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亂雜
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らんざつ
居室に
歸つて
見ると、ちやんと
整頓て
居る。
出る
時は
書物やら
反古やら
亂雜極まつて
居たのが、
物各々所を
得て
靜かに
僕を
待て
居る。
文壇の
論陣今や
輕佻
亂雜卑小に
流れて、
飽までも
所信に
邁進する
堂々たる
論客なきを
思ふ時、
泡鳴さんのさうした
追憶も
私には
深い懷しさである。
「いや
御覽の
如く
亂雜な
有樣で」と
言譯らしい
返事をしたが、それを
緒に、
子供の
世話の
燒けて、
夥だしく
手の
掛る
事などを
色々宗助に
話して
聞かした。
「
管あねえで
歸れよ、おとつゝあ
酩酊つてんだから」
女房はおつぎの
意を
汲んでやつた。
後では
亂雜に
散らかした
道具の
始末をしながら
女房等はいつた。
從ツて
飯を
食ふ、寢る、起きる、
総べて生活が
自堕落となツて、朝寢通すやうなこともある、
此くして彼は立派な
怠者となツて、其の
居室までもやりツぱなしに
亂雜にして置くやうになツた。
彼等の
戴いて
居る
裝飾が
其光に
觸れゝば
悉く
目を
射るやうにはつきりと
白く
見え
出した。
殆んど
疲勞といふことを
感じないであらうかと
怪しまれる
彼等は
益々興に
乘じて
少し
亂雜に
成り
掛けた。
饂飩が
竭きて
茶碗が
亂雜に
投げ
出された
時夜の
遲いことに
無頓着な
彼等はそれから
暫く
止めどもなく
雜談に
耽つた。
彼等は
遂に
自分の
村落に
野合の
夫婦が
幾組あるかといふことをさへ
數へ
出した。