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ぶば
ふりがな文庫
“
武張
(
ぶば
)” の例文
内面の羞耻と、外面の堂々さと、———此の矛盾を抱いた子供が肩を怒らして
武張
(
ぶば
)
って立っている様子は、幾分
滑稽
(
こっけい
)
だったであろう。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
けれども
自分
(
じぶん
)
でそれをやった
覚
(
おぼ
)
えはございませぬ。
京
(
きょう
)
とは
異
(
ちが
)
って
東国
(
とうごく
)
は
大体
(
だいたい
)
武張
(
ぶば
)
った
遊
(
あそ
)
び
事
(
ごと
)
が
流行
(
はや
)
ったものでございますから……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そういう気持を現わすのにも彼らは
武張
(
ぶば
)
った言葉しか知らないのだ。従って、恐る恐る顔を出した土民には通じるわけが無かった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
或日、
武張
(
ぶば
)
った様子をした五十五六の立派な男が、広教寺へ墓参に来た。土地の豪家で北辰一刀流の達人、橋本久五郎という人物である。
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私はそれを受取って、パラパラとくって見たが、そこには、昔風な
武張
(
ぶば
)
った名前が、朱線でつらねてあるばかりであった。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
そのくせ
武張
(
ぶば
)
ってみせるのだ。
朝
(
ちょう
)
に上っても、柔軟な公卿を、その小柄で下に見る風があるので、見られる者は何となく
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
剣術の全盛
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に
癸亥
(
みづのとい
)
の前後と云うものは、世の中は唯無闇に
武張
(
ぶば
)
るばかり。その武張ると云うのも
自
(
おのず
)
から由来がある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そして下唇は上唇に覆われて縮みあがっているのを無理矢理に
武張
(
ぶば
)
ろうとして絶間なくゴムのように伸したがっていた。
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
頭髪
(
かみ
)
を
打
(
ぶ
)
っ返しにして、
鼠紬
(
ねずつむぎ
)
の小袖、茶がかった
袴
(
はかま
)
をはいて、しずかに坐ったところは、少しも
武張
(
ぶば
)
ったところがない。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
五文の木戸銭は
高価
(
たか
)
くはないが、芸人は劉ひとり、それも、刀操術などと大きく、
武張
(
ぶば
)
ったところで、能とする演技は、例の小刀投げのいってんばりだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
助太郎は
武張
(
ぶば
)
った男で、髪を
糸鬢
(
いとびん
)
に結い、
黒紬
(
くろつむぎ
)
の紋附を着ていた。そしてもう
藍原氏
(
あいばらうじ
)
かなという嫁があった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
麻は冷たい、さっくりとして
膚
(
はだ
)
にも着かず、
肩肱
(
かたひじ
)
は
凜々
(
りり
)
しく
武張
(
ぶば
)
ったが、中背で
痩
(
や
)
せたのが、薄ら寒そうな
扮装
(
なり
)
、襟を引合わせているので物優しいのに、
細面
(
ほそおもて
)
で色が白い。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そもそも
武張
(
ぶば
)
った歴史を持ったもので、
日本武尊
(
やまとたけるのみこと
)
が秩父の山に武具を
蔵
(
おさ
)
めたのがその起源と古くより伝えられていますが、御岳山の人に言わせると、それは秩父ではない
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
昔のスパルタ人の教育法は無やみに
武張
(
ぶば
)
って、勇ましくいさましくとのみ教えた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
さすがにかっぷくがよくて挨拶にもどこか
武張
(
ぶば
)
ったところがあるとはいうもののこれが昔二龍山の戦いに
僅
(
わずか
)
に生き残った二人のうちの一人で、二龍山のぬしと
綽名
(
あだな
)
されて感状や
金鵄勲章
(
きんしくんしょう
)
を授与され
結婚
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
武張
(
ぶば
)
った事を御好みになりましたが、若殿様はまた
詩歌管絃
(
しいかかんげん
)
を何よりも御喜びなさいまして、その道々の名人上手とは、御身分の上下も御忘れになったような、隔てない御つき合いがございました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
御家人
(
ごけにん
)
旗本
(
はたもと
)
の間の大流行は、
黄白
(
きじろ
)
な色の
生平
(
きびら
)
の羽織に
漆紋
(
うるしもん
)
と言われるが、
往昔
(
むかし
)
家康公
(
いえやすこう
)
が関ヶ原の合戦に用い、水戸の御隠居も生前好んで常用したというそんな
武張
(
ぶば
)
った風俗がまた江戸に
回
(
かえ
)
って来た。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
弓馬
(
きゅうば
)
の
道
(
みち
)
に
身
(
み
)
を
入
(
い
)
れる、
武張
(
ぶば
)
った
人
(
ひと
)
ではございましたが、八十
人力
(
にんりき
)
などというのは
嘘
(
うそ
)
でございます。
気立
(
きだ
)
ても
存外
(
ぞんがい
)
優
(
や
)
さしかった
人
(
ひと
)
で……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
平生
(
へいぜい
)
は短い
脇差
(
わきざし
)
を
挟
(
さ
)
して大名に
貰
(
もらっ
)
た
縮緬
(
ちりめん
)
の羽織を着てチョコ/\歩くと云うのが
是
(
こ
)
れが坊主の本分であるのに、世間が
武張
(
ぶば
)
るとこの茶道坊主までが妙な風になって
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と僕は、もう一度眼ばたきをして
眩
(
つぶや
)
いた。その人だかりの中には七郎丸の祖父と父親が紋付の羽織を着て控えている。僕の父親も同じような姿で、
酷
(
ひど
)
く
武張
(
ぶば
)
った顔つきをしている。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
武張
(
ぶば
)
った家柄だけに、名剣名槍などとともに、馬には
逸物
(
いつぶつ
)
がそろえてある。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
斯
(
か
)
く
天狗
(
てんぐ
)
は
本来
(
ほんらい
)
中性
(
ちゅうせい
)
ではありますが、しかし
性質
(
せいしつ
)
からいえば、
非常
(
ひじょう
)
に
男
(
おとこ
)
らしく
武張
(
ぶば
)
ったのと、
又
(
また
)
非常
(
ひじょう
)
に
女
(
おんな
)
らしく
優
(
や
)
さしいのとの
区別
(
くべつ
)
があり、
化
(
ばけ
)
る
姿
(
すがた
)
もそれに
準
(
じゅん
)
じて、
或
(
あるい
)
は
男
(
おとこ
)
になったり
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
武
常用漢字
小5
部首:⽌
8画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“武”で始まる語句
武士
武
武蔵
武蔵野
武家
武器
武夫
武生
武者振
武者