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登
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あが
ふりがな文庫
“
登
(
あが
)” の例文
先達
(
せんだっ
)
て
私
(
わたくし
)
は或るお方のお供をいたして、
堀越
(
ほりこし
)
團
(
だん
)
十
郎
(
ろう
)
と二人で草津へ参って、
彼
(
か
)
の温泉に居りましたが、
彼処
(
あすこ
)
は山へ
登
(
あが
)
るので車が利きません。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まだ庭の濃い
椿
(
つばき
)
の葉なぞは明るかった。岸本はその足で庭から縁側の上に
登
(
あが
)
って、仏壇のある部屋の方まで行って見た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
名刺を差出すとどうぞ暫くと、云い残して二階へ
登
(
あが
)
って行くと入違いに快活な三十歳位の男が降りて来て
磊落
(
らいらく
)
な
語調
(
ちょうし
)
で
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
さっさと
登
(
あが
)
っていった家は意外と言えば意外ですが、先程宵のうちに待ち伏せていて、恋慕の
口説
(
くぜつ
)
を掻きくどいたあの散茶女郎水浪のいる淡路楼でした。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
三藏は初めて料理屋に
登
(
あが
)
る。同級生の會合なぞで一二度行つたことはあつたが一人で
登
(
あが
)
つたのは初めてである。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
その夜は
其
(
そ
)
のままにして再び寝台へ
登
(
あが
)
ったが、
彼
(
か
)
の怖しい顔がまだ眼の
前
(
さき
)
に
彷彿
(
ちらつ
)
いて、
迚
(
とて
)
も寝られる筈がない、ただ怖い怖いと思いながら一刻千秋の
思
(
おもい
)
で
其
(
その
)
夜
(
よ
)
を
明
(
あか
)
した。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
商売抦
外見無
(
みえな
)
しに引被け、転宿でもなさりたいのかと、膝の上の糸屑を丸めながら二階へ
登
(
あが
)
って、貞之進の部屋の前まで行けば、お這入り/\といつにない
愛素
(
あいそ
)
しいに
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
文三
初
(
はじめ
)
は何心なく二階の
梯子段
(
はしごだん
)
を二段三段
登
(
あが
)
ッたが、不図立止まり、何か
切
(
しき
)
りに考えながら、一段降りてまた立止まり、また考えてまた降りる……
俄
(
にわ
)
かに気を取直して
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「神山樣の家から歸つて、裏梯子を二階へ
登
(
あが
)
ると、父さんがあんなになつて——」
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その中に十一時半になってしまいましたので、何んだか急に馬鹿馬鹿しくもなって、其の足でぶらぶら歩いて引っ返し、
千住
(
せんじゅ
)
の
万字楼
(
まんじろう
)
という家へ
登
(
あが
)
って
花香
(
はなか
)
という女を買って遊びました。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
夜も更けた事ではあるし、幸い懐に金もあり、
且
(
かつ
)
はあまりの馬鹿々々しさに、一騒ぎ騒ごうと思って、彼はそのまゝ電車に乗って品川に至り、某楼に
登
(
あが
)
って、今朝方帰って来たのだと云う。
琥珀のパイプ
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
五、六人で日本料理屋へ
登
(
あが
)
るとオイこれを帳場へ遣ってくれろと二円も三円も祝儀を奮発する癖に西洋料理屋へ往って今日のスープは格別の味に出来ているからと五十銭銀貨を料理人に遣る人もない。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
冷遇
(
ふッ
)
て冷遇て
冷遇
(
ふり
)
抜いている客がすぐ前の
楼
(
うち
)
へ
登
(
あが
)
ッても、他の花魁に見立て替えをされても、
冷遇
(
ふッ
)
ていれば
結局
(
けッく
)
喜ぶべきであるのに、外聞の意地ばかりでなく、
真心
(
しんしん
)
修羅
(
しゅら
)
を
焚
(
もや
)
すのは遊女の
常情
(
つね
)
である。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
客が三人、松葉屋へ
登
(
あが
)
った。前々からの馴染とみえて
傾城買虎之巻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
トントン/\と
登
(
あが
)
るをすが
籬
(
がき
)
のうちから見て、あゝ来て呉れたなと嬉しく飛立つようですが、他の
張店
(
はりみせ
)
している娼妓の手前もありますので
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
本郷竜岡町の下宿屋秋元の二階を、
登
(
あが
)
