
)
まで、いまだこの女の記憶を
失
(
な
)
くした
覚
(
おぼえ
)
がなかった。こうして
夜路
(
よみち
)
を馬車に揺られて行くのも、
有体
(
ありてい
)
に云えば、その人の影を
一図
(
いちず
)
に
追
(
おっ
)
かけている
所作
(
しょさ
)
に
違
(
ちがい
)
なかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
気
(
き
)
が
気
(
き
)
では
無
(
な
)
い。
一所
(
いつしよ
)
に
捜
(
さが
)
しに
出
(
で
)
かけやうと
言
(
い
)
ふと、いや/\
山坂
(
やまさか
)
不案内
(
ふあんない
)
な
客人
(
きやくじん
)
が、
暗
(
やみ
)
の
夜路
(
よみち
)
ぢや、
崖
(
がけ
)
だ、
谷
(
たに
)
だで、
却
(
かへ
)
つて
足手絡
(
あしてまと
)
ひに
成
(
な
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし、ああして、
毎晩
(
まいばん
)
、
空
(
そら
)
で
輝
(
かがや
)
くのはなんのためじゃ。
太陽
(
たいよう
)
のように
暖
(
あたた
)
かな
光
(
ひかり
)
を
送
(
おく
)
るのでもなく、また
月
(
つき
)
のように
夜路
(
よみち
)
を
照
(
て
)
らすというほどでもない。なんのために
夜
(
よ
)
もすがら
光
(
ひか
)
るのじゃ。
王さまの感心された話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
喜多八
(
きたはち
)
、さあ、
其
(
そ
)
の
氣
(
き
)
で
歩
(
あゆ
)
ばつしと、
今
(
いま
)
こそ
着流
(
きながし
)
で
駒下駄
(
こまげた
)
なれ、
以前
(
いぜん
)
は、つかさやをかけたお
太刀
(
たち
)
一本
(
いつぽん
)
一寸
(
ちよつと
)
極
(
き
)
め、
振分
(
ふりわけ
)
の
荷物
(
にもつ
)
、
割合羽
(
わりがつぱ
)
、
函嶺
(
はこね
)
の
夜路
(
よみち
)
をした、
内神田
(
うちかんだ
)
の
叔父的
(
をぢき
)
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
月の
夜路
(
よみち
)
に
深山路
(
みやまじ
)
かけて、知らない他国に
徜徉
(
さまよ
)
うことはまた、来る年の
首途
(
かどで
)
にしよう。帰り風が
颯
(
さっ
)
と吹く、と
身体
(
からだ
)
も寒くなったと云う。私もしきりに胸騒ぎがする。すぐに
引返
(
ひっかえ
)
して帰ったんだよ。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雪の
夜路
(
よみち
)
の、人影もない
真白
(
まっしろ
)
な中を、矢来の奥の男世帯へ出先から帰った目に、狭い二階の六畳敷、机の
傍
(
わき
)
なる
置炬燵
(
おきごたつ
)
に、肩まで入って待っていたのが、するりと起直った、逢いに来た
婦
(
おんな
)
の
一重々々
(
ひとえひとえ
)
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“夜”で始まる語句
夜
夜半
夜更
夜中
夜叉
夜具
夜鷹
夜寒
夜明
夜業