破裂はれつ)” の例文
まへのは砲兵工廠はうへいこうしやうけたときで、つゞいて、日本橋にほんばし本町ほんちやうのきつらねた藥問屋くすりどひやくすりぐらが破裂はれつしたとつたのは、五六日ごろくにちぎてのこと
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あるのこと、おさくが、廊下ろうかのそうじをしていると、ぼっちゃんのほうのしつで、電球でんきゅう破裂はれつしたときのような、すさまじいおとがしました。
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何かが破裂はれつしたのだ。客はギクリとしたようだったが、さすがは老骨ろうこつだ。禅宗ぜんしゅう味噌みそすり坊主ぼうずのいわゆる脊梁骨せきりょうこつ提起ていきした姿勢しせいになって
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
同時につぶつぶした荒い霰が降り出して轟々たる霹靂へきれきに和し天地を震動する様は雪峰も破裂はれつしようかという勢いであった。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
たとへわがふね全檣ぜんしやう蒸滊機關じようききくわん破裂はれつするまで石炭せきたんいてげやうとも如何いかうすること出來できやう。
銃猟は面白いものであろう。然しあのあわただしい羽音と、小さな心臓しんぞう破裂はれつせんばかり驚きおびえた悲鳴を聞いては……
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それは下にせまっている警官隊のまん中で大きな音をあげて破裂はれつした。警官たちは将棋しょうぎだおしになった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
金右衞門は下へドタリと落ちるはずみに、弱つて居た心の臟を破つたんだ(心臟破裂はれつ)、それつきりさ。死骸ののどの跡が薄かつたのも首の伸びてゐないのもその爲だ
筒の中の火薬かやく破裂はれつして、ドーン! とすさまじい火とはい炸裂さくれつした物体ぶったい破片はへんいあげた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日は煙突に火薬をめて破裂はれつさせた。その為めに座敷の道具が大分壊れた。お父さんもお母さんも乃公を叱るけれど、実際乃公が悪いか如何どうか、少し道理わけの分る人に判断をして貰いたい。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「さア來た! 遊廓の逃亡がばれやがつた! 爆彈が破裂はれつしやがつたぞ!」
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
ところへ野だがすでに紀伊の国を済まして、かっぽれを済まして、たな達磨だるまさんを済して丸裸まるはだか越中褌えっちゅうふんどし一つになって、棕梠箒しゅろぼうきを小脇にい込んで、日清談判破裂はれつして……と座敷中練りあるき出した。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うわーい 破裂はれつしたい
でつかんしよに、愉快ゆくわいぶし、妓夫臺ぎふだい談判だんぱん破裂はれつして——すゝめツ——いよう、御壯ごさかん、どうだい隊長たいちやうと、わめふ。——どうも隊長たいちやう。……まことに御壯ごさかん
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
無※ばかなツ。』とわたくし勃然むつとしてしまつた。日頃ひごろから短氣たんきわたくし持病やまひ疳癪玉かんしやくだま一時いちじ破裂はれつしたよ。
「笑っていろ、笑っていろ、そして、いまに見ているがいい、この下の煙硝庫えんしょうぐら破裂はれつして、やぐらもきさまもおいらも、一しょくたに、みじんに吹ッ飛ばされるから」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
府中の町を出はなれたかと思うと、おいかけて来た黒雲が彼の頭上ずじょう破裂はれつした。突然だしぬけに天の水槽たんくの底がぬけたかとばかり、雨とは云わず瀑布落たきおとしに撞々どうどうと落ちて来た。紫色の光がぱッと射す。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
勿論もちろんこと成敗せいばい豫期よきがたいが、萬一まんいち氣球ききゆう空中くうちう破裂はれつするとか、其他そのた異變ゐへんために、使命しめいはたこと出來できなければ夫迄それまでこと此方こなた電光艇でんくわうていは、約束やくそく本島ほんたうはつし、橄欖島かんらんたうおもむいて、數日すうじつつても