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電柱
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でんちう
警備隊から、
驚破と
駈つけた
兵員達は、
外套も
被なかつたのが
多いさうである。
危險を
冒して、あの
暴風雨の
中を、
電柱を
攀ぢて、
消しとめたのであると
聞いた。
しかし
次の
日の
暮れ
方、おれは
帰りゆく
労働者のすべての
拳しの
中に
握り
占められたビラの
端を
見た
電柱の
前に、
倉庫の
横に、
風にはためく
伝単を
見た、
同志よ
安んぜよ
小兒たちと
一所に、あら/\と、また
言ふ
隙に、
電柱を
空に
傳つて、
斜上りの
高い
屋根へ、きら/\きら/\と
青く
光つて
輝きつゝ、それより
日の
光に
眩しく
消えて、
忽ち
唯一天を
これが
角屋敷で、
折曲ると
灰色をした
道が
一筋、
電柱の
著しく
傾いたのが、
前と
後へ、
別々に
頭を
掉つて
奧深う
立つて
居る、
鋼線が
又半だるみをして、
廂よりも
低い
處を、
弱々と、
斜めに
滅びるといつて、
敢て
此の
部落が
無くなるといふ
意味ではない、
衰へるといふ
意味ではない、
人と
家とは
榮えるので、
進歩するので、
繁昌するので、やがて
其電柱は
眞直になり、
鋼線は
張を
持ち
單に
電柱ばかりでない、
鋼線ばかりでなく、
橋の
袂の
銀杏の
樹も、
岸の
柳も、
豆腐屋の
軒も、
角家の
塀も、それ
等に
限らず、あたりに
見ゆるものは、
門の
柱も、
石垣も、
皆傾いて
居る、
傾いて
居る
“電柱”の意味
《名詞》
電柱(でんちゅう)
電線・ケーブルを伝わし、分岐させ、変圧器を付けるための柱。電話線を伝わす電信柱(でんしんばしら)としばしば混用される。電力柱とも言う。
(出典:Wiktionary)