ます)” の例文
私はこの時母の前へ此三ツの貨幣を置いて其廻そのまはりをトン/\踊りまはつたのを覚えてます、「金の機会に、銀の機会に、あかがねの機会だ」
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
或油屋のますが規定に反してゐるとおどしつけた——もう、過ぎ去つた夢だが——そんなことで中流以上の人々に排斥されてをる。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
一昨日おとといの晩からきッ切り、おなじく、」と鼻を指して、「ね、さっき使つかいが来て、今夜は遅くとも帰るッていうんだ、ねえ、ますどん。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「うむ、馬を小舎こやに繋いで置いたから、急いで牡蠣を一ますやつてくれ。」フランクリンはかう言つて、亀縮かじかむだ掌面てのひらおとがひを撫でまはした。
一リツトルといふますには、小麦が一万粒はいる。十リツトル、即ち一デカリツトルを満たすには百四十万粒要る勘定になる。
そのような効果が、はかりますではかれるように判然とわかるものだったら、医師はさぞ喜びもしまた困る事だろうと思った。
芝刈り (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
学校でく生徒が用いるのも御座いますけれども、斯様の幻燈は只々玩弄物おもちゃに取り、別段学問の為に功はなさんけれども、是れより勝れたる顕微鏡
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あれはコになつてる歯磨をますで買つて来て竜脳りゆうなうちつとばかり交ぜて箱詰にして一と晩置くとプンと好い香がする
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
ぜにさえあれば町に出て一寸ちょいますすみからるのもやすいが、何時いつか一度は露顕ろけんするとおもって、トウ/\辛抱しんぼうして一年のあいだ、正体を現わさずに、翌年の春
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
正覚院しやうがくゐんと云ふものが来て加持し、安石の女にして河合に嫁したおます、「吉田老母」等が夜伽のために来り宿した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
おらあ、あっしは三日めえに品川のます屋で会った、ほんとです、初めて升屋で会って、向うからさそわれて飲みだしたんで、それからずっと酒のつきあいを
あすなろう (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
これからもまたこのイズムに支配せられざるべからずと臆断おくだんして、一短期の過程より得たる輪廓を胸に蔵して、すべてを断ぜんとするものは、ますを抱いて高さを計り
イズムの功過 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
近附ちかづきニナッタガ、ソノ男ガ云ウニハ、オマエ様ハ天府ノ神ヲ御信心ト見エマスガ、左様デ御座リマスカト云ウカラ、年来妙見宮ヲ拝ストイッタラ、左様デ御座リます
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
向島むかうじま武蔵屋むさしや落語らくごくわい権三ごんざますと、四方よも大人うしふでにみしらせ、おのれ焉馬えんば判者はんじやになれよと、狂歌きやうかの友どち一ぴやく余人よにん戯作げさくの口を開けば、遠からん者は長崎ながさきから強飯こはめしはなし、近くば
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
昔の人が十徳じっとくにでも着そうな石摺いしずりの羽織をぼってりと着込んで、風通大嶋ふうつうおおしまあわせの下に黄八丈の下着を見せ、袂の中からますのしきりへひじをついている左の腕をそのまま背中へ廻しているので
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
お多福先づ屋敷のかどの内に入り、手に持てるますの豆を撒くまねしながら、御繁昌様ごはんじょうさまには福は内鬼は外、といふ。この時鬼は門外にありてささらにて地を打ち、鬼にもくれねば這入はいらうか、と叫ぶ。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
聞ても無い/\と計り云は奇怪なり大方おほかたさけもあるに相違あるまじと云つゝ武士さふらひはづか/\と立寄たちよつ酒樽さかだる呑口のみくちますあてがひヤツと一トねぢり捻りければ酒はどく/\出しゆゑおのれこれほど澤山酒もあるものを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「親分も御存じの鍛冶町の酒屋で、ます屋金兵衞の娘お絹。綺麗で可愛らしく滅法仇つぽいのが、昨夜ゆうべ町内の丁子湯へ行つたきり歸つて來ねえ。一と晩大騷動した揚句、今朝になつて、その死骸が土手で、往來の者に見付かりましたよ」
いゝえ、かあさま何にもつかひ道を考へちやないの、だから買つてやりますよ、本たうによいこと、かあさまよろこますかネ
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
ます取りの巧みなる者は一斗の米を一斗三合に計り出し、その拙なる者は九升七合に計り込むことあり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
硝子板にかいて御座いまして、風呂にめ、白紙なり壁なりに写すというのは、世間に沢山御座います
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
親類共ガ毎度私ヲバ不勤故ニ、小馬鹿ニ致シマスガ、天下ノ評定所デ筋違イノ不礼ヲタダス者ハ是迄聞キマセヌ、真偽ヲ知ラヌ兄ヲ持ッタガ私ガ不肖デゴザリます、ト挨拶シタラバ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そして、亭主が台所から牡蠣の一ますをもつて、馬小舎に出掛けたのを見ると
定規じょうぎのようなものが一ほどあるがそれがみんな曲りくねっている。ますはかりの種類もあるが使えそうなものは一つもない。鏡が幾枚かあるがそれらに映る万象はみんなゆがみねじれた形を見せる。
厄年と etc. (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一旦は無事におさまりましたことでござます
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
父の言葉を一々今覚えてりませんが、たゞ一ツしつかりと私の心に留つたことがあります、何かといふと、自分の弱味を知る時はすなはち自分の強くなる時で
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
余儀ナク着テオリますトイッタラ、ソノ外ニモ聞イタコトノ有ルハ、此頃ハモッパラ吉原ハイリヲスル由、世間ニテハ、オノシガ年頃ニハ、ミンナヤメル時分ニ、不届ノ致シ方ダトイロイロ云ウカラ
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ますをお出し
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)