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枯野
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かれの
ふりがな文庫
“
枯野
(
かれの
)” の例文
跡にて
口善惡
(
くちさが
)
なき女房共は、少將殿こそ
深山木
(
みやまぎ
)
の中の楊梅、
足助殿
(
あすけどの
)
こそ
枯野
(
かれの
)
の
小松
(
こまつ
)
、何れ花も
實
(
み
)
も有る
武士
(
ものゝふ
)
よなどと言い合へりける。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
老人と少年と、立てられた自転車が、広い
枯野
(
かれの
)
の上にかげを落として、しばらく美しい音楽にきき入った。老人は目になみだをうかべた。
うた時計
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
素直に伸びたのを其のまゝ
撫
(
な
)
でつけた
白髪
(
しらが
)
の
其
(
それ
)
よりも、
尚
(
なお
)
多いのは
膚
(
はだ
)
の
皺
(
しわ
)
で、
就中
(
なかんずく
)
最も深く刻まれたのが、
脊
(
せ
)
を低く、
丁
(
ちょう
)
ど糸車を前に、
枯野
(
かれの
)
の末に
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
人穴城
(
ひとあなじょう
)
の火が、
枯野
(
かれの
)
へ燃えひろがって、いちめんの火ですよ、そのために、
徳川勢
(
とくがわぜい
)
と
武田方
(
たけだがた
)
の
合戦
(
かっせん
)
は、両陣ひき分けになったかと聞きましたが、人穴城から焼けだされた
野武士
(
のぶし
)
は
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たいした雪でもなかったが、退屈していた資盛は、雪にかこつけて、
枯野
(
かれの
)
へ
鷹狩
(
たかがり
)
に出かけていった。年頃も、同じ程度のいずれおとらぬ、腕白共を従え、京に帰ってきたのは、既に日暮れ方である。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
こおろぎの
音
(
ね
)
も
細々
(
ほそぼそ
)
と
明
(
あ
)
け
暮
(
く
)
れて、
風
(
かぜ
)
に
乱
(
みだ
)
れる
芒叢
(
すすきむら
)
に、三つ四つ五つ、
子雀
(
こすずめ
)
の
飛
(
と
)
び
交
(
か
)
うさまも、いとど
憐
(
あわ
)
れの
秋
(
あき
)
ながら、ここ
谷中
(
やなか
)
の
草道
(
くさみち
)
ばかりは、
枯野
(
かれの
)
も
落葉
(
おちば
)
も
影
(
かげ
)
さえなく、
四季
(
しき
)
を
分
(
わか
)
たず
咲
(
さ
)
き
競
(
そ
)
うた
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
わが漂泊の詩人
芭蕉
(
ばしょう
)
は『旅に病んで夢は
枯野
(
かれの
)
をかけめぐる』
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
てら/\と石に日の照る
枯野
(
かれの
)
かな
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
汀
(
なぎさ
)
に
裂
(
さ
)
けし
芭蕉
(
ばせを
)
の
葉
(
は
)
、
日
(
ひ
)
ざしに
翳
(
かざ
)
す
扇
(
あふぎ
)
と
成
(
な
)
らずや。
頬
(
ほゝ
)
も
腕
(
かひな
)
も
汗
(
あせ
)
ばみたる、
袖
(
そで
)
引
(
ひ
)
き
結
(
ゆ
)
へる
古襷
(
ふるだすき
)
は、
枯野
(
かれの
)
の
草
(
くさ
)
に
褪
(
あ
)
せたれども、うら
若
(
わか
)
き
血
(
ち
)
は
燃
(
も
)
えんとす。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もう、
梢
(
こずえ
)
のすがたは見えなかった。白い
枯野
(
かれの
)
の
朝靄
(
あさもや
)
から、
鴉
(
からす
)
が立ってゆく。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蕭条
(
しょうじょう
)
として石に日の入る
枯野
(
かれの
)
哉
(
かな
)
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
譬
(
たと
)
ひ今は世に亡き人にもせよ、正に自分の恋人であればだけれども、
可怪
(
おかし
)
、
枯野
(
かれの
)
の妖魔が
振舞
(
ふるまい
)
、我とともに死なんといふもの、恐らく
案山子
(
かかし
)
を
剥
(
は
)
いだ
古蓑
(
ふるみの
)
の
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
枯野
(
かれの
)
の
冷
(
ひえ
)
が
一幅
(
ひとはば
)
に細く肩の
隙
(
すき
)
へ入つたので、しつかと引寄せた下着の
背
(
せな
)
、
綿
(
わた
)
もないのに
暖
(
あたたか
)
く
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
へ触れたと思ふと、足を包んだ
裳
(
もすそ
)
が揺れて、絵の
婦人
(
おんな
)
の、
片膝
(
かたひざ
)
立てたやうな
皺
(
しわ
)
が
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
中途
(
ちうと
)
で
落
(
お
)
ちるのは、
屆
(
とゞ
)
かないので。
其
(
そ
)
の
砂利
(
じやり
)
が、
病院
(
びやうゐん
)
の
裏門
(
うらもん
)
の、あの
日中
(
ひなか
)
も
陰氣
(
いんき
)
な、
枯野
(
かれの
)
へ
日
(
ひ
)
が
沈
(
しづ
)
むと
云
(
い
)
つた、
寂
(
さび
)
しい
赤
(
あか
)
い
土塀
(
どべい
)
へ、トン……と……
間
(
あひ
)
を
措
(
お
)
いては、トーンと
當
(
あた
)
るんです。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
枯
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
“枯野”で始まる語句
枯野見
枯野抄