トップ
>
骨柄
>
こつがら
ふりがな文庫
“
骨柄
(
こつがら
)” の例文
器量
骨柄
(
こつがら
)
が尋常を絶した人々も、一代の間にはこの小さな島をさえ統一し得ず、次々と衰えて子孫は永続しなかった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
滄州牢城の牢営長は、公文の
差紙
(
さしがみ
)
を見た日すでにこう
呟
(
つぶや
)
いた。そしてなお、じっさいの人間を
白洲
(
しらす
)
で見るにおよび、いちばいその
骨柄
(
こつがら
)
に惚れ込んだ
容子
(
ようす
)
で
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四十前後の立派な武士、妹の早瀬よりも人間味があって、何としても主殺しなどをしそうもない
骨柄
(
こつがら
)
です。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのうえ、どことはなく人品
骨柄
(
こつがら
)
に渋みがあって鍛えられたところがあって、
寂
(
さ
)
び
冴
(
さ
)
えすらもがたたえられて、さすがは名取りの焼き人形師と思われる名工ぶりでした。
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
其の
姿
(
なり
)
は
藍微塵
(
あいみじん
)
の糸織の着物に黒の羽織、
絽色鞘
(
ろいろざや
)
に
茶柄
(
ちゃつか
)
の長脇差を差して、年廿四歳、眼元のクッキリした、
眉毛
(
まゆげ
)
の濃い、人品
骨柄
(
こつがら
)
賤
(
いや
)
しからざる人物がズーッと入りましたから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
引開
(
ひきあけ
)
て直しける
雪踏
(
せつた
)
の
鼻緒
(
はなを
)
の
最
(
いと
)
太
(
ふと
)
き心を隱す元益が出てしづ/\進み入に店の者等は之を見れば
年
(
とし
)
未
(
ま
)
だ
三十路
(
みそぢ
)
に
足
(
たら
)
ざれど
人品
(
じんぴん
)
骨柄
(
こつがら
)
賤
(
いや
)
しからず
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
に丸の中に
桔梗
(
ききやう
)
の
紋
(
もん
)
附
(
つき
)
たる
羽織
(
はおり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
尚おその以前に
木山弾正
(
きやまだんじょう
)
という勇者がこの辺にございまして、一度清正公を組み伏せたことがあります。五郎は
骨柄
(
こつがら
)
の
勝
(
すぐ
)
れたところが弾正の生れ
更
(
かわ
)
りだろうという評判でございました。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
あるいは
部落
(
ゾオン
)
にたぐまる
吸殻
(
メゴ
)
屋の情婦にでもなりかねぬ末たのもしい面相
骨柄
(
こつがら
)
。
ノンシャラン道中記:01 八人の小悪魔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
座長と見える老爺など終生
水呑百姓
(
みずのみびゃくしょう
)
の見るからに武骨そのものの
骨柄
(
こつがら
)
であるが、巧みに女形をしこなして優美哀切を極め、涙の袖をしぼらせること、いつの年も変りがないということである。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
慇懃
(
いんぎん
)
に吾を導くにまかせ、次第に峰に上るうち、
御嶽
(
おんたけ
)
山頂の砦に着き、御嶽冠者に逢って見れば、噂に
優
(
まさ
)
る人品
骨柄
(
こつがら
)
、智徳兼備の大将振りに、吾ことごとく感に入り、その一党の仲間となり
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その眼もとも、父太子に似て涼しく澄んでゐたが、それでゐて人品
骨柄
(
こつがら
)
は全体として父親とは似てもつかず、あくまで大ぶりで筋骨逞ましく、気骨もそれによくふさつて
稜々
(
りょうりょう
)
たるものがあつた。
鸚鵡:『白鳳』第二部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
呼延灼
(
こえんしゃく
)
をごらんあって、徽宗もたいそう頼もしがられた。風貌、物ごし、
音声
(
おんじょう
)
、まさに
万夫不当
(
ばんぷふとう
)
の
骨柄
(
こつがら
)
である。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
母にて
候
(
そうろ
)
ふ者子無きことを悲み、此十王堂に一七日
籠
(
こも
)
り、満ずる
暁
(
あかつき
)
に霊夢の
告
(
