吹雪ふゞき)” の例文
越前ゑちぜん武生たけふの、わびしい旅宿やどの、ゆきうもれたのきはなれて、二ちやうばかりもすゝんだとき吹雪ふゞき行惱ゆきなやみながら、わたしは——おもひました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
寢息ねいきもやがて夜着よぎえりしろ花咲はなさくであらう、これが草津くさつつねよるなのである。けれどもれては何物なにものなつかしい、吹雪ふゞきよ、遠慮ゑんりよなくわたしかほでゝゆけ!
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
みじかしとくらこゝろ如何いかばかり長閑のどけかるらんころ落花らくくわの三ぐわつじんちればぞさそあさあらしにには吹雪ふゞきのしろたへ流石さすがそでさむからでてふうらの麗朗うら/\とせしあまあがり露椽先ぬれゑんさき飼猫かひねこのたまかるきて首玉くびたましぼばなゆるものは侍女こしもとのお八重やへとてとし優子ゆうこに一おとれどおとらずけぬ愛敬あいけう片靨かたゑくぼれゆゑする目元めもとのしほの莞爾につこりとして
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
吹雪ふゞきに、なんつてそとようと、放火つけび強盜がうたう人殺ひとごろしうたがはれはしまいかとあやぶむまでに、さんざんおもまどつたあとです。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
このつきこのよる——すべてがわたしにそれでいゝ!おゝ、そとにはますます吹雪ふゞきれることよ。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
さつと吹雪ふゞきであります。さつとくあとを、ぐわうーとる。……次第しだいいへごとゆするほどにりましたのに、なん寂寞さびしさだか、あの、ひつそりと障子しやうじおと
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
吹雪ふゞきなかの、雪道ゆきみちに、しろつゞいたみやを、さながらみねきづいたやうに、たか朦朧もうろうあふぎました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
が、みやくつて吹雪ふゞきると、呼吸こきふむせんで、めしひのやうにるのでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……すご吹雪ふゞき不思議ふしぎことあひました、のおはなしをするのであります。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もう/\として、八疊はちでふくろ吹雪ふゞき
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)