八百屋やほや)” の例文
アヽおかゝつて少々せう/\だんまうしてえ事があつて出ましたんで。書生「おだんまうしたい……エヽ先生八百屋やほや甚兵衛じんべゑさんがお入来いでで。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくしは落胤問題、屋號の縁起、藤井紋太夫の遺骸の埋葬、此等の事件に、彼の海録に載せてある八百屋やほやお七の話をも考へ合せて見た。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「ゲンマイ珈琲? ああ、玄米からこしらへた珈琲。——何だか可笑をかしいと思つてゐた。ゼンマイつて八百屋やほやにあるものでせう?」
あばばばば (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勤居つとめをる其外には傳八と申して私し方に二三年も奉公ほうこう致し是も篤實とくじつ者にて金の番人に致すとて心遣ひのなき者にて深川一しき町に八百屋やほやを仕つり當時は妻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
界隈かいわい景色けしきがそんなに沈鬱ちんうつで、濕々じめ/\としてるにしたがうて、ものもまた高聲たかごゑではものをいはない。歩行あるくにも内端うちわで、俯向うつむがちで、豆腐屋とうふやも、八百屋やほやだまつてとほる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
坂井さかゐ道具屋だうぐや素性すじやうつてゐた。出入でいり八百屋やほや阿爺おやぢはなしによると、坂井さかゐいへ舊幕きうばくころなんとかのかみ名乘なのつたもので、この界隈かいわいでは一番いちばんふる門閥家もんばつかなのださうである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うやまつて申し奉る、笛によるの秋の鹿、つまゆゑ身をばこがすなる、五人女の三の筆、色もかはりて江戸桜、盛りの色を散らしたる、八百屋やほやの娘お七こそ、恋路の闇のくらがりに
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ひさしい馴染なじみでござんしたけれどいまるかげもなく貧乏びんぼうして八百屋やほやうらちいさなうちにまい/\つぶろのやうになつてまする、女房にようぼもあり子供こどももあり、わたしがやうなものひにとしではなけれど
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
八百屋やほやの店にはえた野菜。
心の姿の研究 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
おとにきこえた八百屋やほやの娘
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
八百屋やほやの店に慈姑くわゐがすこし。慈姑の皮の色は上品だなあ。古い泥七宝でいしつぱうの青に似てゐる。あの慈姑くわゐを買はうかしら。うそをつけ。買ふ気のないことは知つてゐる癖に。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
女中ぢよちうはうは、前通まへどほりの八百屋やほやくのだつたが、下六番町しもろくばんちやうから、とほり藥屋くすりやまへで、ふと、左斜ひだりなゝめとほり向側むかうがはると、其處そこ來掛きかゝつたうすもの盛裝せいさうしたわかおくさんの
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へい今日こんにちは、八百屋やほやでござい。「ナニ八百屋やほやか、けふはさかなやが惣菜そうさいをおいてつたからまづいゝね。 ...
狂言の買冠 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
町内ちやうないに二十ねんんでゐる八百屋やほやおやぢ勝手口かつてぐちでわざ/\説明せつめいしてれたことがある。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
八百屋やほやしちがおしおきの
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
羽賀井一心斎はがゐいつしんさいを知つたのも、妲妃だつきのお百を知つたのも、国定忠次を知つたのも、祐天上人いうてんしやうにんを知つたのも、八百屋やほやお七を知つたのも、髪結新三かみゆひしんざを知つたのも、原田甲斐を知つたのも
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「だつてあるかないからないが、八百屋やほやつたらばれいしゆがあるだらう。」
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あ、はや八百屋やほやへおいで、」とつた。女中ぢよちう
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
八百屋やほやつてうなさるんです。」
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)