って左りへ突当りの六畳敷を天地とする、ことし廿一の修行盛り、はや起をしば/\宿の主に賞揚された、
目賀田貞之進
(
めがたていのしん
)
という男だ。
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
だが、曲るは曲って行ったにしても、
素見
(
ひやかし
)
一つするでもなく、勿論
登
(
あが
)
ろうというような気はいは更になく、唯何と言うことなくぶらりぶらりと、曲っていっただけの事でした。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
その真偽を決するのは今夜にあると、私は宵から
寝台
(
ねだい
)
に
登
(
あが
)
ったが、眼は冴えて神経は鋭く、そよとの風にも胸が
跳
(
おど
)
って
迚
(
とて
)
も寝入られる筈がない、その
中
(
うち
)
に段々、夜も
更
(
ふ
)
けて
恰
(
あたか
)
も午前二時
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
登
(
あが
)
ったのは多分十二時半か一時頃でしょう。翌朝其処を出たのは六時半頃です
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
やおらと上に
登
(
あが
)
りて座敷へ通り
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
又「だが
登
(
あが
)
りもしようが、婦人を
傍
(
そば
)
へ置いて
唯
(
たゞ
)
寝る訳にも
往
(
い
)
かんが、何か
食物
(
しょくもつ
)
を取らんではならんが、酒と肴はどのくらいな値段であるか承わって置こう」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
歌ちゃんあの方のお名前を知って居るかえ、いゝえ知らないよ
過日
(
このあいだ
)
鳴鳳楼で大勢の時お目に懸ったばかり、伺って御覧な、何とか
云
(
いう
)
んだっけ、
狡
(
こす
)
いよと笑いながらまた連立て
登
(
あが
)
って来たが
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
登
(
あが
)
るのでもない。
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ふりに
登
(
あが
)
ったお客なれどもお金をたんと持って居るとの事、目の悪い客衆に会い、
私
(
わっし
)
の無心を
諾
(
き
)
いて下さるか
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
発矢
(
はっし
)
の二三十も
列
(
なら
)
べて
闘
(
たたか
)
いたれどその間に足は
記憶
(
おぼえ
)
ある二階へ
登
(
あが
)
り花明らかに鳥何とやら書いた額の下へついに落ち着くこととなれば六十四条の解釈もほぼ定まり
同伴
(
つれ
)
の男が隣座敷へ出ている小春を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
どうして
厳
(
やか
)
ましい、茶屋へでも知れた日にゃア大騒ぎだ、それはいけねえ、
私共
(
わっちども
)
が
登
(
あが
)
る処のチョン/\格子なら、あのお多福と
見立替
(
みたてがえ
)
という事が出来るけれども
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と二人は厚く礼を云い、伊之助を
引
(
ひっ
)
ぱって
連往
(
つれゆ
)
きます。伊之助も怖いから三人で
漸々
(
だん/″\
)
逃げて、また大門を這入って松葉屋へ
登
(
あが
)
りました。それなら出て来なければ
宜
(
い
)
いに。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見物かた/″\根津へ往って
引張
(
ひっぱ
)
られて
登
(
あが
)
ったのが縁さねえ、処が
此奴
(
こいつ
)
中々
手管
(
てくだ
)
が有って帰さないから、とうとうそれがお前さん道楽の
初
(
はじま
)
りで
酷
(
ひど
)
いめに遭いましたけれども
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今夜も
懶
(
なま
)
けものの癖として品川へ
素見
(
ひやかし
)
にまいり、元より恵比寿講をいたす気で
某
(
ある
)
楼
(
うち
)
へ
登
(
あが
)
りましたは宵の口、
散々
(
さんざ
)
ッ
腹
(
ぱら
)
遊んでグッスリ遣るとあの火事騒ぎ、
宿中
(
しゅくじゅう
)
は
鼎
(
かなえ
)
の
沸
(
わ
)
くような塩梅しき
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
由「
然
(
そ
)
うでげすな……おッ旦那月が
登
(
あが
)
って来ました、
好
(
よ
)
うがすなア、月の光で川の様子を見ながら参りますと退屈
凌
(
しの
)
ぎになりますよ……あ来ました/\お前さん此の鞄を持ってゝ下さい」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又「何が苛い、買いたいと思ったから
登
(
あが
)
ったわ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
登
常用漢字
小3
部首:⽨
12画
“登”を含む語句
攀登
先登
登米
登楼
登攀
登城
木登
登山
能登守
山登
鰻登
馳登
登用
登校
登樓
登口
滝登
御登城
登々庵武元質
能登
...