つげ
)
あり、懐胎して十八月にしてそれがし誕生せしに、
骨柄
(
こつがら
)
たくましく面の色赤く、向ふ歯あつて髪はかぶろなり。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
見れば上段の
簾
(
みす
)
の前に
頭
(
かしら
)
は
半白
(
はんぱく
)
にして
威
(
ゐ
)
有て
猛
(
たけ
)
からぬ一人の
侍
(
さふら
)
ひ
堂々
(
だう/\
)
として控へたり是ぞ山内
伊賀亮
(
いがのすけ
)
なり次は未
壯年
(
さうねん
)
にして
骨柄
(
こつがら
)
賤
(
いや
)
しからぬ
形相
(
ぎやうさう
)
の侍ひ二人是ぞ赤川
大膳
(
だいぜん
)
と藤井
左京
(
さきやう
)
にて何れも大家の家老職と云とも
恥
(
はづ
)
かしからざる
人品
(
じんぴん
)
にて
威儀
(
ゐぎ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「どう見ても、世評を裏切らぬうつけ者、
容貌
(
きりょう
)
はよし、
骨柄
(
こつがら
)
も
一通
(
ひととお
)
りじゃが、すこし足らぬ。……ここが」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
願奉ると
叮嚀
(
ていねい
)
に述ければ
圍爐裡
(
ゐろり
)
の
端
(
はた
)
に年頃卅六七とも見ゆる男の
半面
(
はんめん
)
に
青髭
(
あをひげ
)
生
(
はえ
)
骨柄
(
こつがら
)
は
然
(
さ
)
のみ
賤
(
いや
)
しからざるが火に
煖
(
あた
)
りて居たりしが夫は
定
(
さだ
)
めし
難澁
(
なんじふ
)
ならん
疾々
(
とく/\
)
此方
(
こなた
)
へ
上
(
あが
)
り給へ併し
空腹
(
くふふく
)
とあれば
直
(
すぐ
)
に火に
煖
(
あたる
)
は
宜
(
よろし
)
からず先々
臺所
(
だいどころ
)
へ行て
食事
(
しよくじ
)
いたし其
後
(
ご
)
火の
邊
(
へん
)
へ
依
(
より
)
玉へと
最
(
いと
)
慇懃
(
ねんごろ
)
に申けるに吉兵衞は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
土豪には土豪の
土臭
(
どしゅう
)
、武者には武者の
骨柄
(
こつがら
)
があるものだが、正成には、そんな
力
(
りき
)
みがどこにもなかった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのため、めっきり気丈者になり、
骨柄
(
こつがら
)
も失礼ながら、あなた様に
髣髴
(
ほうふつ
)
たるものが見え参りました。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
坂東者
(
ばんどうもの
)
に多い特有な
骨柄
(
こつがら
)
なのだ。それに、幼いときの
疱瘡
(
ほうそう
)
のあとが、浅黒い地肌に妙な白ッぽさを沈めており、これも女子には好かれそうもない損の一つになっている。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下役どもより聞いた御年配、
骨柄
(
こつがら
)
、きょう半日の城下でのお歩きの様子など、思いあわせて、尊公との推察は、よも
外
(
はず
)
れぬものと、自信をもってお迎えしたわけでござる
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はい。一見ただの旅商人にすぎませんが、ちょっと話してみても尋常な
骨柄
(
こつがら
)
でないことはすぐ分りました。なにせい、隠岐のご配所まで忍んで渡ったと申すほどな男ですから」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
覆面こそしていた由だが、火光
歴々
(
れきれき
)
、
骨柄
(
こつがら
)
から働き振りまで、秦明その者にまぎれなしと、目撃した兵のすべてが一致した声だ。憎ッくい奴め。よくも
慕蓉
(
ぼよう
)
の恩寵を裏切りおったな。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猟師にしては、どこか
骨柄
(
こつがら
)
の
秀
(
ひい
)
でたところが見えたからである。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よい
骨柄
(
こつがら
)
の若者。これが、自分の
弟
(
おとうと
)
だったか。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
骨
常用漢字
小6
部首:⾻
10画
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“骨”で始まる語句
骨
骨董
骨牌
骨折
骨董屋
骨髄
骨董品
骨肉
骨頂
骨骼